2015年7月14日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: 日々是ロック
こんにちは、カケレコ店長の田中です。
最近入荷したCD、売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー「日々是ロック」。
プログレ、ロック、ジャズ・ロック、サイケ、ハード・ロック、フォークなどジャンルを横断して世界のロックをカケハしてまいります。
先週末から昨日にかけて新譜が続々と入荷しておりますので、ピックアップいたしましょう。
まずは新鋭プログレ作品を6枚セレクト。
00年に結成され、06年にデビューしたフィンランドのプログレ新鋭グループ。2015年の3rdアルバム。
ジェネシス、ジェントル・ジャイアント、XTC、ラッシュ、そしてクラシック音楽や民族舞踏音楽のエッセンスをイマジネーションたっぷりにまとめあげるセンスが抜群!
70年代と80年代を同じ地平で捉えられる00年代世代だからこそ鳴らせるプログレッシヴ・ロックと言えるでしょう。これは名作です。
緑深い森が目に浮かぶような幻想性と透明感、舞踏音楽のもつ躍動感、そして、アングラガルドにも通じる幽玄さとテンション。
北欧らしいイマジネーション豊かなシンフォニック・ロックを聴かせるバンドがノルウェーより登場!
会心の2015年デビュー作。
カナダのラッシュをスペーシーなキーボードで幻想性たっぷりに包み込むと?
ハード&キャッチーでスペーシー&ヴィンテージなアメリカの新鋭が登場!
フランスはル・マン出身、女性ヴォーカルを擁するプログレ・グループ。2015年デビュー作。
コケティッシュとゴシックとを表現力豊かにつなぐ女性ヴォーカル、そしてチェンバーからアネクドテン的ヘヴィ・プログレまで行き交うアンサンブル。
フランスらしい芸術性溢れる新世代プログレ快作!
フィル・コリンズの息子サイモン・コリンズ率いるバンドSOUND OF CONTACTのKey奏者であり、音楽制作ソフトSONIC REALITY社の代表でもあるアメリカのミュージシャン。2015年のソロ・デビュー作。
ピンク・フロイドに通ずる洗練されたメロディ、音響的なサウンド・プロダクションを軸に、近年のBIG BIG TRAINに通じるクリアな幻想性とノスタルジアを加えたようなサウンドは実にメロディアス~。
フルートとトランペットの応酬が良いなぁ。ギターとエレピにはカンタベリーフィーリングとともにポスト・ロック的センスもあって透明感と浮遊感も特筆。
このメキシコの新鋭ジャズ・ロック・バンド、良いです!
充実の2015年デビュー作!
お次はリイシュー盤!個性的な作品ばかりのラインナップ。プログレ・ファンもロック・ファンもたっぷりとご視聴ください!
オーストラリア出身で渡英したRoss Stagg(Vo、G)を中心に、元QUATERMASSのドラマーMick Underwood等で結成されたブリティッシュ・グラム/ハード・ロック・バンド。EMIハーヴェストから76年にリリースされたデビュー作。
モダン・ポップの捻くれ、グラムのギラギラさ、ハード・ロックのエッジ、パンクの剥き出しのエネルギーがすべてつまってますね。現実逃避的でセクシャルなヴォーカルも良いし、尖りまくり!
GFRを解雇されたプロデューサー&マネージャーが設立したレーベルの第一弾。
発禁ジャケで相変わらずお騒がせですが、サウンドは痺れるブラス・ロック!
ロック・オペラとして世界で最も過小評価されている作品!?
69年に結成されたアイスランド・ロック屈指の名グループ。71年にリリースされた3rdアルバムで、人の一生を描いたロック・オペラ。
マイナーながら狂乱のダミ声オルガン・サイケはぶっ飛びまくり!
こりゃザッパもアーサー・ブラウンもびっくりな尖りっぷり!
米東海岸はロードアイランド出身のガレージ・バンドASCOTSで活動したTedとVinのMedbury兄弟が、ASCOTS解散後に結成したオルガン・サイケ・グループWHITE WASHが改名しリリースした、69年唯一作!
注目はマウンテンのレスリー・ウエストとフェリックス・パパラルディが参加していることで、ラスト曲なんて、プリティ・シングスにエリック・クラプトンが参加したような痺れる名曲!
グッドタイム・フォーキーなソロ名盤を残したSSWとして、ジョン・レノンの『心の壁、愛の橋』『ロックン・ロール』に参加したギタリストとして知られるエディ・モットーを中心に結成され、BO GRUMPUSを前身とするボストンのバンド。69年の唯一作。
ベルボトム・ジーンズとリングブーツをまとったメンバーのルックス通りに軸はアメリカン・ロックなのですが、なんだかVERTIGOとかHARVESTのバンドに通じるメランコリーも持っていてこりゃ魅力的!
