2017年9月18日 | カテゴリー:〇〇ジャケ調査委員会,世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフ増田です。
本日は敬老の日ということで、お爺ちゃんをモチーフにしたCDジャケットを集めてみました。
ちなみに私の祖父は80歳を超えているのですが、まだまだ現役で仕事を続けており、頭の下がる思いです。
最近なかなか会えていませんが、元気なうちに沢山顔を見せに行きたいですね。
それでは最初の作品に行ってみましょう!
この老人に導かれてロックに目覚めた少年は数知れず。言わずもがな、ロックの教科書に載る大名盤!
老人の絵はロバート・プラントがジャンク屋から仕入れてきたものだそうですが、お爺さん薪が重そうですね。持ちましょうか?
老人ジャケで最初に思い浮かんだのがこちらだったのですが、老人なのかおじさんなのか、もしくはイアン・アンダーソン自身なのでしょうか。
薄汚い乞食のジャケットに、宗教批判というシニカルなコンセプト。
ロックとトラッド・フォークを融合させた個性的なサウンドも相まって、イアン・アンダーソンならではの世界観がよく表れた傑作です。
カンサスといえばこの髭のお爺さん!?後のベスト・アルバムのジャケットにもたびたび登場しています。
内容はこれぞアメリカン・プログレ!という爽やか豪快なサウンドですが、瑞々しい勢いの中にも流麗なヴァイオリンやメロディアスなキーボードをはじめとする楽器陣の演奏力の高さが際立っていますね。
1stながらこの完成されたクオリティの高さ……素晴らしいアルバムです。
フレンチ・プログレの代表的バンドANGEの4thアルバム。
メンバーの親戚であるEmile Jacoteyという老人の話すおとぎ話をテーマにした、牧歌的かつファンタジックなコンセプト作です。
ジェネシスにも劣らずシアトリカルでリリカル、そしてちょっと不思議なサウンドがまさに物語の中へ引き込まれるかのよう。
曲の合間にEmile老人による語りも収録されていますので、耳を傾けてみましょう。
こちらもフランスのグループで、アトールと同じEURODISCレーベルから発売されたデビュー作。
サステインの良いギターやたなびくキーボードの音色が気持ちよく、アグレッシヴさと幻想性が程よく融合したシンフォ・サウンドはアトールにも引けを取らない出来です。
それにしてもお爺さんの構図が同年のカンサス『永遠の序曲』のジャケにそっくりなんですが、偶然なのでしょうか。
気持ち悪いけど、だんだんとゆるキャラみたいで可愛く思えてくる(?)野菜のお爺ちゃん。
なんだかB級プログレ感漂うジャケですが、一音聴いたらそのギャップに驚きますよ!
THE HOOTERSのメンバーが在籍したパワー・ポップ/ハード・ロック・バンドの2nd、メロディもアンサンブルも明るく洗練された佳曲揃いの名盤!
こちらもB級感漂うジャケですね~。ヒプノシスじゃないですよ。60年代末にウェールズで結成されたグループ。
サウンドは一言で言うとアメリカ志向のブリティッシュ・サイケ・フォーク・ロック……ゴチャゴチャしてますが、その通りなんです。
アーシーなブルースに幽玄なフォークを足して、怪しいサイケで割ったようなサウンドはまさに唯一無二!
隻眼なんでしょうか?歴戦の兵っぽいですね。
厳めしいジャケとは裏腹に、内容はクラシカルな幻想美と艶やかなモーグの響きに彩られる、叙情たっぷりのファンタジック・プログレ。
デビュー時若干15歳の天才ミュージシャンLito Vitale率いるアルゼンチンのグループ。恐るべき才能を感じさせます。
ここからは新鋭をご紹介!
悲壮感漂ってますね。HOSTSONATENやMOONGARDENを支えるイタリアのドラマーの2015年ソロ作。
バンコやPFMのメンバーなど豪華なゲストも迎えた本作は、まさにピンク・フロイドとカンタウトーレとが出会ったような逸品。
ドラマチックなのにどこか悲痛な雰囲気の漂う、深みのある音世界……これはフロイド好きにはたまりません。カッコいいです。
こちらもイタリア新鋭ですが、うって変わってジャケはひょうきんにピースしてますね。バンド名にちなんで、メビウスの帯が眼鏡になっている科学者のメビウスさん。
9分を超えるラストの組曲からとめどなく溢れ出る70年代のエッセンスは、新鋭とは思えない「ザ・イタリアン・ロック」な音。
レーベル・インフォによると、キング・クリムゾンやオザンナやアレア、そしてツェッペリンなど70年代プログレ&ハード・ロックに影響を受けたそうで、なるほど彼らもまた「Ⅳ」の老人に導かれた若者だったという事ですね……!?
