2018年9月28日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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本記事は、netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』第48回 ONE SHOT / Live In Tokyo (France / 2011)に連動しています
Vittorio Nocenzi とGianni Nocenzi の兄弟を中心に結成され、PREMIATA FORNERIA MARCONIに続いてEMERSON, LAKE & PALMERのManticoreレーベルから世界進出を果たしたイタリアン・プログレッシブ・ロック代表格グループによる97年の2枚組作品。Disc 1がアンプラグド・スタジオ・ライブ、そして、Disc 2が89年と95年のイタリア公演、97年の来日公演(渋谷On Air West)からの音源(4曲)を使用したライブ・アルバムとなっています。なお、Disc 2のライブ音源のみをパッケージした『Nudo – Live In Tokyo ’97』もリリースされています。
EMERSON, LAKE & PALMERのGreg Lakeに見出され、Manticoreレーベルから世界へと飛び出していったPREMIATA FORNERIA MARCONIが初来日を果たしたのは、75年11月のことでした。ブリティッシュ・プログレッシブ・ロックの中心アーティストたちと同時期に来日を果たしていたわけですから、いかに当時の彼らが勢いに乗った活動を展開していたのかが分かります。それから25年以上を経た2002年に、再び来日公演(川崎Club Citta’)が実現。定番ナンバーをしっかりと押さえたセット・リストとなっています。なお、PREMIATA FORNERIA MARCONIは2015年にも、2014年の来日公演(東京ドームシティホール)を収めたライブ・アルバム『A Ghost』をリリースしています。
プログレッシブ・ロックとホラー映画のつながりを語る際に、Mike Oldfieldによる73年作『Tubular Bells』と共に必ず名前が挙がるのがGOBLINです。キーボーディストClaudio Simonettiを中心とするGOBLINはCHERRY FIVEを前身に結成され、Dario Argento監督の77年作『Suspiria』を筆頭に、78年作『Zombi』や79年作『Buio Omega』などホラー映画のサウンドトラックを数多く手掛けていきました。Claudio Simonettiは2002年、新たなへヴィー・シンフォニック・ロック・グループDAEMONIAを率いて来日公演(原宿Ruido)を行い、GOBLINの名曲たちにゴシック且つメタリックなバンド・アレンジを施しました。
超絶技巧を誇るドラマーFurio Chiricoといぶし銀のキーボーディストBeppe Crovellaを擁する、イタリアン・ジャズ・ロックを代表する存在であるARTI E MESTIERIは、2005年作『Estrazioni』をリリースするタイミングで初めての来日公演(川崎Club Citta’)を行いました。やはり、74年のデビュー・アルバム『Tilt』、そして75年のセカンド・アルバム『Giro Di Valzer Per Domani』から多くの楽曲が選ばれていることがポイントでしょう。コンサート翌日に行われたFurio Chiricoによるドラム・クリニックも好評だったそうです。
呪術的な作風と共に70年代のイタリアン・プログレッシブ・ロック・シーンに登場したOSANNAが、72年作『Milano Calibro 9』を完全再現するというコンセプトで2011年に行った来日公演(川崎Club Citta’)を収めたライブ・アルバム。シアトリカル・ロックの最高峰に位置するであろうOSANNAの劇的なステージは圧巻の一言でしょう。Luis Enriquez Bacalovのオーケストレーションでも知られている『Milano Calibro 9』ですが、東京ヴィエール・アンサンブルのオーケストラが導入され、ドラマティックなサウンドを聴かせています。
2013年に川崎Club Citta’で行われた「Italian Progressive Rock Festival」の模様を収めたライブ・アルバム。イタリアン・へヴィー・シンフォニック・ロックを象徴するグループであるMUSEO ROSENBACHは73年作『Zarathustra』が傑作として知られてきましたが、2000年の再始動を経て、2012年にスタジオ・ライブ作『Zarathustra – Live In Studio』、そして2013年にはファン待望のニュー・アルバム『Barbarica』をリリース。来日公演では、『Barbarica』からの楽曲も演奏されましたが、やはり名盤『Zarathustra』の全曲再現が聴き所でしょう。
2013年に川崎Club Citta’で行われた「Italian Progressive Rock Festival」の模様を収めたライブ・アルバム。MAXOPHONEは75年作『Maxophone』がイタリアン・シンフォニック・ロックの名盤と評される、MUSEO ROSENBACHやLOCANDA DELLE FATEと並ぶ単発グループであり、オリジナル・メンバーであるSergio LattuadaとAlbert Ravasiniを中心とする新体制で来日公演を行いました。数あるイタリアン・シンフォニック・ロックの名盤たちの中でも格別の叙情性を誇るサウンドは健在であり、その後MAXOPHONEは、30年以上ぶりとなる2017年作『La Fabbrica Delle Nuvole』を発表しました。
2013年に川崎Club Citta’で行われた「Italian Progressive Rock Festival」の模様を収めたライブ・アルバム。IL ROVESCIO DELLA MEDAGLIAは、同郷NEW TROLLSの71年作『Concerto Grosso Per I New Trolls』、OSANNAの72年作『Milano Calibro 9』と並び、Luis Enriquez Bacalovのオーケストレーションによる73年のサード・アルバム『Contaminazione』が広くプログレッシブ・ロック・ファンに知られています。来日公演では、新世代のイタリアン・ロック・グループRANESTRANEをバックに従え、オリジナル・メンバーであるギタリストEnzo Vitaが登場しました。
NOVAやCITTA FRONTALEと共にOSANNAのファミリー・ツリー上に位置するのがCERVELLOです。OSANNA のDanilo Rusiciと兄弟であるCorrado Rustici率いるCERVELLOは、73年に『Melos』を発表。同作は「メロトロンの名盤」としても広くプログレッシブ・ロック・ファンに知られてきました。2017年に開催された「Symphonic Night Vol.2 Napoli Fantasy」のステージ(TSUTAYA O-East)では、Corrado Rusticiを含む3名のオリジナル・メンバーを擁する形で傑作『Melos』が再現されました。
川崎Club Citta’で開催された「The Best Of Italian Rock」は、複数のライブ・アルバムを送り出しています。2015年7月の「The Best Of Italian Rock Vol.1」と「The Best Of Italian Rock Vol.2」はそれぞれ、OSANNAによる「パレポリ40周年記念」特別公演とARTI E MESTIERIによる「結成40周年記念」特別公演となっており、両者は2017年にライブ・アルバム化されました。さらに、2016年10月の「The Best Of Italian Rock Vol.4」は、ホラー映画のサウンドトラックで知られるGOBLIN(CLAUDIO SIMONETTI’S GOBLIN名義)による「サスペリア Part2」全編上映&シンクロ・ライブという企画。こちらも、2017年に『Live In Japan – The Best Of Italian Rock』シリーズのひとつとしてリリースされています。
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アレアと並ぶイタリアン・ジャズ・ロック史上の名バンド、2005年に行われた初来日公演を収録。イタリアン・ロック・ファンにはなじみ深い1st『Tilt』と2nd『Giro Di Valzer Per Domani』を中心とするセットリストとなっており、最も勢いのあった初期の名曲群をたっぷりと堪能できます。00年代以降に参加の若手メンバーの演奏力も充実しており、オリジナルと遜色ないパフォーマンスが発揮された好ライヴ作となっています。
イタリアン・ロックを代表するグループ、BANCOの97年作。全編を牽引する情熱ほとばしるジャコモのヴォーカル、そしてヘヴィで骨太なギター、テクニカルなピアノ、前のめりでアグレッシヴなリズム隊が作り出すドラマティックなアンサンブルが展開されます。
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