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THIS HEATから巡る、アヴァンギャルドで音響的なプログレ特集!

7月25日にベル・アンティークからTHIS HEATの3タイトルが紙ジャケット&SHM-CD仕様で再発されました。

THIS HEATの中心人物と言えば、チャールズ・ヘイワード。GONGやQUIET SUNのメンバーとして活動し、HENRY COWらとの関わりもあったドラマーです。
バンドは、彼を中心に結成され、1976年から1982年の活動期間の中で、フルアルバム2枚とEP1枚を残しました。

源流にカンタベリー・シーンがあることから、「プログレ」作品として語られることが多いものの、その先進的かつ孤高のサウンドは、「ポスト・パンク」の文脈でも高く評価され、同シーンの後続バンドにも多大な影響を与えました。

ここでは、「プログレ」作品として聴かれているものの、THIS HEATに通じるアヴァンギャルドかつ音響的なサウンドを持つ作品を世界中からピックアップいたしました。

待望の再発となったTHIS HEATの3作品とあわせて、どうぞお楽しみください!

THIS HEAT/THIS HEAT

79年デビュー作。肉冷蔵庫として使われていた建物を借り、即興演奏を録音/再構築して創り上げられた作品です。不協和音をかき鳴らすギター、機械音のように上下運動を繰り返すベース、凶暴ながらもミニマルにビートを刻むドラム。アヴァンギャルドな演奏の中に時折ふっと現れる「カンタベリー的」メロディ。とことん無秩序なようでいて、ライヴでも一寸違わず楽曲を再現していたというから驚き。

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THIS HEAT/DECEIT

81年に発表された2nd。ジャケは恐ろしいですが、1stに比べるとメロディや歌が増え「ロック」に近づいた印象。攻撃性もありつつ、存在感の強い硬質なビートと浮遊感のあるメロディのコントラストがどこか心地よく響きます。ダブやワールド・ミュージックといった新たな音楽的文脈も取り入れ、鋭利かつ多彩なサウンドを打ち立てた傑作。

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QUIET SUN/MAINSTREAM

ついでにTHIS HEATのチャールズ・ヘイワード、ROXY MUSICのフィル・マンザネラが結成したQUIET SUNもご紹介。カンタベリー・ロックの名盤と呼ばれるこの75年唯一作ですが、THIS HEATに通ずる鋭利なアヴァンギャルド色はすでに健在。キーボードが描く仄暗い叙情美と、マンザネラのギターやヘイワードのドラムによる強靭な攻撃性が共存したアンサンブルが素晴らしい逸品です。

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CAN/TAGO MAGO

THIS HEATが「自分たちと同じアプローチである」と評したバンドの一つがドイツのCAN。プロフェッショナルな音楽的教養を持ったミュージシャン達による、ミニマルでフリーキーな脱構築ロック。アマチュアリズム溢れる日本人ヴォーカリスト、ダモ鈴木のアナーキーな歌声も含めて、早すぎたパンク・ロックと言っても過言ではない71年の傑作3rd。

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FAUST/FAUST

同じくドイツ・クラウトロックから、カンタベリー・シーンやRIO人脈とも関わりが深いこのバンドもご紹介。人の会話、テープの逆回転音、ノイズ、パレード音、果てはThe Beatlesの「All You Need Is Love」まで、執拗なサウンド・コラージュの極地といった趣の作品。ノイズ、インダストリアル・ロックの源流にも位置づけられる衝撃の71年デビュー作。

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ACHIM REICHEL & MACHINES/DIE GRUNE REISE

クラウトロックを代表する前衛的ギタリストによる71年1st。ギターと声の多重録音によるミニマルでサイケデリックでアヴァンギャルドな音響世界はかなりのぶっ飛び度。理知的に無秩序を表現したかのような、FAUSTにも並ぶ恐るべき逸品…。

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HERE & NOW/GIVE AND TAKE

再び英国に戻って、デヴィッド・アレン&ジリ・スマイスと合流しPLANET GONGを結成するグループ、HERE & NOWの78年唯一作。吐き捨てるように叫ぶヴォーカル、切れ味鋭く突っ走るバンド・アンサンブル、そしてスペーシーに浮遊するシンセ。理性と衝動の間で揺らぐようなアンサンブルが絶妙。

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HELDON/INTERFACE

次はフランスからご紹介。奇才Richard Pinhas率いるフレンチ・プログレの代表格による76年作。無機質に繰り返されるミニマルなシンセのシークエンスに乗せて轟く凶暴なギター。MAGMAやKING CRIMSON meets ジャーマン・エレクトロと言えそうな、熱さと冷たさが交差する名盤。

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LARD FREE/I’M AROUND ABOUT MIDNIGHT

