2015年3月24日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: 日々是ロック
こんにちは、カケレコ店長の田中です。
昨日入荷したCD、売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー「日々是ロック」。
2015年に入っても続々と優れた作品が登場しているイタリアの現代プログレ・シーンを中心に、世界各国のプログレ新鋭グループの人気作をピックアップしてまいりましょう。
昨日、新入荷したNOT A GOOD SIGNとCICCADAの2015年作はどちらも本当に素晴らしい出来栄えですよ~。
現代イタリアが誇るチェンバー・ロック・グループYUGENの2人、Paolo “Ske” Botta(Key)とFrancesco Zago(G)が、70年代プログレへの憧れに満ちたサウンドを鳴らすべく結成したサイド・プロジェクトによる2015年作2nd。
クリムゾンへのオマージュたっぷりのロング・トーンのリード・ギターによるテンション溢れるパートもカッコ良いし、キーボードがミニマルなフレーズを紡ぎ、その上でメロトロンが叙情を描くパートもプログレ・ファンとしてたまらないし、『レッド』期のクリムゾンに、ソフツ『6』時代のカール・ジェンキンスが加入した感じ!?
05年にギリシャはアテネで結成された、女性ヴォーカルEvangelina Kozoniと、男性フルート/サックス/Key奏者のNicolas Nikolopoulosを中心とするグループ。2010年デビュー作に続く2015年作2nd。
フォーク、プログレ、アヴァンギャルドの垣根を超えてダイナミックに行き来する構成が魅力で、ヴァイオリンが舞い、フルートがギリシャの深い森の神秘性を漂わせると幽幻なるユーロ・フォークが立ち現れますが、次の瞬間、エレキ・ギターがガツンと炸裂し、ハモンド・オルガンがウネリを上げるまるでイタリアン・ヘヴィ・シンフォばりの荘厳さで畳み掛け、さらにそこから急展開で、管弦楽器が格調高くも暗黒の世界を描くチェンバー・ロックへと突入。
こ、これは、ずばりセンス抜群です。
Key兼VoのEmanuele Tarasconiを中心に2010年に結成され、12年に自主制作したEPがあのFabio Zuffantiの目に留まり、彼のプロデュースで2013年にデビューしたイタリアン・プログレ新鋭バンド。2015年作の2nd。
わぉ、わぉ、これほんと2015年作なの!?
ムゼオ・ローゼンバッハやレ・オルメのDNAを継ぐ凄いバンド。
往年の伊プログレのDNAを継ぐシンフォ新鋭としてLA MASCHERA DI CERAと双頭と言えるグループですよね!
前作からFINISTERRE~HOSTSONATENで活躍するKey奏者Luca Scheraniが加入してツイン・キーボード編成となりましたが、さらにヴァイオリン奏者も加わり7人編成となって制作された2015年作3rd。
まるでレ・オルメ『フェローナとソローナの伝説』が蘇ったようなムーグ・シンセの叙情みなぎるリードから気品たっぷりのハープシコードによるバッキングまで往年のイタリアン・キーボード・プログレのセンスたっぷりのキーボードをアンサンブルの中心に配し、その回りで、ヴァイオリンとエレキ・ギターが詩情溢れるメロディアスなリードを伸びやかに奏でる!
2015年に入ってもイタリアからは続々と優れたプログレ作品が届いていますが、その現代イタリアン・プログレ・シーンの礎を築いた名ミュージシャンがFabio Zuffantiであり、彼の才能がこれでもかとつまったプロジェクトがHOSTSONATEN。
それぞれの季節を音に描いた【四季】シリーズは、00年以降の伊プログレの最高峰と言えますが、この『春』編は、今の季節にぴったり。
ヴィバルディの世界を彷彿させるリリカルでたおやかな名品ですね。
【関連記事】
HOSTSONATEN、FINISTERRE、LA MASCHERA DI CERAを率いて次々の傑作をリリース。90年代以降のイタリアン・ロック・シーンを牽引する天才と言って過言ではないFabio Zuffanti関連作を特集!
カンタベリー・ミュージックのDNAを継いだフランスの新鋭グループ、2015年デビュー作。
ナショナル・ヘルスやクリムゾンからの影響をベースに、フランスらしいエレガントな感性でまとめあげたサウンドはかなりの完成度!
これは圧巻です・・・。
ポーランドの人気レーベルLYNX発の人気作品も再入荷いたしました。特に人気の作品を3作品、ピックアップいたしましょう。
現ポーランドを代表するバンドと言えば彼らですよね。
ジェネシスの叙情美とフロイドの内省感を合わせたようなメロディーを東欧的なメランコリーいっぱいのアンサンブルが包み込んだこの13年作、ドラマティック過ぎっ!
「美麗」という形容がぴったり。
ロッド・スチュワートをハイ・トーンに寄せてセンチメンタルにしたようなヴォーカルも魅力的だなぁ。
ポーランドらしい叙情派プログレ、2014年作!
