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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』連動 Mike Oldfieldフォロワー総括

本記事は、【netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』第31回 ROBERT REED / Sanctuary (UK / 2014) 】に連動しています


個性豊かなアーティストたちが次々に登場した1970年代のプログレッシブ・ロック・シーンの中でも、突出したオリジナリティーを誇るマルチ・プレイヤーMike Oldfield。Virgin Recordsのリリース第1弾アルバムとなった73年作『Tubular Bells』は、ホラー映画「The Exorcist」のテーマに採用されたことから、プログレッシブ・ロック・ファンならずとも聴き覚えのある音楽リスナーは少なくないことでしょう。彼が送り出した傑作の数々は、時代を超えて世界中のミュージシャンたちに影響を与え続けてきました。

SEBASTIAN HARDIE / Four Moments (Australia / 1975)

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当時若干20歳のギタリストMario Milloを擁する、オセアニアを代表するプログレッシブ・ロック・グループSEBASTIAN HARDIEは、雄大なメロトロン・サウンドが鳴り響くシンフォニック・ロックの名盤である75年のデビュー・アルバム『Four Moments』で広く知られてきました。彼らはグループ結成時からMike Oldfieldの『Tubular Bells』をグループのレパートリーに活動しており、2003年の来日公演でも同楽曲を披露しています。『Four Moments』における、必要最小限のモチーフで大曲を編み上げていく音楽的手法には、Mike Oldfieldからの影響が色濃く表れています。

PIERRE MOERLEN’S GONG / Downwind (UK / 1979)

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ロック・ミュージック史に残る数々の名盤を作り上げていったMike Oldfieldは79年、PIERRE MOERLEN’S GONGの『Downwind』にゲスト・プレイヤーとして参加しました。そもそもGONGは、Daevid Allenが主導権を握るスペーシーなサウンドを個性とし、73年作『Flying Teapot』、同年作『Angel’s Egg』、そして74年作『You』から成る「Radio Gnome Invisible」シリーズで知られてきましたが、Daevid Allen脱退後はパーカッション奏者Pierre Moerlenによって再編され、ジャズ・ロックの色合いを持った音楽性へとシフトしていったのです。なお、Pierre MoerlenはMike Oldfieldによる78年作『Incantation』に参加しています。

GANDALF / To Another Horizon (Austria / 1982)

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Mike Oldfieldの音楽性は、現在で言えばニューエイジ・ミュージック、あるいはアンビエント・ミュージックといったカテゴリーに属するものとして捉えることが出来るでしょう。オーストリアのマルチ・プレイヤーGANDALFことHeinz Stroblは、80年代のニューエイジ・ミュージック・シーンに登場したアーティストであり、Mike Oldfieldから影響を受けたシンフォニック・サウンドを生み出し、プログレッシブ・ロック・ファンから高い評価を獲得してきました。中でも82年作『To Another Horizon』は、スケールの大きなシンセサイザー・ストリングスをはじめ、シネマティックな音作りが全編を支配する代表作となっています。

TRIBUTE / New Views (Sweden / 1984)

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Pierre Moerlenが全面参加したスウェーデンのシンフォニック・ロック・グループTRIBUTEは、プログレッシブ・ロックの歴史上最も有名なMike Oldfieldのフォロワー・グループでしょう。「1.5倍速のMike Oldfield」という評価と共に語られる彼らは、84年作『New Views』でプログレッシブ・ロック・シーンに登場し、ワールド・ミュージックに通じる生命力を持ったサウンドと、垢抜けないながらも味わい深いトラディショナル・フォークを想起させるフレーズ・センスによって、高く評価されました。80年代中盤、つまりプログレッシブ・ロック・シーンが衰退し、ポンプ・ロックの潮流が形成されていた時代にデビューしたことを考慮に入れながら耳を傾けてみると、そのサウンド・メイクの素晴らしさが際立って聴こえてくることでしょう。

MINIMUM VITAL / Esprit d’Amor (France / 1997)

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フレンチ・プログレッシブ・ロック・シーンを牽引するMINIMUM VITALは、Mike Oldfieldのフォロワー・グループたちの中にあって、その音楽的な影響を完全に手中に収めている印象を持ちます。その理由は、ネオ・プログレッシブ・ロックに分類されるグループでありながら、クロスオーヴァー・フュージョンやラテン・テイスト、あるいはトラディショナル・フォークから古楽スタイルに至るまで、多種多様なサウンドを内包した作風にあるでしょう。中心メンバーであるギタリストJean-Luc Payssanのギター・ワークにはMike Oldfieldからの強い影響を感じますが、決してMike Oldfieldのクローン・グループではなく芯の通ったオリジナリティーを持っているということが、彼らを他のフォロワー・グループたちと差別化しています。

AMAROK / Amarok (Poland / 2002)

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2000年代に入ると、ポーランドからAMAROKが登場しました。Mike Oldfieldによる90年作のアルバム・タイトルをグループ名に冠していることから、Mike Oldfieldから大きな影響を受けたグループであることは予測が出来ますが、実はスペインにも同名のプログレッシブ・ロック・グループが存在するので注意が必要です。AMAROKは、マルチ・プレイヤーMichal Wojtasによるプロジェクトであり、そのサウンドはニューエイジ・ミュージックの路線上に位置するものです。しかし、AMAROKが最も個性的なのは、PINK FLOYDを彷彿とさせる物憂げなメロディック・ロックの方向性を併せ持っているということでしょう。これは、同郷のQUIDAMやCOLLAGEといった代表格グループたちに通じるポーリッシュ・プログレッシブ・ロックの特色です。

THE HEALING ROAD / Backdrop (Germany / 2011)

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ジャーマン・シンフォニック・ロックの新世代グループであるTHE HEALING ROADは、アメリカン・プログレッシブ・ロックの代表格であるSPOCK’S BEARDのカバー・バンドでも活動するマルチ・プレイヤーHanspeter Hessを中心に結成されました。元々Mike Oldfieldにも通じるシネマティックなサウンド・メイクを得意としてきた彼らではありますが、2011年にリリースされた『Backdrop』では、Mike Oldfieldの音楽性に急接近を果たします。73年作『Tubular Bells』や74年作『Hergest Ridge』にインスパイアされたことが明らかな、ふたつのパートから成る組曲形式を採用し、全編にMike Oldfieldからの影響を感じさせる、スケールの大きなシンフォニック・ロックを展開しています。

ROBERT REED / Sanctuary (UK / 2014)

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  • SEBASTIAN HARDIE / FOUR MOMENTS

    オーストラリアを代表するプログレ・グループ、邦題「哀愁の南十字星」という邦題が全てを物語る、雄大でメロディアスなシンフォ傑作、75年1st

    ヨーロッパ大陸から遠く離れた南半球はオーストラリアから登場したグループによる75年デビュー作。当時若干20歳のMario Milloによる甘く切ないギターは泣きメロを連発し、雄大なオーストラリアの大地を想起させる不自然さの無いバンド・アンサンブルはドライに響き、大陸の朝焼けを想起させる映像的なメロトロン・ストリングスの幻想で魅了する、全てが完璧なランドスケープを描き切った大傑作です。邦題「哀愁の南十字星」というタイトルが全てを象徴するような、緩やかな時の流れを感じるシンフォニック・サウンドであり、プログレッシブ・ロックを語る上で外すことの出来ない名盤です。

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