こちらはHELDONのRichard Pinhasが全面参加した仏アヴァン・ジャズ・ロック・バンドLARD FREEの75年作2nd。静謐なジャズ・ロックにミニマルなエレクトロ要素、Pinhasの鋭角なギターが交わる、アヴァンギャルドながらもうっすらと冷たく無機質なサウンドが特徴的。実験的かつ音響的なアート志向で聴かせる作品。

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THE GROUP/FEED-BACK

イタリアからのCANの回答!?主導しているのはなんと、今年逝去したあのイタリア映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ。クラシックを本格的に学んだミュージシャンが集い、ファンキー&シャープなグルーヴの中で実験的な音が渦巻く硬質でアヴァンギャルドなロック・サウンドを展開する70年作!

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    ロキシー・ミュージックのフィル・マンザネラと、ディス・ヒートを結成するドラマー、チャールズ・ヘイワードを中心とするグループ、75年リリースのカンタベリー・ロック名盤!

    フィル・マンザネラのカンタベリー派を中心とした伝説的グループ。75年の唯一作。ソフト・マシーンから多大な影響を受けたサウンド/志向を持ちつつ従来の空間/音響感覚を意識したサウンドとチャールズ・ヘイワードの作為を排除したエネルギッシュかつ硬質なサウンドが絶妙に交錯した作品。

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    廃校でコミューンを形成しながらセッションを重ね、CANをはじめとしたクラウト・ロックの台頭に触発されるようにデビューし、ノイズ、インダストリアル・ロックの源流に位置づけられる名盤を生み出したグループによる71年作。彼らの代表作と言われている名盤であり、人の会話、テープの逆回転音、ノイズ、パレード音、果てはThe Beatlesの「All You Need Is Love」まで、執拗なサウンド・コラージュの極地といった趣の作品。バンド・セクションはサイケデリックな質感を持った演奏を聴かせており、叙情性を感じさせながらもどこかとぼけた自虐性と退廃感が特徴です。アヴァンギャルドな音楽性を持ちながらも、AMON DUULなどとはまた違った魅力を持った作品です。

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    Charles Hayward、Charles Bullen、Gareth Williamsによるアヴァン・ロック・グループ。78年作の傑作1st。即興演奏のテープを再構築しては、さらに即興演奏を加えて練り上げられた強靭なサウンド。そこはかと滲み出るカンタベリー的な歌とメロディ。

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    鬼才チャールズ・ヘイワード率いる英アヴァン・ロック・バンド、81年作2nd

    ディス・ヒート活動当時の最終作。“Health & Efficiency”で打ち出された歌と強靭なリズム、音響操作を融合させた重層的な構造をさらに進化させ、現代社会に対する強烈な政治性と怒りをむき出しにした強烈無比な作品。一切の妥協のない実験性を保ちつつ、個々の楽曲の魅力はファースト以上に高められており、文字通りにプログレッシヴにて圧倒的にロックな本作こそがディス・ヒートがたどり着いた極北。ポスト・ロック以降のポピュラー音楽を先取りしつつ、今なお最先端に位置し続ける孤高の傑作にて絶対的必聴の最重要作!(帯記載文より)

  • CAN / TAGO MAGO

    ダモ鈴木のアナーキーなヴォーカルが炸裂する71年リリース3rd!

    クラシック、実験音楽、ジャズ・フィールドのミュージシャンらが集結し68年に結成、「共産主義」「無政府主義」「虚無主義」の頭文字をバンド名に、パンク・ロックやニュー・ウェーヴ、エレクトロ・ミュージックにまでその影響を拡散させたドイツを代表するクラウト・ロックバンド。黒人ヴォーカリスト、マルコム・ムーニーが脱退し、代わりに日本人ヴォーカル、ダモ鈴木が加わり、71年にリリースされた3rd。

  • HELDON / INTERFACE

    奇才Richard Pinhasを中心とするフレンチ・プログレ・グループ、エレクトロニクス路線を更に推し進めた78年作

    Richard Pinhasを中心に結成し、KING CRIMSONから強い影響を受けた破壊的且つ実験的要素の強い音楽性を持ちながら、エレクトロニクスを使用したコズミックな個性、MAGMA人脈を擁した肉感的な凶暴さをも併せ持つフランスのグループの76年作。次作「Stand By」と肩を並べる名盤と名高い本作は、シンセサイザーによる無機質なシーケンス・フレーズが大きくフューチャーされており、Richard Pinhasの凶暴にフリップナイズされたギターとのコンビネーションで聴かせる作品であり、「Stand By」をHELDONのバンドサイドの名盤とするならば、こちらはエレクトロサイドの名盤と呼ぶことが出来ます。

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