2022年12月29日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんばんは。いよいよ2022年もあと3日です。今年はどんな作品との出会いがあったでしょうか。
12月は、SNSやメールマガジンで今年リリースされた新譜やリイシュー作を振り返ってまいりました。
紹介しきれない作品もありましたが、こちらが一覧です!
これを機にあらためて聴きなおしたり、新たに聴く機会となれば嬉しいです!
「新世代のOSANNA」と言える存在感を示した、この伊プログレ・バンドによる22年作はかなり衝撃的でした…。
アグレッシヴかつ祝祭感も香り立つ、これぞイタリア!と言うべきドラマチック過ぎるサウンドにノックアウト!
長らく廃盤となっていた「オーストリアのGENESIS」によるこの作品のリイシューも嬉しかったなぁ。
これ、「The Knife」「The Musical Box」などエキセントリックさを持つGENESISナンバーがお好きなら堪らない逸品ですよ!
これほど「愛すべき」という言葉を付けたくなるブリティッシュ・ロックは他にないなぁ。
FLEETWOOD MACで活躍した彼が、バンド脱退後に放ったハンドメイド感たっぷりの名作1st!
トッド・ラングレン率いるユートピアのキーボード奏者のソロ1stがこちら!
跳ねるピアノとダミ声ヴォーカルがごきげんな1曲目から心躍ります。エイモス・ギャレット、リック・デリンジャーなど豪華ミュージシャンが参加したスワンプ・ロック名作!
来年4月に来日公演を控えるCAMELのキーボーディストとして活躍中の天才マルチ・プレイヤーが放った22年作。GENESIS&CAMELを受け継ぐ、どこまでも瑞々しくファンタジックなメロディアス・シンフォニック・ロックに心躍ること間違いなし!
22年初CD化作品の中でも最も話題になったのがこの作品。QUATERMASSのJohn Gustavson&Pete Robinsonが北欧の凄腕たちと組んだ超絶ジャズ・ロック作で、 テンションMAXで畳みかける凄まじい演奏はMAHAVISHNU ORCHESTRAファンなら「おおっ!」となるはずっ!
この米フォーク・ロック・グループの70年作も人気でした。本当に素晴らしいメロディばかりで美メロの金太郎飴状態!3声ハーモニーも絶品だし、リリカルなピアノ、ハートウォーミングなオルガンなどアンサンブルも実にメロディアス。バーズやデイヴ・メイスン、イアン・マシューズあたりのアメリカ憧憬の英フォーク・ロック好きにイチオシです!
このイタリア産シンフォニック・フォークも印象深い一枚です。
瑞々しいアコギをヴァイオリンやフルートがクラシカルに彩るアンサンブル、丹念に歌い上げる英語ヴォーカル。
木漏れ日差す欧州の森が浮かび上がってきて、一曲目から早くも感動してしまいます。
元プロコル・ハルムのオルガン奏者によるこの1st、嬉しいリイシューでしたよね~。
プロコル・ハルムから抽出した叙情性とクラシカルな要素をキャッチーなポップ・センスと一緒に料理したようなサウンドを聴かせます。
とめどなく溢れる美メロの洪水に感涙必至!
今年カケレコ・ベストセラーを席巻したのがフランスのプログレ新鋭による本作。
この1曲目、例えるなら1stをレコーディング中のPICCHIO DAL POZZOに、KING CRIMSONがメロトロン担いで飛び入り参加したかのよう!?
こちらは3月のベストセラー1位になりました!
英米から3人づつ計6人のグループってまるでフォリナーみたいですが、サウンドの方はフリートウッド・マック『噂』が好きな方に直撃しそうな米憧憬と英国的気品がいい塩梅なポップ・ロック。
名手ティム・レンウィックも良いギター弾いてます♪
このフレンチ・ジャズ・ロック、多くのユーロ・プログレ・ファンにとって待望のリイシューだったのではないでしょうか。
MAGMA譲りの暗黒、MAHAVISHNU ORCHESTRAの向こうを張る演奏強度、そして繊細に音を描く芸術的感性を兼ね備えた傑作!