いかがでしたか?
今やジャケのみならず、ロックのベテラン・ミュージシャン達本人も「お爺ちゃん」と言われる年齢ですが、元気に長生きして音楽を続けていってほしいものです。
68年に「日曜日の印象」でデビュー、イギリスのプログレッシブ・ロックシーンを代表するバンドであり、デビュー当初から独自のポジションを築き異彩を放っていたグループ。首謀者Ian AndersonのフルートはCAMELのそれとは全く方向性の違うエネルギッシュなものであり、バンドの代名詞となっています。本作は彼らの代表作と名高い71年作。Jeffrey Hammond、John Evanが新加入した本作は、ハード・ロックのドライブ感とアコースティックなトラッド・フォークの質感を混在させた名盤であり、その対比はアルバムを通してロックのダイナミズムとコントラストとなって現れます。コンセプト性を感じるトータル感も素晴らしい傑作。
イギリスを代表するロック・バンドによる、名曲「天国への階段」を収録した71年リリースの4thアルバム。ジャケットにクレジットや情報が一切記載されなかったため、「Four Symbols」「The Runes」「ZOSO」「Stairway Album」など様々な名称で呼ばれ、話題を集めることにもなりました。1st、2ndで確率したハードサウンドと、3rdで見せたアコースティックな一面との融合を試みた今作は、彼らのサウンドを名実ともにロック史に燦然と輝くものへと昇華させており、「この作品の登場によりロックの進化が早まった」とも言われるまさに伝説的な作品となっています。中でも彼らを語るうえで欠かすことができないT4「Stairway To Heaven(天国への階段)」は、エレクトリックギターとアコースティックギター、まさにハード・サウンドとアコースティック・サウンドの融合が究極の完成形をみたと評される名曲で、すべてのロックファンによる名曲投票を行えば間違いなく上位にランクインすることでしょう。アルペジオとリコーダーが奏でるどこか懐かしさと寂しさを感じさせる静かな冒頭から、エレクトリック・12弦ギター、エレクトリック・ピアノ、エレクトリック・ベース、ドラムが入り、壮大に広がった世界は徐々に音圧を上げクライマックスへ。高音のシャウトで最高潮に達した感情は、独唱で静かに幕を閉じます。ロック以外の音楽業界からも評価が高く、フィルハーモニー管弦楽団の終身指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤンは、この曲を「編曲を変えなくてもオーケストラで演奏できる」と評したそうです。ロックの教科書があれば、ロック史のターニングポイントとして誰でも記載する一枚。全てのロック・ファンに捧ぐ必聴の1作です。
97年規格紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、リーフレット付仕様、定価2000+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
小さいカビ・軽微な折れあり
Christian Decamps、Francis Decampsを中心に結成され、GENESISを髣髴とさせながらも英国勢とはまた違ったダークでアクの強い演劇性を持ったシアトリカル・ロック、そしてフランス産ならではの美意識を武器に名盤を送り出した重要グループの75年4th。語り部の老人の伝説をコンセプトに製作された本作は、録音のクリアさもあってか前作から比べてバンドとしてのダイナミズムが増しており、その音楽性も前作の重々しいシアトリアル・ロックから、明快且つ叙情的なシンフォニック・サウンドへの移行が見られます。とは言っても、Christian Decampsのアクの強いボーカルは健在であり、やはり個性的な1枚といえるでしょう。
60年代末期に結成されたウェールズ出身グループ、キーボーディストが脱退し新たにギタリストが加入、ツインギター編成となった71年発表の3rdアルバム。サイケとフォーク・ロックを上手く取り合わせ独自のサウンドを聴かせた前作に対し、骨太なブルース・ロックを中心とするアーシーなアメリカ志向のサウンドを導入しているのが特徴的。フォーキーなナンバーでもブルース/ルーツ色が見え隠れする味わい深いサウンドを聴かせています。特に、サイケの残り香を含んだツインギターが炸裂するソリッドなブルース系ナンバーは抜群のカッコよさを誇っており聴き所。ただそんな中でも、英国的なリリカルなメロディーと淡々としながらも感情を揺さぶるヴォーカル、そしてメロトロンが雄大に盛り立てる感動的なラストナンバー「CHORALE」は、やはり彼らが英ウェールズ出身バンドであることを強く思い出させます。この後中心メンバーだったギターのGareth Johnsonが脱退し程なくバンドも解散、図らずも最終作となりましたが、数あるアメリカ志向のブリティッシュ・ロックの中でも極めて完成度の高いサウンドを聴かせる一枚です。
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