2018年6月24日 | カテゴリー:KAKERECO DISC GUIDE,世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフみなとです。
本日は、アメリカのニッチなデュオ、SILVER-STEVENSの72年唯一作、『SILVER-STEVENS』をピックアップいたします。
フィラデルフィアのドゥ・ワップ・グループ、DOVELLSのメンバーだったARNIE SILVERとMARK STEVENSのデュオです。
DOVELLS(ダヴェルズ )
50年代にフィラデルフィアのOVERBROOK高校で結成されたグループ。
ブルー・アイド・ソウル・シンガーとして人気を博した、レン・バリーを看板とし、フィラデルフィアの人気音楽番組『アメリカン・バンドスタンド』に出演、数多くのダンス・ヒットを放ちました。
63年、リード・シンガーのレン・バリーがソロ活動のため脱退。残ったメンバーで活動を続けます。
SILVER-STEVENSは、DOVELLSの残ったメンバーのうちの2人、ARNIE SILVERとMARK STEVENSがニューヨークに渡って録音した72年の作品です。
どういういきさつでこの2人がグループを抜けてデュオ作をリリースしたのか、調べても今一つ分からないのですが、その後もDOVELLSとして活動していることからすると、グループとは違った趣向で作品を作りたかたのでしょう。
現に、今作『DUSTY ROADS』は、ドゥ・ワップ・グループとは全く違った魅力ある作品となっています。
一言でいうと「フォーキー・ソフト・ロック」です。
♪Over Our Heads
♪The Lovers
管弦楽器を取り入れたアレンジで、レフト・バンクなどのバロック・ポップにフォーク・タッチを織り交ぜている印象。
この上品なストリングスは一体どうしたことだろう、とクレジットを見てみると、ホーンとストリングスのアレンジは、アメリカの名プロデューサー、ドン・コスタでした。
DON COSTA(ドン・コスタ)
ポール・アンカやフランク・シナトラを手掛けたことで有名です。なるほどね。
ただ、聴き進めていくとALLMANなどのウェストコースト・ロックやMARSHALL TUCKER BANDのようなサザン・ロックに通ずる「いかにもアメリカらしい」爽やかさ、土臭さもあり、「気品あふれるフォーキー・ソフト・ロック×いなたいサザン・ロック」的な印象が非常に新鮮です。
♪We’re On Our Way (To The Country)
♪Just Hold My Hand And Sing
グループを抜けて、気の合う2人で作った、たった一作のデュオ作品。
お互いのやりたい事を思う存分試してみた、そんなアルバムなのでしょう。
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