2017年10月25日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: フォーク
本日は、透き通るような繊細な歌声で僕らを魅了しつづけるブリティッシュ・フィメール・ヴォーカリストを特集いたします。
「英フォーク三美神」と称されるメロウ・キャンドル、チューダー・ロッジ、スパイロジャイラを筆頭に、トラッドに根ざした芯の強さや荘厳さとともに、米ウェストコースト・ロックやSSWからの影響も感じさせる清涼感や流麗さとがブレンドされた美しすぎる作品達をピックアップいたしましょう。
それでは、まずは、「英フォーク三美神」から聴いてまいりましょう!
ミスティックなクローダーと清楚なアリソンによるツイン女性ヴォーカルのこの上なく美麗なハーモニー・・・。さすがは、英フォーク「三種の神器」の筆頭格とも評価される屈指の傑作。
イギリスのテューダー朝からその名を取った英国トラッド・フォークの名バンド。女性ヴォーカルのANN STEUARTはアメリカ人で、爽やかに澄み切った歌声が印象的。アコギ・ストロークや管弦楽との清涼感たっぷりの競演が美しい名品。
流れるようなフルートの音色はこれぞ英フォークと言える「気品」に満ちていますね。アシッド臭ある男性ヴォーカルから、英フォーク屈指の女性シンガー、バーバラ・ガスキンの歌がスッと入る瞬間、時間が止まります。
ここからは、有名な作品からプライヴェートプレスでひっそりとリリースされた幻の作品まで、三美神にも負けない「気品」に満ちた作品を取り上げていきますよ~。
フェアポート・コンヴェンションのヴォーカルとして活躍し、フォザリンゲイやソロとしても多数の英フォーク屈指の名作を残した、言わずと知れたヴォーカリスト。凛としたハスキーな歌声、そして卓越したソングライティングは、英フォークの筆頭格。
あまりの美しさに聴き手の時間を止める英女性SSW。芯の強さが感じられる繊細なヴォーカル、英国らしい流麗なメロディ。絶品ですね。
2枚の作品を残して忽然とシーンから姿を消した、スコットランド出身フィメールSSW。初期ジョニ・ミッチェルの瑞々しさと、サンディ・デニーの英国らしい憂いを合わせたようなハイトーンボイス。キース・ティペット、アンディ・ロバーツ、キース・クリスマスらの味のある演奏、絶品です。
透明感のある凛とした歌声は、録音時17才とは到底思えません。英フォークを代表する女性シンガー。さすが逸材だけに、ゲストも豪華!
CLAIRE HAMILL/OCTOBER(1973)
こちらは2nd。ポップさが増しており、シンガーソングライターとしての成長が感じられます!
JETHRO TULLのメンバーが全面的にバックアップした、STEELEYE SPANの歌姫による78年ソロデビュー作。優美なストリングスの調べとドラマチックな展開が涙を誘う名品です。
囁くように歌われる透明感いっぱいのヴァシュティの歌声、そして、童謡のように素朴で美しい楽曲。森の中にひっそりと佇む湖のような、これほど「静」的なサウンドはこの作品以外に聴いたことがありません。
VASHTI BUNYAN/HEARTLEAP(2014)
こちらは14年3rd。
あの名デビュー作から40年以上という歳月が流れていることが信じられないぐらいに、「時」の流れを超越して今に存在しているかのようです。
英フォークデュオ。69年ごろ録音されながら、リリースされずにお蔵入りになった幻のアルバム。
幻想的で美しいながらも力強いサウンドは、メロウ・キャンドルを彷彿とさせます。
スコットランドのフォーク・グループ。
この透明感と凛とした歌いっぷり。エレクトリック・トラッド屈指の一枚ですね。
英国のフォーク・トリオ。
フェアポートの『UNHALFBRICKING』あたりをもうちょっとメロウにしたような流麗な名曲揃いの英フォーク名作ですね。ジャケも気品ある~。
英国フォーク・バンド。
英フィメール・フォークのファンは涙すること間違いなし。ハイ・トーンのクリアで美しいこと。美しいジャケットの世界そのままの英フォーク秘宝。
メロウ・キャンドルにかなり影響受けてるな、なんて思いましたが、発表年を見てびっくり!彼らより早いじゃないですか!!
