2016年1月21日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,新譜CDナビ
タグ: プログレ新鋭
98年にデビューしたブラジル産シンフォニック・ロック・バンドPOCOS & NUVENSのギタリストとして知られるGerson Werlangの2015年作ソロがリリースされたのでピックアップいたしましょう。
まず印象的なのが、格調高さとラテン的なたおやかさとが絶妙にバランスしたクラシック・ギターのアルペジオとGerson自身による陽光のように柔和なヴォーカルと繊細に紡がれる優美なメロディ。ギタリストのソロですが、テクニックを押し出すスタイルではなく、たゆたうようなリリシズムに満ちた南米らしい「歌」が最大の持ち味です。
そんな「歌」を軸にしつつ、70年代のプログレへの憧憬に満ちたアレンジも魅力で、中域寄りのマイルドで温かみある歪みによるエレキのバッキング、まるでイタリアのレ・オルメのように深淵なトーンで奏でられる夢想的なムーグ・シンセが「歌」をドラマティックに彩っています。
70年代の発掘音源と言われても分からない、アナログなタッチのサウンド・プロダクションも特筆。南米らしい「歌」に満ちた70年代スタイルのシンフォニック・ロックとしてかなり完成度高いです。南米プログレ・ファンにとっては必聴といえる名作です。
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