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スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。 第二十ニ回 レオ・セイヤー『シルヴァーバード』

こんにちは、カケレコ・スタッフ佐藤です。

「スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。」は、一般的にはあまり注目を集めることのない作品ながら「実は良い作品なんだけどなぁ、もっと聴かれてほしいなぁ。」とスタッフ佐藤が日頃から感じている、愛して止まない作品たちを取り上げてご紹介していこうというコーナー。

今回取り上げるのは、レオ・セイヤーの『シルヴァーバード』です。

現在は英国を代表するAORミュージシャンとして知られているレオ・セイヤー。2015年には新作をリリースし、さらには来日公演も行うなど精力的な活動を続けるサセックス州出身のシンガーソングライターです。

AORシンガーとしての彼の曲も素晴らしいですし実際好きな曲も多いのですが、今回はそんな彼のキャリアの原点、ポップSSWとしてミュージシャン活動を開始した当初の74年デビュー作を取り上げたいと思います。



初期レオ・セイヤーと言えば、当時のライヴで見せていた道化師のメイクと衣装を身に纏った姿が何といっても印象的。

これは初期の代表曲となった「The Show Must Go On(道化師の孤独)」に登場する道化師に扮したライヴ・パフォーマンスで、激しい身振り手振りを交えながら歌う一種シアトリカルとも呼べるステージが話題を呼びました。曲名とは裏腹に「もうショウはたくさんだ。見世物にされるのはゴメンだ!」と、絞り上げるような独特の歌唱で歌うライヴでの彼を見ていると、コミカルさに隠された悲哀が伝わってきてなかなか泣けてきます。

同曲はアメリカの大御所ヴォーカル・バンドであるスリー・ドッグ・ナイトがカバーし大ヒットを記録。それを受けオリジナル・バージョンの人気にも火が点き、この曲が収録されたデビュー作『SILVERBIRD』は英チャート2位にランクイン。同曲のシングルも2位に入る快挙を成し遂げたのでした。

それゆえに、『SILVERBIRD』=「The Show Must Go On」というイメージが拭えないところではありますが、他にもいい曲が多いんです。アルバム全体に目を向けると、ソングライティング面で最も影響を受けていると感じさせるのがエルトン・ジョン。ノリの良いポップな楽曲なんかはまさにエルトン調で、そこに線の細いハイトーンを絞り上げるような歌い方がいい感じにハマっていて、オリジナルなスタイルを作り上げています。

またジャケットの表情からしていかにもナイーヴそうな印象を受けますが、バラードナンバーではそんなイメージ通りの繊細なハイトーンで歌い上げていて非常に良い味出しているんですよね。そのへんの魅力がよく表れた叙情ナンバー「The Dancer」は、個人的に「The Show Must Go On」と同じくらい好きだったりします。

有名ミュージシャンが取り上げたことでオリジナルのミュージシャンが一気にブレイクすることは多々ありますし、彼のケースがその一例であるのは間違いないのですが、豊かなメロディセンスに裏打ちされた楽曲の良さ、情感溢れる歌声、そしてあまりに個性的なキャラクター性などが揃った彼であれば、たとえそうした働きかけがなくてもきっと成功を収めたであろうと思えるポテンシャルを感じさせます。稀に見る才能が発揮された屈指の名デビュー作だと思うのですが、いかがでしょうか。

The Show Must Go On

怒りを込めたようにも悲しみを訴えるようにも、それこそ道化師のパフォーマンスのようにも聞こえる、いろんな感情が綯い交ぜになったようなヴォーカルは唯一無二。スリー・ドッグ・ナイトのヴァージョンもいいですが、チャックにはこの感じは出せてないですね。明るい曲調の泣ける曲を作れるミュージシャンは才能があると勝手に思っているのですが、この曲はどうしようもなく泣けてきますね。

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The Dancer

アルバムでは「The Show Must Go On」の次にくる繊細なバラードナンバー。線の細いハイトーンの性質を生かした粛々とした歌声が胸に響きます。
ところでこの曲、SMOKIEのカバーを含めてもさらに以前に耳にしていたような気がするのですが、昔何かCMなどで使われていたのでしょうか。

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オリジナルより先に聴いた英国のグラム・ポップ・バンドSMOKIEのカバー・バージョンもいいんですよね~。

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Goodnight Old Friend

エルトンが歌っていてもおかしくなさそうな感じのポップ・ナンバーですよね。ここでは歌い方もかなり意識しているように思えます。
48年生まれのレオに対しエルトンは1コ上の47年生まれ。レオのデビュー時、すでに5年のキャリアを誇り前年には傑作『黄昏のレンガ路』をリリースしていたエルトンは、彼にとって目標だったのかもしれません。

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