オハイオ州クリーブランド出身のアート・ロック・グループ、71年リリースの3rd。
オープニングの高速ハード・ブギ、痺れる~。
テキサスではレジェンドと称されるギタリスト、John Nitzingerが率いるバンド、76年リリースの3rd。
ビッグ・スターっぽいけど、もうちょっとルーラルでハードロッキンで、ピート・ハムの宅録未発表曲みたいな趣きもあるし、この米フォーキー・ロックのレア盤、良いですよ~。
米インディアナポリス出身で、McKayを率いてサイケ・フォーク・ロックの名作『INTO YOU』を77年に残したギター&ヴォーカルのRay Pierleがその後にリリースした2枚のソロ、80年作『TIME AND MONEY』と81年作『RHYTHM OF THE HIGHWAY』をカップリングした2in1CD。
南国のお月様ジャケが良い感じ~。70年代フィリピン・ロックの傑作がこちら。
フィリピンの名ハード・バンドJUAN DE LA CRUZのベーシスト(バンドではベーシストでしたが、本来はギタリスト)で、プロデューサーとしても本国で数々の賞を受賞するなどフィリピンを代表するミュージシャンの一人。77年の1stソロ・アルバム。
ヘロンの2ndやリンディスファーンが好きな僕にとって最良のサウンド。
マイナーだけど、英フォーク・ロックの好盤ですよ。
歌声がユル~く声が裏返る瞬間、グッとくるなぁ。
英フォーク三美神が好きなら、このノルウェーのバンドは要チェック。演奏の荘厳さ、女性ヴォーカルの気品。「崇高」という言葉がぴったり。
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
またお会いいたしましょう。
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聴かなくなったプログレ&オールド・ロックのCDがございましたら、カケレコを是非ご検討ください。
1枚1枚、専任スタッフが丁寧に査定させていただきます。
オーストラリア出身で渡英したRoss Stagg(Vo、G)を中心に、元QUATERMASSのドラマーMick Underwood等で結成されたブリティッシュ・グラム/ハード・ロック・バンド。EMIハーヴェストから76年にリリースされたデビュー作。写真家Mick Rockによるジャケット、リリース当時の『貴婦人たちの午后』という邦題がイメージできる通りの背徳感たっぷりのサウンドが持ち味。オープニングの代表曲「School Girl Funk」からキレッキレで、ストレートに突っ走るパワフル&タイトなリズム、ファンキーにうねるクラヴィネット、パンキッシュに切れ込むエレキ・ギター、そして、Ross Staggによる現実逃避的でセクシャルなヴォーカルと歌詞世界。モダン・ポップの捻くれ、グラムのギラギラさ、ハード・ロックのエッジ、パンクの剥き出しのエネルギーなどがぶつかりあった痺れるサウンドが印象的です。その他の曲も尖りまくった佳曲ぞろい。これは快作です。プロデュースは、ロジャー・クローヴァー。
米オハイオ出身の10人編成のブラス・ロック・バンド。グランド・ファンク・レイルロードのプロデューサー&マネージャーで、バンドとのゴタゴタで訴訟問題にまで発展し解雇されたテリー・ナイトが設立したBrown Bag Recordの第一弾としてリリースされた72年のデビュー作。ソウル・フレイヴァーたっぷりにシャープにしなるギター、ブイブイとむせぶホーン・セクション、タイトでエネルギッシュなリズム・セクション、淡いトーンのハモンド・オルガン。初期シカゴを彷彿させる熱気ムンムンのブラス・ロックを聴かせています。メンバーは平均20歳にも満たない若手だったようですが、そうは思えないコクのあるアンサンブルが印象的。ホーンはバッキングだけでなく、ソロも取っていて、オープニングの熱いサックスのリードはかなりカッコ良し。ブラス・ロックのファンにはたまらない好盤です。
78年のデビュー作『SINGNS OF CHANGE』で知られるバンドAFTER THE FIREに在籍していたギター&フルート奏者のIvor Twidell率いる英フォーク・ロック・バンド。78年に500枚程度がリリースされたのみの激レア作品。アコギによる力強いコード・ストローク、ユル〜く声が裏返る瞬間がたまらない親しみやすい男性ヴォーカルとハートウォームなコーラス、そして、青空を軽やかに舞うような必殺のフルートやフィドル。ちょっとバタつくところが逆にグッとくるリズム隊もいいし、土の香りたっぷりで、いや〜、愛すべきサウンド。ヘロンの2ndやリンディスファーンが好きな僕にとって最良のサウンド。
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