2017年6月13日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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こんにちは、スタッフ佐藤です。
来たる6月30日~7月2日・7月4日、Billboard LIVE東京・Billboard LIVE大阪にてフィル・マンザネラが来日公演をおこないます。
ロキシー・ミュージックのギタリストとして有名な彼ですが、ソロ活動や自身が率いるバンドでの活動、さらにプロデューサーとしても手腕を発揮するなど才能溢れるアーティストとして第一線で活動を続けてきました。
801やQUIET SUNなどのプログレ系バンドを率いた他、近年ではピンク・フロイドの14年作『ENDLESS RIVER』のプロデュースに名を連ねていたりと、ロキシーの歴代メンバーの中では最もプログレッシヴ・ロック・シーンと深い関わりを持つミュージシャンと言えるのがマンザネラなんですよね。
というわけで今回は来日公演を祝して、70年代の主要な参加作品を中心に取り上げながら、フィル・マンザネラの足跡を追っていきたいと思います!
本名Philip Geoffrey Targett-Adams。1951年ロンドンにて、コロンビア人の母親とイギリス人の父親の間に誕生。
幼少~少年期、キューバやベネズエラなど中南米を転々とする暮らしを送る中で音楽に目覚め、自身の音楽的ルーツとして後のソロ作品にも反映されることとなるキューバ音楽・ラテン音楽の素養を培っていきます。
最初にマンザネラがメジャーシーンへ浮上したのが、ブライアン・フェリーとブライアン・イーノという2人の奇才が在籍したグラム・ロック/モダン・ポップの伝説的グループROXY MUSICのギタリストとしてでした。ちなみにROXY MUSICのギタリストとして彼は4代目に当たります。デビューと同時にそのエキセントリックで型破りなサウンドと奇抜なビジュアルセンスで英国ロック・シーンに衝撃を与えたロキシーですが、そんな中でマンザネラのトレードマークと言えるのが昆虫(ハエ?)を思わせるメガネ。他のメンバーに負けず劣らず得体の知れない怪しい男感が凄いですよね!
マンザネラが、英アヴァン・プログレの雄THIS HEATで活躍する奇才ドラマー=チャールズ・ヘイワード、マッチング・モールで知られるカンタベリー・シーンのいぶし銀ベーシスト=ビル・マコーミックらとともに結成したジャズ・ロック・バンド。このバンドはロキシー加入以前の70年に結成され、ソフト・マシーンともツアーを行うなど生粋のカンタベリー・ジャズ・ロック・バンドとして活動していました。72年にバンドは解散。当時はデモ・レコーディングのみにとどまったものの、後の75年に唯一作となるアルバムを制作します。
ロキシー・ミュージックが一時的に解散状態にあった76年、マンザネラを中心にブライアン・イーノ、ビル・マコーミック(元マッチング・モール)、フランシス・モンクマン(元カーヴド・エア)、サイモン・フィリップスら腕利きメンバーが終結したのがこの801。メンバーが物語るようにプログレッシヴ・ロック然としたサウンドを展開します。76年のライヴ作や77年の名盤『LISTEN NOW』が知られますが、マンザネラはその後も度々ソロ・プロジェクト的に801名義を使用して作品をリリースしています。
ロキシーや他のプロジェクト・バンドで活動する傍ら、75年のソロデビュー作にして名盤『DIAMOND HEAD』を始めとしてソロ・ミュージシャンとしても良作を多数発表。自身のルーツであるラテン音楽を取り入れた作品もリリースするなど近年もクリエイティヴな活動を続けています。
他にもロキシーのバンドメイトであるブライアン・フェリーやイーノのソロ作への参加や、アンディ・マッケイとのユニット作品、ジョン・ケイル作品やスティーヴ・ウィンウッド作品へのゲスト参加、ジョン・ウェットンとコラボレーションしたWETTON/MANZANERAなどなど、多くの作品で彼のプレイを聴くことができます。
さらにはプロデューサーとしての顔も持ち、上記のミュージシャンたちの作品のほか、前述したデヴィッド・ギルモア、ピンク・フロイド、ニュージーランドのポップ・ロック・バンドSPLIT ENZ、ドイツのNWシンガーNina Hagen、ラテン・ミュージックのシーンではアルゼンチンの才人Fito Paezなどのプロデュースも手掛けています。本当にマルチな才能に恵まれたアーティストなんですよね。
そんな英国の偉大なるロック・ギタリストの来日公演、きっと素晴らしいステージを見せてくれることは間違いないでしょう!
