2013年12月9日 | カテゴリー:ユーロ・ロック周遊日記,世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。
本日は、イタリアのフォーキーなプログレ・グループGRUPPO2001による72年唯一作『L’ALBA DI DOMANI(新世代の夜明け)』をピックアップいたしましょう。
GRUPPO 2001は、イタリア半島の西方の地中海上に浮かぶサルデーニャ島出身のグループ。リズム隊に二人のギタリスト、そしてヴォーカルも務めるキーボード奏者による5人組バンドです。
この72年にリリースされた唯一の作品『L’ALBA DI DOMANI』は、味わい深いアコギ爪弾きに素朴なヴォーカルが乗るカンタゥトーレ調のフォーキーな歌ものに、オルガンやメロトロンが優しく彩りを加えていく温かみ溢れるプログレ作品。
それでは、冒頭荘厳に鳴りわたるオルガンが何とも印象的なこの逸曲をお聴きください♪
目を瞑りこの流れてくる音楽に身を任せれば、欧州の雄大な田園風景がイマジネーション豊かに広がってきませんか?英国のいわゆる田園フォークものに通じる、人々の素朴な生活風景を写し取ったかのようなサウンドに胸を打たれます。
しかし、そういった情景喚起的なサウンドの中にも、叙情的ながらもラブロックほどは甘くないメロディや、穏やかなフォークタッチが突如音数の多いプログレッシヴな演奏へと変化するアンサンブルなど、手触りこそアコースティカルですがプログレ魂もしっかりと感じさせるのがポイント。
バンドは75年まで活動したものの、作品はこの72年作のみ。70年代には唯一作をリリースするにとどまった名グループが数多く存在しますが、このバンドにもハートフルな名作をもっと残して欲しかったものですね。
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