2016年11月21日 | カテゴリー:カケレコ中古棚探検隊
秋も大詰めの時期に差し掛かってきましたが、この時期にピッタリな渋~い音色を聴かせてくれる楽器といえばやはりオルガンではないでしょうか。そんなわけで、中古在庫よりオルガン好きにはたまらないロック/プログレの名盤たちをピックアップしてまいりたいと思います☆
英オルガン・ロック好きなら避けては通れないレーベルと言ったらヴァーティゴですよね。その中でも一際完成度の高いサウンドを聴かせるのが、長年メンバーの名前さえ定かではない謎のグループとして語られてきたこのスティル・ライフ。哀愁のハモンドが全編で炸裂する名盤となっています。
オルガン名演の宝庫カンタベリーシーンからは、名手デイヴ・スチュワートが率いるこのグループをセレクト。後のHF&Nやナショナル・ヘルスでの洗練されたプレイも魅力ですが、この70年代初頭らしい熱気を纏ったアグレッシヴな演奏も大変素晴らしいです☆
キーフが手掛けたクレシダ「アサイラム」とマンフレッド・マン・アース・バンド「チャプターII」を足して2で割ったような不気味ジャケが印象に残る、米サイケ・プログレ69年作。サウンド面では陰影に富んだハモンドの音色が特徴的で、同時期の英国ロックにも通じる気品が漂います。
北欧のエマーソンことリック・ヴァンダー・リンデンが率いるキーボード・トリオ・グループによる名作2nd!オルガンがスリリングに駆け巡る圧倒的にカッコいいこのオープニングナンバーをどうぞ☆
ユーライア・ヒープがバロック様式の教会で録音したとしたら、こんなサウンドになる!? 粛々としたオルガン独奏から怒涛の勢いでなだれ込んでくる重量級ハードロックはいつ聴いてもビビります!イタリアならではのドラマティックさもあって、マイナーながら伊ハード/ヘヴィ・シンフォ屈指の名作ですね。
東欧と言えばシンセのイメージが強いですが、チェコのELPと言えそうなこのバンドは、攻撃的なオルガンワークが強烈!ライヴ録音でさらに凶暴さを帯びたプレイがただただカッコイイです!
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VERTIGOレーベル発のプログレッシブ・ロックを代表するグループの71年唯一作。メンバー編成すらクレジットされていないため長らく謎に包まれていたグループですが、その内容はCRESSIDAなどと並ぶ英国ロックの代表作であり、イギリスらしい重厚な質感を持ったブリティッシュ・ロックという趣です。ブルージーでハードに盛り上げながらもジェントリーな響きを持ったバンド・アンサンブルは英国然とした湿り気と翳りを内包させており、ギターやフルートの彩りを交えながらもそのバンド・アンサンブルを引っ張るのはアグレッシブに弾き倒しを見せつつ懐の深いプレイを聴かせるハモンド・オルガン。英国の芳醇な香りを放つ名盤です。
元EKSEPTIONのRick Van Der Linden率いるオランダのキーボード・トリオ。75年作2nd。クラシカルな美しさはそのままに、ロック的なダイナミズムを増した重厚なアンサンブルは驚異的な完成度。全プログレ・ファン必聴の傑作。Darryl Wayがゲスト参加。
Steve Hillageも在籍していたバンドURIELを母体として発足、名キーボーディストDave Stewartが率いたイギリスのプログレバンドの70年2nd。バンドは前作同様キーボートリオ編成ですが、ゲストにジャズフィールドのサックス奏者やトランペット奏者が参加し素晴らしい演奏を聴かせており、前作の路線を守りつつもより整合の取れた傑作となっています。Dave Stewartというとジェントリーなプレイに定評がありますが、本作ではAARDVARKのような歪んだハモンドオルガンの引き倒しも見せるなど、かなりアグレッシブなプレイを披露。ギターレスのハンデを全く感じさせません。そして一方ではHATFIELD AND THE NORTHに通じる華やかさも絶妙にブレンドされ、やはりセンスの良さを感じさせます。複雑な変拍子の応酬などプログレッシブなアプローチも素晴らしく、前作と併せて全プログレファン必携の名盤です。
フロリダ出身のサイケ・プログレ・バンドが69年に発表した唯一作。「アメリカのCRESSIDA」とも称されるようにジャズ・ロック調の気品あるオルガン/キーボード・ワークと、プログレ調のめまぐるしい展開とシリアスな雰囲気を湛えたサウンドが特徴。メロディアスなオルガンを軸に展開されるドラマティックな楽曲群はかなりの完成度。若干シアトリカルなヴォーカル、ファズ・ギターの引きずるようなリードも堪りません!米国産ながら、70年代英国のオルガン・ロック好きにも是非聴いていただきたい一枚。この気味の悪いジャケットにピンと反応してしまった方も、その感性を裏切らない雰囲気を内包した一枚です。
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