英フィメール・トラッド・シンガー。原盤は激レアとして知られる71年作の1st。
ちょっとかすれた、ファニーなボーカルが最高です。トラッドのA面とカバー曲のB面で雰囲気がガラッと変わります。
ジョニ・ミッチェルとリチャード・トンプソンが男女フォーク・デュオを組んだとしたら?なぜ、これほどの作品が500枚限定プレス!?英フォーク驚愕の幻の傑作。
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
70年発表のブリティッシュ・フォークを代表する傑作。ヴァシュティのヴォーカルはもう天上の美しさで、その囁くように歌われる透明感いっぱいの歌声にはいつ聴いてもゾクゾクさせられます。童謡のように素朴で美しい楽曲がまた彼女の歌声にこれ以上ないほどマッチしており、透明感を少しも濁すことなく、歌声を素のままに伝えています。森の中にひっそりと佇む湖のような、これほど「静」的なサウンドはこの作品以外に聴いたことがありません。
Mike Oldfieldの作品への参加でも有名なClodagh Simmondsが在籍したブリティッシュ・フォーク・ロックの代表的グループの72年作。TUDER LODGE、SPIROGYRAと並んで英国トラッド・フォークの「三種の神器」と言われる本作は、適度なサイケデリアとアコースティックな味わいを持ち、湿り気のある英国叙情を伝えます。ジャジーなリズム・セクションを下地に端正なピアノやハープシコードがクラシカルに響き、楽曲によっては隠し味にメロトロンをまぶした作風。加えてバンドの個性である女性ツインボーカルは、ただただ美しいメロディーを歌い上げます。David WilliamsとAlison O’Donnellは本作リリース後に南アフリカへと渡りFLIBBERTIGIBBETを結成します。
72年の2ndソロ。フェアポート直系の緊張感溢れる英トラッド・フォークだった1stソロに比べ、リラックスした伸びやかな歌声とオーケストラも取り入れた開放感あるアンサンブルが印象的。ソングライターとしても自信が漲っており、「Listen Listen」「The Music Weaver」など、オリジナル曲の完成度は本作がベストだと思います。ヴォーカリスト、ソングライターとして脂がのりきった傑作。
紙ジャケット仕様、05年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック5曲、英国新編集12Pブックレット付き仕様、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干圧痕あり
デジタル・リマスター、スリップケース付仕様、ボーナス・トラック5曲
盤質:無傷/小傷
状態:良好
小さいケースツメ跡あり
男女ヴォーカルの英フォーク・グループ。72年にYORKよりリリースされた唯一作で、原盤は500枚限定プレスの激レア盤。ミスティックでかげりのあるフィメール・ヴォーカルとジェントルな男性ヴォーカルが魅力。フェアポート・コンヴェンション「ミート・オン・ザ・レッジ」やザ・バンド「アイ・シャル・ビー・リリースド」のカバーなど、アーシーさと気品が絶妙にバランスしたフォーク・ロックから、ピアノや管弦楽が流麗に彩るSSW的な曲まで、メロディ、アレンジともハイ・レベル。これほどの作品がなぜ500枚限定だったのか不思議です。英トラッドを基本に、米ロックのアーシーさや洗練が加わった、英フォーク・ファンにも米SSWファンにもオススメな逸品。
初めて聴いた時は、メロウ・キャンドルにかなり影響受けてるな、なんて思いましたが、発表年を見てびっくり。彼らより早いじゃないですか。こんな音源がおそらく友達に配られただけで埋もれていたなんて、空恐ろしい。フィーメール2人とメール1人による幻想的なコーラス・ワークと魅惑的なメロディーは、いわゆる英国フォーク3美神なんかと比べても引けをとりません。絶品です!
英国フィーメール・シンガーを語る上では欠かせないCLAIRE HAMILLによる2ndアルバム。73年作。時にコケティッシュ、時に清楚なヴォーカルはさすがの存在感。ハイ・トーンの透き通った歌声は天上の美しさです。彼女の繊細な歌声を引き立てる緊張感溢れるアンサンブル、リリカルなメロディーもまた素晴らしい。名作。
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