2018年8月5日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
うだるよう夏に是非とも聴きたいプログレ・アルバムをTwitterフォロワーの皆さまに推薦していただきました!
是非試聴しながら厳しい暑さを乗り切るための一枚を探してみてくださいね☆
まさにジャケットの宇宙空間が眼前に広がるような静謐かつ雄大な作品世界は、夏の夜に心落ち着けて浸りたいサウンドですよね。
演奏におけるテンションそのものは間違いなくイエス史上No.1ながら、音の質感はどこかクールに抑制されたものがあるんですよね。そこが夏にも暑苦しさを感じさせずに聴けるポイントなのでしょうか。
ピンク・フロイドは、71年8月の箱根アフロディーテ公演を挙げていただきました。当日は霧が出て、非常に幻想性溢れるステージになったそうです。いや~、これは是非生で体験したかったライヴの一つですよね。当日の「ATOM HEART MOTHER」演奏動画をどうぞ☆
UKの1stより「ALASKA」を挙げていただきました。エディ・ジョブソンのクールなシンセワークは、夏に効きますね~。
初期のエイジアは、突き抜けるようなキャッチーさと開放感に満ちた、正しく夏にピッタリのサウンドを提供してくれます。
94年発表、バンドの代表作の一つ。壮大かつ劇的なコンセプト作品で、全編にわたって英国プログレらしいクールネスと幻想美を湛えた名作となっています。
イギリスにエイジアがいれば、アメリカはやはりこのバンド。トム・ショルツのギターは本当に「飛翔する」という言葉がピッタリなんですよね。爽快!
オーストラリアという土壌を反映した、どこまでも雄大に広がるようなスケール感いっぱいの演奏に圧倒されますよね。星がよく見える夏の夜に聴けば、感動で暑さなんか感じないでしょうね~。
イタリアン・ロックと言えば、ヴォーカルを筆頭に情熱的なサウンドというイメージが強いですが、涼風が吹き抜けるような爽やかな叙情美を持つ点も大きな特徴なんです。
たおやかかつ格調高くシンフォニックな70年代前期、親しみやすいポップさが特徴の70年代後期~80年代と、一貫して爽やかで涼しげな音を鳴らすバンドなんですよね。
こちらも地中海の爽やかな涼風が吹き抜ける一枚。前作と比べ幾分緊張感の和らいだフュージョン・タッチの演奏と、美しく印象的なメロディを持つ楽曲が素晴らしい名盤2ndですね。「本作を聴きながらビーチでカンパリ・ソーダを・・」というご意見をいただきましたが、プログレ・ファンならそんな夏、一度は過ごしてみたいですよね。
このバンドは、12年8月の来日公演を観たという方に挙げていただきました。確かにあの圧倒的な迫力の演奏とインパクト抜群のステージを一度でも体験すれば、夏に聴くバンドとして強烈に印象づけられるのも納得です。サントラ作品での緊張感みなぎるホラー感覚も、夏は持って来いですね。
イタリアン・ロックと並んで人気が高かったのがジャーマン・ロック。シンセサイザーをフィーチャーした作品から、崇高な美を湛えたあの作品までバラエティーに富んだラインナップ!
唯一二人の方が挙げてくださったのがこの作品。シュルツェ特有のほの暗くひんやりとした質感のシンセは、聴いているだけで徐々に体温が下がっていくかのような感覚を味わえる代物。暑さを音で制することができるとは、さすがは御大!
「明け方にポポル・ヴーなぞよろしいですね」というご意見をいただきました。確かに朝からポポル・ヴーの彼岸的なサウンドに浸れば、一日涼しく過ごせそうですよね。これは是非やってみたいです。
「CANのfuture daysなんか汗が止まりますね〜」ということで挙げていただきました。確かにこの熱くなるギリギリの所でクールに抑制されたサウンドには、制汗作用がありそうですよね。
この暑~い夏に、あえて熱~い演奏を聴いて、夏に打ち勝とう(?)というツワモノもいらっしゃいました。
暑い夏に、あえて煮え立つ闇鍋サウンドを堪能しようというこの心情、プログレ・ファンなら理解できるはず・・!
