2017年1月10日 | カテゴリー:カケレコ中古棚探検隊,中古CDレコメンド
タグ: プログレ
こんにちは、カケレコのユモトです。
唐突ですが、日本でもっとも有名なイタリアン・プログレ・バンドは何でしょうか?
PFM、ニュー・トロルス、バンコ、ラッテ・エ・ミエーレ etc etc…いろいろ出てきます。
でもおそらく日本で一番知られているイタリアン・プログレ・バンドは『ゴブリン』だと思います、いや本気です。
プログレに限定しないまでも、日本で一番有名なイタリアのロックバンドだと言えるはず。
なぜなら私やあまりプログレに馴染みのない同世代の友人でさえも、大昔から彼らの名前を知っているから。
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「けしてひとりでは観ないでください」の殺し文句でイタリアのホラー映画「サスペリア」が日本で上映されたのは1977年の夏前。
ヘビーローテーションで配信されたCMは、そのセリフとおどろおどろしい音楽で、夏休み前の小中学生を震え上がらせていました。
映画会社は(悪乗りして)あまりにも激烈な恐怖・残酷表現の為1000万円のショック保険をつけたと宣伝。どんなに怖いんだろうか…。
実際に観ても観なくても、CMのフレーズは独り歩きしてブームになり、映画自体も大ヒットを記録。サウンドトラックも売れました。
そして、そのサントラはイタリアのプログレッシヴロック・バンド「ゴブリン=GOBLIN」によるものであると好事家は知ったのです。
「Suspiria」
「サスペリア」が受けたため、日本の映画配給会社は二匹目のドジョウを探します。
すると監督のダリオ・アルジェントが75年に制作したサスペンス映画があることを発見。原題は『profondo rosso』。早速それを「サスペリア2」と改題し78年に放映しました。続編でも何でもありません。しかもホラーでもないし。
「profondo rosso」
ストーリーになんのつながりもないそのPART2はやはりヒットせず。「約束!決してひとりでは観ないで下さい」という新たなキャッチフレーズを口にする小学生はもういませんでした。
しかしながら、この『profondo rosso』のサントラは本国イタリアでは大ヒットし、すでにゴブリンは一躍巷の人気者になっていました。
それまではシンフォ・ロックバンド「CHERRY FIVE」という名前で活動していた彼らが、アルジェントの映画のサントラを制作するように依頼されたのは、当時所属していたレコード会社(Cinevox Records)が映画のサントラをリリースする会社だったからのようです。
「Country grave yard」
前述『profondo rosso』のサントラ制作を開始するにあたり、「本名」のCHERRY FIVEと区別するため、サントラ用に「GOBLIN」というバンド名を作りました。
ふたを開けてみれば、映画は大ヒット。するとCHERRY FIVEの名前は知らなくてもGOBLINの名前は誰もが知ることになったのです。
翌年にはすでにCHERRY FIVEではなく、GOBLINとしてアルバムをリリースすることになり、ここから腹を決めてゴブリン道が始まるのでした。
つまりプログレッシヴロック・バンドからプログレッシヴ[インストルメンタル]ロック・バンドに舵を取るのです。
「Roller」
そして78年にはジョージ・A・ロメロ監督のあの「ゾンビ(Dawn of the Dead)」の音楽を担当。これでゴブリンの名前は極東の小学生だけでなく、世界に広がることになるわけです。
「Dawn Of The Dead (Main Theme)」
その後も映画音楽、特にダリオ・アルジェントとの蜜月は続きますが、ゴブリンは成功と裏腹にメンバーチェンジをはげしく繰り返すことになります。
本家分家争いは苛烈さを増し、現時点で確認できるだけでGoblin、Goblin Rebirth、Claudio Simonetti’s Goblinが活動しており、なんとCHERRY FIVEさえも再結成されて活動しているとのことです。
Claudio Simonetti’s Goblinは2016年10月に来日していますが、ここではGoblin Rebirthをどうぞ。
「Forest」
分家でもこわいっ!
ゴブリン(とその派生バンド)のサウンドのどこが怖いかというと、私の場合はとてもシンフォニックなところです。それと教会のパイプオルガンのようなキーボードサウンドに震えます。
さあ、皆さんも映像のないホラーの世界(サウンド)にどっぷり浸かってみませんか、お正月からではありますが。
カケレコでは、ベストなどゴブリンの作品を多数そろえています。
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ゴブリンの記念すべきデビュー・アルバムと75年作で、ダリオ・アルジェント監督の映画『赤い深淵 サルペリア2』のサウンドトラック。オープニングを飾るタイトル・トラックは、同時期にヒットしていたマイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」を彷彿させるミニマルなキーボード・フレーズを軸に、イタリアらしいそそり立つように荘厳なハモンド・オルガンとシャープなドラムが冴え渡る代表曲。イタリアのヒット・チャートで52週間に渡りチャート・インを続け、イタリアだけで300万枚を売り上げた名作。
イタリアン・シンフォニック・ロックの代表格バンドの76年2nd。デビュー作「Profondo Rosso」での成功を足がかりにした、いわゆる「サントラではない」Goblinのオリジナルアルバムデビュー作である本作は、彼らが恐怖映画のサントラの枠にとらわれずに普遍的なロックの名盤を作り上げた、奇跡の1枚です。前作からドラマーが交代、キーボーディストの新加入、とマイナーチェンジを行い、Goblinの歴史上最強のラインナップで作り上げられた作品ですが、もちろんGoblin節とも言える緊張感溢れるバンドサウンドと恐怖のメロディーラインは健在であり、イタリアンロックの名盤ということが出来るでしょう。
イタリアン・シンフォニック・ロックの代表格バンドの78年4th。それまでインスト路線を貫いてきたわけですが、本作では初めてボーカルナンバーも配置され、およそGoblinのイメージとは遠い、とてもファンタジックなコンセプトアルバムとなっています。「Goblin=サスペリア」、「Goblin=サントラ」というのはもはや常識なわけですが、数は少ないながらサントラではない、いわゆる「オリジナルアルバム」も残しており、その貴重な1枚が本作と言うわけです。ビシバシにキメるリズム隊、そして、恐怖ではなく優美なファンタジーを描かせても超一流の表現が出来てしまう、引き出しが多すぎるClaudio Simonettiのキーボードがやはり圧巻。ボーカルを取り入れたことに対する賛否両論は、それだけバンドとしてのまとまりに隙が無いことの、なによりの証です。テクニカルさを駆使したシンフォニックロックとして最高の出来であり、Goblinの新たな一面を垣間見ることの出来る名盤。
イタリアン・シンフォニック・プログレッシブ・ロックの代表格バンドであり、「サスペリア」のサウンド・トラックがあまりにも有名なGOBLINの前身グループの74年唯一作。GOBLINの主要メンバーに加えて、後に名盤「Opera Prima」をRUSTICHELLI & BORDINI名義でリリースすることになるドラマーCarlo Bordiniが参加している本作は、YESと路線を同じくする構築的なプログレッシブ・ロックを放っています。加えてGENTLE GIANTのような緩急の嵐と唐突な展開がダイナミズムを作り上げており、凄まじいキメの応酬をもろともせずに駆け抜けるテクニカルなサウンドは息を呑むほどにスリリング。職人気質なイタリアらしい技巧派プログレッシブ・サウンドの名盤です。
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