2014年3月20日 | カテゴリー:ユーロ・ロック周遊日記
タグ: プログレ
一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。
本日は、イタリアのOSAGE TRIBEの72年唯一作『ARROW HEAD』をピックアップいたしましょう。
OSAGE TRIBEは、Franco Battiatoを中心に71年に結成されたグループ。
その他のメンバーは、
バティアート在籍期のシングル「Un Falco Nel Cielo」がTV番組のテーマソングに選ばれ話題になるものの、ソロ活動のためにバティアートが脱退。残った3人はトリオ編成として活動を続けます。
バティアート在籍期のコマーシャルな路線から、ハード・ロックにジャズ・フィーリングを加えたプログレッシヴなサウンドへと転向。
BLA BLAレーベルより72年にリリースされた唯一作が『Arrow Head』です。
なお、BLA BLAは、70年にPino Massaraによって作られたレーベルで、Franco Battiatoの『Fetus』『Pollution』などをはじめ、CAPSICUM REDの作品をリリースするなど、プログレッシヴな精神を持つ作品を多くリリースしました。
それでは、アルバムより1曲聴いてまいりましょう。
イントロから、英国のPATTOのオリー・ハルソールを彷彿させるジャジーなギターが印象的。
ドラムがボコスカとアグレッシヴにリズムを叩くとサイケ・ハードなアンサンブルへとスイッチ。ここぞで切れ込んでくるエッジの立ったファズ・ギターに痺れます。
ハードなアンサンブルの間に挿入されるアコースティック・ギターのパートも効果的で、いかにもイタリアと言えるセンス。フォルムラ・トレのアルベルト・ラディウスも彷彿させます。
スピーディーにランニングするジャジーなベース、フリーキーなフレーズを叩き付けるようなファズ・ギターのインタープレイは手に汗を握りますし、その裏で弾け飛ぶアコースティック・ピアノも絶品。
エネルギッシュ&プログレッシヴな英国PATTOに対するイタリアからの回答と言えるスリリングなパートがめくるめく名曲です。
バンドは、残念ながら本作のみを残して解散します。Marco Zoccheddu(G)とBob Callero(B)は、DUELLO MADREを結成。サックス/フルート奏者も加えて、よりジャジーな『Duello Madre』を73年にリリースします。その後、Bob Callero(B)はスーパーグループIL VOLOで活躍!
残ったNunzio Favia(Dr)は、CAPSICUM REDよりRed Canzianを迎えてOSAGE TRIBEとしての活動を続けますが、RedがI POOHに参加することになり解散となりました。
レーベルメイトであるCAPSICUM REDの作品もまた名作。あわせて、お楽しみください。
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