2016年6月10日 | カテゴリー:スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。
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こんにちは、カケレコ・スタッフ佐藤です。
「スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。」は、一般的にはあまり注目を集めることのない作品ながら「実は良い作品なんだけどなぁ、もっと聴かれてほしいなぁ。」とスタッフ佐藤が日頃から感じている、愛して止まない作品たちを取り上げてご紹介していこうというコーナー。
今回取り上げるのは、コリン・ブランストーンの『ジャーニー』です。
仕事の面でも個人的な嗜好の面でもプログレを聴く割合は多いわけですが、プログレをたくさん聴いていると、つい演奏がいかに凄いかという部分にばかり注目しがちになっている自分に気づきます。演奏が凄い・巧いというのを一つの聴き所として捉え楽しむのはプログレファンにとってわりと普通のことだと思いますが、そのミュージシャンならではの特質を生かした音楽を味わいたいと考えるなら、それは演奏よりも「歌」に色濃く現れるものではないでしょうか。
そんなことを何となしに考える中でふと聴きたくなるのが、コリン・ブランストーンのあの甘いハスキーヴォイス。独特の声を持っているシンガーであってもたいがいは似た声質のシンガーが他にもいるものですが、彼の声はちょっと他には思いつかないんですよね。また個性的な歌い手の場合「これを歌わせたら天下一!」というものがあってもその他はどうにも合わないというケースがありますが、彼の場合きわめて個性的な歌声を持ちながら、ゾンビーズでのR&Bナンバーからサイケ・ポップ、ソロ以降のフォーク、ポップ、AORに至るまでいろんなサウンドにフィットしてしまうのが凄いところ。線が細いのでハードロックなんかはちょっと厳しいかもしれませんが、歌ってみれば案外はまるかも?
とにかく、音楽をやるにあたって個性というものがいかに大きな意味を持つのかを実感させてくれるのが、スタッフ佐藤にとってはこのコリン・ブランストーンなのです。
さて、そんなコリンと言えば本人の物憂げな表情を写したジャケットが印象的なソロデビュー作『一年間』が最もよく知られていると思います。彼のヴォーカルの繊細な表現力を堪能できるコリンと言えばコレ!と言える名作でしょう。楽曲で言えば、やはり次作『エニスモア』に収録された「I Don’t Believe in Miracles」。押しも押されもせぬ代表曲ですよね。粒ぞろいの初期楽曲の中でも抜きんでた名曲だと思います。
というわけで、1stや2ndが彼の代表作として認知されているのは承知しつつ、今回は2ndリリースから2年後の74年に発表された3rdアルバム『ジャーニー』を。最近は彼のアルバムを聴くとなったら、もっぱらこれを聴いています。
初期2作の繊細な魅力にやられたという方にとっては、この3rd「やけにポップになったなぁ」と感じるのではないでしょうか。前2作で溢れんばかりだった叙情性が幾分薄れてしまったのは確かだと思うため、好みに合わないとなればそれまでなのですが、ポップ作品としては非常によくできた楽曲が並ぶ逸品だとスタッフ佐藤は感じています。
ずば抜けて名曲!と言えるナンバーはないものの、どの曲にも必ず耳を惹くフックがあって、アルバム全体を通しての聴きやすさという点では、実のところ彼のソロ作品中一番ではないかと思うのです。
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奇跡のように美しいハスキー・ヴォイスを持った名シンガー。ZOMBIES解散後の71年にリリースされたファースト・ソロ作。自身作曲の「CAROLINE GOODBYE」はもう言葉を失う美しさ。「流麗」という言葉がぴったりくる本当に美しい名曲。ロッド・アージェント作曲の「SHE LOVES THE WAY THEY LOVE HER」も、ZOMBIES「ODESSEY & ORACLE」の楽曲を彷彿とさせるような、キャッチーで格調高い名曲。幻想的で優美な傑作です。
ペーパーケース仕様、デモテイクや未発表音源など14曲を追加収録した50周年記念盤
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盤質:無傷/小傷
状態:良好
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