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スタッフ佐藤のオススメ新譜紹介&インタビュー『PENDELIRIUM / ATLAS』(ノルウェー)

こんにちは、スタッフ佐藤です。

直近で入荷した新作の中から「これはっ!」というオススメ作品をご紹介するこのコーナー。

今回のおすすめ新作は『PENDELIRIUM / ATLAS』です。

ギター/ベース/キーボード/プログラミングなどを操るマルチ・ミュージシャンの兄Kristianと、メイン・ヴォーカル/ピアノを担当する妹KatrineのAmlie兄妹によるノルウェー出身のシンフォ・ユニットがPENDELIRIUM。結成は2008年ということで、すでに10年近いキャリアを持ちます。

そんな彼らの満を持しての2017年デビューアルバムが本作。

冒頭より、変拍子の中をガリガリとヘヴィなリフを弾くギターとヴィンテージ・トーンのオルガンが疾走する、オルタナティブな尖り感も持ったスタイリッシュなヘヴィ・プログレが炸裂!Kristianのギターは、ソロパートではフュージョン・タッチの音数多く滑らかなプレイを披露していて、かなりの技巧派であることが伝わってきますよね。

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この路線で突き進むのかと思いきや、2曲目からは空気が一転、一音一音に温かみが宿ったアコースティックギターの流麗なプレイが聴けるフォーク・ポップな作風が現れて驚かされます。ここでの特筆は、豊かな声量とキュートな歌いぶりが魅力的なKatrineのヴォーカル。北欧らしい木漏れ日感と透明感に彩られた、まばゆいばかりのポップネスが北欧の神秘的な森の中に木霊します。

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そうかと思うと終盤には32分に及ぶ大作が登場!1曲目のヘヴィなギターと薫り高きオルガンが再び登場し、鋭角的なヘヴィ・プログレとドリーミーなフォーキー・タッチが溶け合った、幻想的でドラマチックな感動の傑作に仕上がっていて、その作曲能力とアレンジセンスの冴えには脱帽です。こちらは本作のハイライトとなっていますので、是非実際に聴いてみていただきたいと思います!

心地よくも聴き手の感情を強く揺さぶる、素朴で力強い生命力に溢れたサウンドがひたすら感動的な素晴らしい作品。
プログレファンは勿論、北欧トラッド・フォークやネオ・フォークなどがお好きな方にも聴いてみていただきたい作品です。
文句なしのおすすめ!



PENDELIRIUMに簡単なインタビューを行いました!

本作『ATLAS』であなた達が目指したのはどういったサウンドですか?

-『ATLAS』を制作する前には僕らは2曲しか一緒に作ったことがなかったんだ。だからPENDELIRIUMは僕達にとって初めての正式なプロジェクトということになる。僕らが音楽活動で最も大切にしているのは、音楽を創るのを楽しむこと、アイデアで遊びそれを形にすること、そしてさまざまな音や雰囲気を試すことなんだ。だからアルバム全体として特定の音楽のタイプを目指したということはなかったね。収録されている幾つかの曲は『ATLAS』という作品の制作を決める前に作ったものだし、アルバムを意識したものではなく、曲を作った時の想いや人生のその時どきを反映していると言えるかな。

僕らはアルバムの中に少なくとも1曲は、本当にクラシックなスタイルのプログレ・ナンバーを入れたいと思っていた。それが「AUDITION」という曲なんだ(33分の大作)。残りの曲については一つのスタイルに則ったものにはしたくなかったので、アイデアを出し合っていろんな異なるスタイルの曲を作って収録した。インストのプログレ曲、アップテンポのポップ・ソング、バラード、アコースティックなアンビエント曲、それにオーケストラの要素を取り入れたクラシックとロックがミックスした曲などだね。ジャンルがミックスされることで生まれるサウンドというのがとても好きなんだ!



