2015年11月2日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
言わずと知れた名曲からあまりスポットの当たらない隠れた逸曲まで、毎回1曲を取り上げてご紹介していくこのコーナー「プログレ今日の一曲!」。今回は、CURVED AIRで活躍した英ロック界を代表するヴァイオリン奏者Darryl Wayが、同バンド脱退後に結成したリーダー・バンドWOLFの73年デビュー作より、アルバムラストを飾る必殺のナンバー「McDONALD’S LAMENT(悲しみのマクドナルド)」をピックアップ☆
7分にわたりDarryl Wayによる渾身のヴィオラ・ソロをフィーチャーしたインストゥルメンタル・ナンバー。とにかくヴィオラが紡ぎ出す狂おしいまでの叙情に満たされた美旋律が圧倒的で、終盤に向けて徐々に感情を露わにしていくような劇的な演奏に思わず息をのみます。ヴァイオリンより低い音域を持つヴィオラならではの音色が、美しさだけではない言い知れぬ哀愁を醸し出しているのが大きな魅力です。滲んだトーンで揺らめくセンチメンタルなエレピ、静かに爪弾かれるアコギ、そしてシンバルを用いて潮騒のような効果を生み出すドラムと、他の演奏陣もヴィオラ・ソロを絶妙に引き立てる見事なバッキングを披露しています。これぞロック・インストゥルメンタルの最高峰の一つに位置づけられるであろう至高の名曲です。
元CURVED AIRのDarryl Way(vln)がJohn Etheridge(g)などと結成したグループ。Ian McDonaldがプロデュースした73年のデビュー作。格調高くリリカルなメロディ、叙情性溢れるヴァイオリンが魅力的な英国的な陰影に溢れた流れるような佳曲ぞろい。特に最終曲「悲しみのマクドナルド」は、Darrylのヴァイオリンがこれでもかとむせび泣く美しすぎる名曲。対照的に、「Cadenza」など、ヴァイオリンとギターの知的でテクニカルなバトルも聴きどころです。
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