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ビルボードライブ東京と大阪で6月および7月に行われる『フィル・マンザネラ公演』<のチケットを、日頃カケレコをご愛顧いただいているお客様を対象に、各公演2組4名様にプレゼント!!ご応募、お待ちしております♪
ブライアン・イーノ在籍時最後の作品となる73年の2nd。前半と後半でプロデューサーが変わっていて、次作も手がけるクリス・トーマスがプロデュースした前半は、1stの延長線上のアヴァンギャルドかつポップな作風、初期ジェネシスも手がけたジョン・アンソニーがプロデュースした後半は、怪しくもアーティスティックな作風が特徴です。オープニングの「Do The Srand」から相変わらずにエキセントリック!シャープなリズムを軸に、フィル・マンザネラが鋭角なフレーズで切り刻み、アンディ・マッケイがサックスをぶつけ、イーノのシンセがおもちゃ箱をひっくり返したようなポップさを加えます。ブライアン・フェリーのきわものヴィヴラード・ヴォーカルもキレをましています。一転してダークに後半の幕を開けるのは、ビニール人形を愛する男を歌う「In Every Dream Home A Heartache」。エコーするイーノのシンセサイザーに揺れるようなアンディ・マッケイのサックスとフィル・マンザネラのギターが絡み、そこにブライアン・フェリーが淡々と言葉をのせて妖しい空間を作り出します。「狂気」に満ちたうねるようなギターソロも圧巻。各音とそのぶつかり合いはぶっ飛んでいるのに、全体としては洗練させて聴かせるのがこのグループの恐るべきところで、アヴァンギャルドかつポップな初期ロキシーの魅力が詰まった名作!
有名な「ひとつのバンドにふたりのノン・ミュージシャンはいらない」とのフェリーのセリフで脱退に至ったブライアン・イーノに代わり、ヴァイオリン、キーボードで元カーヴド・エアのエディ・ジョブソンが参加した73年作サード・アルバム。相変わらず癖のあるフェリーのヴォーカルは健在だが、前2作のグラム・ロック的な派手さは抑えめで6曲目「ヨーロッパ哀歌」のように朗々と歌い上げる曲も。本作からは1曲目「ストリート・ライフ」が全英で9位を獲得。本アルバムは初の全英1位となり、ロック界でのロキシーのプレゼンスを確立させた。
プラケース仕様、HDCD、デジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:良好
軽微な汚れあり
ブライアン・フェリーの当時の恋人でトップ・モデルのジェリー・ホールが女神に扮するジャケットも話題となった5作目は、活動休止に伴う前半期最後のスタジオ・アルバム。バンドのスタイルが確立したことによる成熟と同時に、ターニング・ポイントを迎えた彼らが放つ充実作。全英チャート2位を記録したヒット曲「恋はドラッグ」収録。75年作。
超希少!!SACD~SHM仕様~(※SACDプレーヤー専用ディスクです。通常のCDプレーヤーでは再生することはできません。)、DSDリマスタリング、復刻巻帯付き、内袋付仕様、定価3910+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
フィル・マンザネラのカンタベリー派を中心とした伝説的グループ。75年の唯一作。ソフト・マシーンから多大な影響を受けたサウンド/志向を持ちつつ従来の空間/音響感覚を意識したサウンドとチャールズ・ヘイワードの作為を排除したエネルギッシュかつ硬質なサウンドが絶妙に交錯した作品。
紙ジャケット仕様、SACD/CDハイブリッド、ブックレット付仕様、内袋付仕様、ステッカー付、直輸入盤(帯・解説付仕様)
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
フィル・マンザネラの801名義によるスタジオ作。元10CCのケヴィン・ゴドレー、ルロ・クレーム、更にエディ・ジョブソンやブライアン・イーノら豪華メンバーを揃え、タイトでリズミカルな「リッスン・ナウ」や、ジミ・ヘンドリックスを意識したような「クウィー」を収録。
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