2014年10月10日 | カテゴリー:MEET THE SONGS,世界のロック探求ナビ
今日の「MEET THE SONGS」は、モンキーズにも曲提供したことのあるミュージシャンが放浪の末に録音したアシッド・フォーク、SATYA SAI MAITREYA KALIの『APACHE and INCA』をピックアップいたします!
秘境の雰囲気を醸し出すジャケットが印象的な本作は、カルフォルニア出身のミュージシャンMaitreya Kaliが71年と72年に録音したもののカップリング。
Maitreya Kaliという名前もエキゾチックですが、これは本名ではなくCraig Smithという人物の変名でした。
Craig Smithは元々デュオで活動していたミュージシャンで、66年にシングルをリリース。このシングルに興味を持ったモンキーズのギター/ヴォーカル担当マイク・ネスミスが2人にアプローチして交流が始まります。
67年ころにはドラマーとベーシストを加えてPENNY ARKADEといいうバンドを組み、ネスミスのプロデュースで曲を録音。リリースには至らず、その内ネスミスの関心も薄れてしまい、68年に解散してしまいます。
ちなみにその時録音された曲がこちら。12分に及ぶ60年代後半の雰囲気たっぷりのサイケ・ポップです。
自身の活動は上手く行きませんでしたが、Smithはソングライターとして才能を発揮しており、モンキーズやカントリー・ミュージシャンのグレン・キャンベルなどに曲を提供。その報酬を手にしたSmithは、南米やチベット、インドなどに放浪する旅に出てしまいます。
その旅のなかでSmithは東洋思想に魅せられたようで、帰ってきた彼は額に入れ墨を彫り、新しい名前としてMaitreya Kaliを名乗るなどまるで別人だったようです。
その変わり様にミュージシャン時代の仲間との交流は途絶えてしまったようですが、Smithは各地で録音した曲とPENNY ARKADE時代の録音と混ぜて自身のレーベルからリリース。こうして作られたのが71年作の「APACHE」と72年作の「INCA」になります。
Smithによるソロ曲は内省的なアシッド・フォークなのですが、流麗なメロディにリバーブがかかった声がのり、まるで白昼夢の中にいるよう。
ソロ作も良いですが、PENNY ARKADE時代の曲ではメロディが美しいポップなサイケ・ロックが聴けます。ポップなだけではなくガレージ調の荒々しさもあり、サイケ好きが幅広く楽しめる好作です。
それでは作品の中から何曲かピックアップしてまいりましょう!
まずはソロ作から。
続いてPENNY ARKADE時代の曲をどうぞ!
いかかでしたか?
「MEET THE SONSG」は、定番からニッチ盤まで僕らのロック・ミュージックを紹介しています。またお会いいたしましょう。
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