幻想的に立ち込めるシンセが聴き手を別世界へといざなう、ジャケ通りのファンタジーを描き出す壮麗なるメロディアス・シンフォ。
MILLENIUMのヴォーカルGALLによるエモーショナルな歌唱も素晴らしい!
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
またお会いいたしましょう。
—–
聴かなくなったプログレ&オールド・ロックのCDがございましたら、カケレコを是非ご検討ください。
1枚1枚、専任スタッフが丁寧に査定させていただきます。
ポーランドの叙情派シンフォ・グループ。07年作。荘厳なキーボード、鍵盤の上を軽やかに舞うクラシカルなピアノ、ロング・トーンのエモーショナルなギター、伸びのある歌声のふくよかなヴォーカルが印象的。アコースティックかつ瑞々しいタッチのファンタスティックなアンサンブルを基本に、シャープで硬質なドラムやメタリックなギター・リフなどの現代的なヘヴィネスを加えた、「静」と「動」の振幅激しいドラマティックなシンフォニック・ロック。
カンタベリー・ミュージックのDNAを継いだフランスの新鋭グループ、2015年デビュー作。エレピやピアノによるミニマルなフレーズがタペストリーのように折り重なったまるでナショナル・ヘルスのようなパート、ビル・ブラッフォードばりに疾走するビートとテンションみなぎる凶暴なリズム・ギターによるクリムゾンを彷彿させるパート、そして、精緻に紡がれるピアノやエレピの中をヴァイオリンが艶やかに舞う室内楽的なパートなどがめくるめく10分を超えるオープニング・ナンバーから圧倒的な演奏力とイマジネーションに驚きます。メロトロンも全編で幽幻に鳴り響いていて特筆。ナショナル・ヘルスやクリムゾンからの影響をベースに、フランスらしいエレガントな感性でまとめあげたサウンドはかなりの完成度と言えます。WHITE WILLOWのギタリスト、YUGENのKey奏者の他、MINIMUM VITALやSTORMY SIXのメンバーも参加。70年代的なサウンド・プロダクションも印象的。ユーロ・アヴァン・プログレの傑作です。
99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。ネオ・プログレとピンク・フロイドの影響の元に、メランコリックで映像喚起的なサウンドでデビューし、徐々に洗練させながら、前々作、前作で到達した、「プログレ」の枠を超えた、ピンク・フロイド『ウォール』ばりのスタイリッシュな「ロック」サウンド。2013年作9thである本作では、スタイリッシュさはそのままに、叙情性を増し、シンフォニック・ロックとして孤高のサウンドを聴かせています。映像喚起的なSEから入り、中欧の森を思わせるアコギのリードが静かに鳴るイントロ。その静寂を打ち破って轟くヘヴィなギターとキーボードによる音の壁とギルモアばりに伸びやかに泣くリード・ギター。そして、何より素晴らしいのがメロディーとヴォーカル。ピンク・フロイドの内省感とネオ・プログレの叙情美とが出会ったような美旋律、そして伸びやかさの中に翳りを感じさせるハイトーンが魅力のヴォーカルは、もう絶品の一言。99年のデビュー作での「空間的な音響センスに溢れたシンフォニック・ロック」を、これまでの作品で培ったテクニックとサウンド・メイキングのセンスにより圧倒的な強度で聴かせた一大傑作。熱くも透徹としたロマンティシズム。これはずばり最高傑作!
Key兼VoのEmanuele Tarasconiを中心に2010年に結成され、12年に自主制作したEPがあのFabio Zuffantiの目に留まり、彼のプロデュースで2013年にデビューしたイタリアン・プログレ新鋭バンド。2015年作の2nd。バロック建築が目に浮かぶようなクラシカルなピアノ、そして、荘厳に鳴り響くハモンド・オルガンやウネリを上げるムーグ・シンセや叙情が溢れるメロトロンなどヴィンテージ・キーボード。タメの効いたファズ・ギターや唐突な変拍子で前のめりなダイナミズムとキレを生むリズム隊など、60年代末のサイケからハード・ロックの移行期に充満していた空気感までも受け継いだような引きずるようなヘヴィネスもあり、ムゼオ・ローゼンバッハなどヘヴィ・シンフォやレ・オルメなどキーボード・プログレのファンは心躍りまくりのサウンドで冒頭から畳み掛け、聴き手を圧倒します。陽光が差し込んだようにリリシズム溢れるパートも巧みに配され、ちょっと線の細い男性ヴォーカルが、70年代の発掘シンフォ・アイテムのような雰囲気も醸していてたまらないし、フルートやストリングスのメランコリックな調べも絶品。70年代オマージュの新鋭ではLA MASCHERA DI CERAが筆頭格ですが、それにも肩を並べると言って過言ではない傑作!
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!