2018年4月23日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,今週のカケレコFacebook
こんにちは。この度、「トム・ウェイツを起点に巡る、大人のための激渋ロック」というテーマで、facebookに投稿してまいりました。
大人の皆様にこそ味わっていただきたい、渋みたっぷりのサウンドを聴かせるアルバムをご紹介していきたいと思います!
最初は、激渋ロックと言えばこの方、トム・ウェイツの73年デビュー作『CLOSING TIME』です。
「酔いどれ詩人」の異名を持つ孤高のSSWによる、胸に染み入るようにノスタルジックな大名盤が本作。
ギターとピアノ弾き語りを中心とするシンプルな演奏と、トレードマークの哀愁誘うしわがれヴォーカル。ブルース、ジャズ、カントリー、ワルツ等を良い塩梅に溶かし込んだこれぞ激渋なサウンドは、まるで閉店後のガランとした酒場の一隅が目に浮かぶように場末感たっぷり。
それにしても、当時24歳にしてこの人生の酸いも甘いも味わい尽くしたような歌声はすごいですよね…。(佐藤)
本日の作品はフリートウッド・マックの69年作、『PIOUS BIRD OF GOOD OMEN(聖なる鳥)』。
フリートウッド・マックというと77年のヒット作『噂』のようなキャッチーなイメージもありますが、ギタリストのピーター・グリーンが在籍した初期の作風はかなり「激渋」。
特にこのインスト・ナンバー「Albatross」!かのビートルズ「サン・キング」にも影響を与えたという名曲ですが、どこまでも雄大かつ深みのあるギター・サウンドには思わずため息をついてしまいます。
そして後にサンタナによるカヴァーで大ヒットを飛ばす「Black Magic Woman」。実はオリジナルはこちらで、サンタナ・バージョンとはまた違った枯れた味わいのヴォーカルとギター、後半でシャッフルに切り替わる小粋なアレンジなど、堪らない格好良さの詰まった一曲。
この『聖なる鳥』は正式なスタジオ作ではなくシングル曲などを集めた編集盤なのですが、上記2曲をはじめいぶし銀のブルース・ギターに痺れる名曲ぞろい。渋く、かつ脂の乗った英国ブルース・ロックの名盤です!(増田)
本日取り上げるのはライ・クーダーの72年作、『流れ者の物語』。
ブルースやカントリー、R&Bなどアメリカのルーツ・ミュージックは勿論のこと、ハワイアンやキューバ音楽など世界各地の音楽を吸収し、独自の解釈で作品を作り出すライ・クーダー。彼の魅力の一つは、何と言ってもスライド・ギターですよね。
アメリカをさすらう男をテーマにした今作でも、そのギターがたっぷり味わえます。特にダン・ペン作の「Dark End Of The Street」では、アコギとエレキ2本のスライド・ギターの絡みが絶妙です。一音一音がたまらない哀愁を漂わせており、聴いているとアメリカ南部のすすけた風景が眼前に広がります。
様々な人生経験を経た大人だからこそ分かる、豊かな渋みのあるアルバムではないでしょうか。(みなと)
今回は英国のグループMARK-ALMONDによる76年作『TO THE HEART』をご紹介します。
共に60年代には名うてのセッションマンとして活動し、短期間在籍したジョン・メイオール率いる名門ブルースブレイカーズで出会ったジョン・マークとジョニー・アーモンドの2人が中心となって結成したのがMARK-ALMONDです。
ジャズの素養を下地としたいぶし銀なアンサンブルに、英國らしい流麗なメロディが乗るサウンドは、これぞ大人のロックという雰囲気がプンプン。トミー・アイアー(key)、ロジャー・サットン(b)といった名手たちの好演も聴き所です。
洒脱さと凛とした静謐さとのバランスが絶妙で、聴き込むほどにその深みある音世界に魅入られてしまいます…。(佐藤)
最後の作品は英国のブルース・ロック・グループ、AYNSLEY DUNBAR RETALIATIONの69年1stをご紹介いたしましょう。
エインズレー・ダンバーといえばブルース・ブレイカーズやザッパ・バンド、ジャーニー等数多のバンドを渡り歩いた名ドラマー。
ブルース・ブレイカーズでのデビュー後、ジェフ・ベック・グループのメンバーに迎え入れられた彼ですが、ポップ路線を志向するマネジメントに反発して脱退。
そんな彼が、自身の望む本格的なブルース・ロックを追求するために結成されたのがこのRETALIATIONでした。
そんな訳で「ポップ」への反発から生まれたこのアルバム。なるほどとにかく激渋です。
アダルティかつブルージーに切り込むギター、低く哀愁込めて歌い上げるいぶし銀のヴォーカル。さらには流麗なピアノや金管楽器のコルネットなど、ジャジーな要素も満載。
ヒプノシスによるジャケットも味わい深く、まさに「大人の男のブルース・ロック」という風格が漂う隠れた名作と言えるでしょう。(増田)
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