「真夏のオフィス街、汗を垂らし歩きながら聴く、マハビシュヌ・オーケストラ『火の鳥』は格別です。」とのこと。この凄まじい熱量を放つアンサンブルに、音による熱中症(?)には気をつけなければなりませんね。
思わず背筋がゾクっとするようなサウンドは、やはり夏の暑さに効果大ですよね。プログレシーンのそんな作品たちも挙げていただきました。
これは何とも狂気ムンムンな一枚。あまりにアヴァンギャルド過ぎる演奏とダグマー・クラウゼの常人離れしたフィメール・ヴォイスに、聴いていると思わず背筋から寒~くなってきますよね。
ヘンリー・カウのメンバーを中心としたアヴァン・ロック・グループ。ティム・ホジキンソンによる、ハイテンションかつどこか狂的に弾む歌声は聴いていてヒヤリとしますよね。 ヘンリー・カウ出身メンバーだけに、先の読めないスリル満点の演奏が楽しめるのも特徴!
最後はイタリアの新鋭、ゴブリン以来のイタリアンホラー系プログレの実力派バンド。本作はハリウッドホラーの傑作「シャイニング」をモチーフにした作品で、映画と一緒に楽しめば、もう暑さどころの話じゃない恐怖が襲ってきてくれるはず。是非、真夜中に真っ暗な部屋の中で聴くことをオススメいたします!
いかがでしたでしょうか。是非ともこれらの作品たちを参考にして、夏を快適にお過ごしいただければ嬉しく思います!
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70年代から起こったファンク・ムーヴメントはもちろん英国にも伝搬。黒人たちのエネルギッシュなファンクに憧れつつも、どこか繊細さが出てしまう…そんな愛すべきファンキー・ミュージックをご紹介してまいります。
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『雪景色にぴったりの幻想プログレ紀行』と題しまして、透明感あるファンタスティックでリリカルな作品を求めて、世界中をご案内!
CITTA FRONTALEを母体に、Danilo RusiciとElio D’annaを中心に結成され、呪術的なサウンドとほの暗い叙情でトップバンドへと登りつめたイタリアのへヴィー・プログレッシブ・ロックグループの73年3rd。彼らの最高傑作として名高い本作は、彼らの個性である呪術的な暗鬱とした音楽性、圧倒的なサイケデリアを描く音像、そして過剰なへヴィネスを内包したギター、サックスが先導するフリー・ジャズ路線のアプローチが高次元で融合したイタリアン・プログレッシブ・ロックを代表する名作であり、おどろおどろしいながらも神秘を感じさせる傑作です。
盤質:傷あり
状態:並
帯有
紙ジャケにスレ多めにあり
QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの73年3rd。本作はまさにそのMANTICOREからの世界リリース作となった、ヨーロピアン・ロック屈指の1枚であり、Pete Sinfieldが英語詞を担当した傑作です。先にイタリアでリリースされていた2nd「Per Un Amico」の再録音と、デビュー作「Storia Di Un Minuto」より1曲、そして前2作には未収録の新曲1曲で構成されており、イタリアらしいバロック色とダイナミックなロックを融合した奇跡的なサウンドを提示。テクニカルな変拍子と呼応する凄まじい叙情の嵐は唯一無二のものです。
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの74年作7th。「こわれもの」「危機」で大きな成功を収めた彼らですが、前作「海洋地形学の物語」でキーボードのRick Wakemanが脱退、後任にはRefugeeの技巧派Patrick Morazが加入しています。その内容はPatrick Morazの参加によってラテン・ジャズ、そして即興色が加味され、超絶なインタープレイの応酬で畳み掛けるハイテンションな名盤であり、「サウンド・チェイサー」ではインドネシアのケチャも取り入れるなど、深化した彼らの音楽性が伺えます。もちろん彼ららしい構築的なアンサンブルも健在であり、大曲「錯乱の扉」の一糸乱れぬ変拍子の嵐など、バンドのポテンシャルの高さが伺えます。大きな成功を経て円熟期に入った彼らを象徴する1枚です。