PENDELIRIUMの音楽に最も影響を与えているバンドを教えてください。

-Kristian: 僕達の音楽の嗜好は本当にバラエティに富んでいて、共有しているインスピレーションもあればそうでないものも多くあるんだ。僕にとって大きな影響を受けた90年代と00年代のバンドは、The Flower Kings、Spock’s Beard、Dream Theaterあたりだね。また、TOTO、Andy McKee(日本ではとても有名らしいよね)、Coldplayのようなプログレ以外のアーティストからも影響を受けている。

-Katrine: これはとっても難しい質問ね…。間違いなく重要と言えるアーティストは、Steven Wilson、The Dear Hunter(特に『Act IV』と『Act V』)、SusanneSundfør(特に『The Brothel』と『The Silicone Veil』)、Transatlantic、Griegあたりかしら。でも私は本当に様々な種類の音楽を聴いていて、そのどこにでも何かしらのインスピレーションを感じているから、ここですべてを挙げようとするととんでもない数になりそうだわ。



これまで聴いた中で最もお気に入りのアルバムを教えてください。またそれを聴いたときどんなことを感じましたか?

-Katrine: これも難しい質問ね…好きなアルバムって変わるから。でも私にとって特別重要な意味を持つ作品ということなら、Dream Theaterの 『Scene from a Memory』だと思うわ。私にとってプログレッシヴ・ロックとコンセプト・アルバムへの入り口になったのがこの作品なの。以前からプログレやコンセプト・アルバムを聴いてはいたけれど(例えば私たちはPink floydを聴いて育ったし)、その存在を明確に私に意識させたのがこのアルバムだった。ある休みの日、Kristianが車の中でこのアルバムをかけたことがあったんだけど、そのあと私だけが車中に残って、じっくりとこのアルバムの持つ物語や複雑な音楽性に聴き入っていたの。素晴らしい体験だったわ。

-Kristian: ああ、これはよく覚えてるよ。Pain of Salvationの『The Perfect Element』だ。レコードショップで偶然このアルバムが流れてきて、1時間その場で聴き続けたよ。そのあとすぐにアルバムを買ってもちろん夢中になった!本当に素晴らしいアルバムだよ。初めて聴いた瞬間にはまるで背骨が震えるような衝撃が走ったね。

-Katrine: ええ、Pain of Salvationは私にとってプログレッシヴ・ロックという音楽の中の2番目の重要な発見と言えるわ。『The Perfect Element』はいまだに驚くべき作品で、たとえ暗いものだとしても、音楽作品というものがどれだけの重さと感情を表現しうるかを私に示してくれた作品だったと思う。それと現時点での最もお気に入りのアルバムということなら、The Dear Hunterの『Act IV: Rebirth in Reprise』と『Act V: Hymns with the Devil in Confessional』ね。初めて聴いた時すっかりその音楽世界の中に迷い込んでしまって、それ以来ずっと聴き続けているの。



音楽以外の趣味はありますか?

-Kristian: 僕は自然の中でのハイキングが大好きなんだ!あとは時間があれば時々テレビゲームで遊んでるよ。特に好きなゲームタイトルの中には、「ゼルダの伝説」や「ファイナルファンタジー」のような日本のゲームも多いよ!

-Katrine:私って本当に多趣味で、毎日素晴らしいことが沢山あるの。でも私は今学生だし、何をするにしてもお金がいるからアルバイトの日々を送ってるわ。だから音楽以外の趣味に費やす時間が今はあまりないの。いくつか挙げるなら、ゲーム、読書、旅行、写真が好きかな。



日本でPENDELIRIUMの音楽が聴かれていることをどう思いますか?

-とにかく驚くばかりだね!僕たちは、こんな小さな国の小さなバンドの音楽を日本の人たちが気にしてくれるなんて思いもしなかったから、畏れ多いって気持ちもあるし、一方で僕らの音楽が遠い日本で聴かれてるという事実に興奮もしているよ!



日本のプログレッシブロックファンにメッセージをどうぞ。

-僕らの音楽に興味を持ってくれて本当に嬉しく思います。あなたがアルバムを楽しんでくれることを心から願っています!

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