2014年7月11日 | カテゴリー:ユーロ・ロック周遊日記,世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、フランスのシンフォニック・ロック・バンドPULSARによる77年3rd『HALLOWEEN』をピックアップいたしましょう。
PULSARは、フランスの南東部に位置するリヨンにて74年に結成されたグループ。75年に1stアルバムをリリースして以降89年までに6枚のアルバムを発表、その後07年に突如新作をリリースしてプログレファンに健在ぶりをアピールしてくれました。とは言えこれまで解散状態だったことはなく、結成以来ずっと活動を続けてきたグループです。
メンバーはベーシストが3回変わっている以外は不動のメンバーなのですが、なるほどフロイドやクリムゾンからの影響を独自に消化した繊細で静謐感漂う音世界は、このメンバー達だからこそ生み出せるものであると感じさせる絶妙か少し危ういかというギリギリのバランスを保っています。
77年発表の3rd『HALLOWEEN』は、彼らが持つのアーティスティックな感性とクリエイティビティが頂点を示した作品。本作は20分前後の楽曲が2曲という大作主義的な構成が取られており、フランスらしい幻想美に満たされた演奏にたっぷりと浸ることができる逸品に仕上がっています。
では本作より、part1の後半部分をお聴きください♪
一聴してPINK FLOYDを想起させるメランコリックで深淵なサウンドが基調となっていることがわかりますが、メロトロンが静かに沸き起こる場面は初期クリムゾンを彷彿させますよね。そしてその2つの要素違和感なく結びつけているのが全編を覆うフランスらしい気品溢れる幻想性。耽美なフランス語ヴォーカルも作品の世界観を見事に彩っており、FLOYD+CRIMSONというサウンド面以上にフレンチ・プログレらしさをあちこちに感じさせる音楽性に、このグループのクレバーさを感じさせます。まさに英国プログレからの影響を「消化」し、見事「昇華」させてるんですよね~。ずばり、これぞフレンチ・プログレ!な傑作ですね。
フレンチ・シンフォを代表するグループ。89年の5thアルバム。たゆたう夢想的なキーボード、繊細かつリリカルなギターを中心とする透明感いっぱいのロマンティシズム溢れるシンフォ・サウンドが印象的。アーティスティックな感性が光るシアトリカルなヴォーカル、流れるようなメロディも素晴らしい。派手さはないものの、丁寧に紡がれたサウンドに酔いしれる逸品。
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