紙ジャケット仕様、SHM-CD、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック3曲、定価2580
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
デジパック仕様、スリップケース付き仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック3曲、定価1890
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
若干汚れあり
プログレッシブ・ロック界を代表する技巧派ドラマーFurio Chiricoといぶし銀のプレイを聴かせるキーボーディストBeppe Crovellaを擁する、イタリアを代表するジャズ・ロックグループの75年2nd。その内容は、前デビュー作の路線を継承しながらよりジャズ・ロック寄りのアプローチを打ち出し、フュージョン色もほのかに香らせながら進行する作風です。楽曲が細分化されているため短くまとまった感じを受けるも、やはりその内容は前デビュー作に引けを取らない密度の濃さと超絶技巧の連続であり、前作よりタイトなサウンドで迫る名盤となっています。
奇才Robert Frippを中心に結成され常に先鋭的なサウンドを作り出し、デビュー以来プログレッシブ・ロックの頂点に君臨し続けるイギリスのグループの71年4th。全てを静観するような達観したサウンドが特徴的であり、Boz BurrellのボーカルはPeter Sinfieldのメッセージを優しく歌い上げ、空間を彩るサウンドはジャケット通り宇宙的な広がりを見せます。Peter Sinfieldは本作を持ってバンドを離れ、Robert Frippは解散を宣言、次作「太陽と戦慄」まで少しの間KING CRIMSONは形骸化することとなります。バンド崩壊ギリギリの輝きが感じられる、彼らの作品の中でも最も儚く美しい名盤です。
17?紙ジャケット2種付仕様(帯3種)、プラチナSHM+DVDオーディオの2枚組、オリジナル英文ブックレット訳・ステッカー(小)付仕様、ターコイズブルー・レーベル、HRカッティング、定価5093+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
マイルス・バンドで活躍した天才ギタリスト、ジョン・マクラフリンとドラマーのビリー・コブハムに加え、ヤン・ハマー(key)、リック・リアード(b)、ジェリー・グッドマン(vln)と、当時のジャズ界きってのテクニシャンによって結成されたフュージョン・シーンを代表するグループ。代表作と名高い73年の傑作2nd。ぶっといトーンでゴリゴリとフルピッキングで弾き倒すマクラフリンのギターと、鬼気迫るグッドマンのヴァイオリンとのユニゾンが放つ緊張感と迫力は唯一無比。ドラムも凄まじくって、ジャズドラマーらしい圧倒的な手数とシャープネス、さらにツェッペリンのジョン・ボーナムばりの重量感もあって、ただただ「超人的」。そこに流麗に切れ込むヤン・ハマーのエレピ、アグレッシヴに動くベースも超絶的だし、とにかく「テクニカルな緊張感」という点では、最高到達点と言えるアンサンブルを聴かせます。ジャンルを超えて音楽シーンに衝撃を与えた70年代屈指の大傑作!
元KING CRIMSON〜UKのヴォーカルJohn Wetton、元YESのギター Steve Howe、元EL&PのドラムスCarl Palmer、元BUGGLES〜YESのキーボードGeoffrey Downesの4人よって結成されたスーパー・グループ、82年作1st。ポップでコンパクトな楽曲構成ながら、ヴォーカルを前面に押し出した哀愁のメロディを、ドラマティック且つPOPに仕上げた作品です。スライド奏法による伸びやかな泣きを聴かせるギター、きらびやかに音色を重ねるキーボードが、男臭くエモーショナルなヴォーカルが歌い上げるメロディを盛り立てるアンサンブルはスケール感満点。疾走感溢れるインプロヴィゼーション・パートでは、歪んだベースと力強くグルーヴするドラムも加わり、各メンバーのテクニシャン振りを堪能出来ます。十分にプログレ色を備えており、80年代ロックを代表する名盤。
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