才人Alan RossやATOMIC ROOSTER~IBISのドラマーRic Parnellらが組んだバンド。
本場米国顔負けのファンキーな粘り気と英バンドらしいソリッドさがバランスした最高のファンク・ロックを聴かせる唯一作!
このリイシューも素晴らしかったなぁ。
ミシシッピ出身のゴスペル・シンガーによる70年作。プロデュースはアラン・トゥーサン、バックにアトランタ・リズム・セクション、メリー・クレイトン、クライディ・キング…ってもう間違いなしの米スワンプ名盤!
北欧のレジェンドによる22年作も素晴らしかったですよね!
開始3分でイマジネーション溢れ出す音世界に惹きこまれること必至です。Hans Lundinの幽玄なるキーボードワークの健在ぶりに感動!
これは今年初めて聴いてその素晴らしさにビックリした作品でした。
ドイツのYES/GG系プログレとして最高峰レベルと断言したい一枚。
硬質でテクニカルな『こわれもの』YESばりの演奏に、GG影響下の複雑で荘厳なコーラスが乗る、凝りに凝ったサウンドが楽しめます!
今年話題となった国産プログレと言えばコレ。
フルートとギターが紡ぐひたすらファンタジックでエレガントなサウンドは、CAMELやスペインのGOTIC、豪SEBASTIAN HARDIEあたりがお好きなら激オススメ。
というか、もう全美旋律プログレ・ファン必聴レベル!
とにかく瑞々しくポップなメロディーと爽やかなヴォーカル&ハーモニーが素晴らしい、青空にぴったりの一枚です。
ウェストコースト・ロックの隠れた名作!
今やポーランドに留まらず、欧州屈指のシンフォ・バンドとして存在感を示す彼ら、22年作も隙のない完成度でした。
ラティマーばりに泣きまくる哀愁ギター、フロイド譲りの深遠な音空間を生み出すkey、新voの情緒豊かな歌唱。どこを切ってもグッと来てしまうドラマ性に溢れまくり!
今年も多くの力作が登場したポーランドですが、この作品は特に良かったな~。
ポスト・ロック的な洗練性と音響感覚+フロイドに通じるメランコリーと陰影。残響が木霊するギターと切なく美しいピアノが織り上げる、暗闇の中から浮かび上がるように劇的なサウンド!
非トラッド系アイリッシュ・フォーク・ロック・トリオのアンソロジー。男性3人での72年唯一作に加えて72年~77年録音音源が収録されています。
72年作『GUGGENHEIM』は牧歌的かつ繊細なフォーク・ロックが魅力でしたが、追加音源の中の女性ヴォーカルが入った曲がこれまた良いんです。凛とした気品が加わり、この編成でのアルバムも聴きたかったなぁと思わせます。
ELP+GRACIOUS+アヴァンギャルドな実験精神!?
ベルギーのマイナー・グループによる72年2nd、痛快に弾き倒すキーボード・ロックと、摩訶不思議なエクスペリメンタル要素が融合した、これぞ「アート・ロック」と呼びたい傑作!
22年リイシューでもぶっ飛び度はダントツ!?
トラッドの賑々しさと荘厳さ、ブルースの土臭さ、それらを渾然一体にして聴かせるプログレッシヴ感覚を備えたノルウェーの個性派。ヘロヘロなようで時に妙に雄々しく、神秘的にして怪しさ満点。
ジェスロ・タルとサムラが共演したかのような凄い世界観!
この22年作も安定の傑作でしたね。
CAMELの幻想性とTFK的ダイナミズムを合体させたようなサウンドは、相変わらず文句のつけようがない完成度。
アコーディオン系の楽器が軽快に踊り込む東欧ルーツを感じさせる民族エッセンスも素晴らしい!
世界唯一のサイケ・プログレ・全世界を包囲するロック・マガジン「不思議音楽館 ORANGE POWER」。
10月に過去最大のヴォリュームとなったVOL.6が発売されました!
膨大なディスク・レビュー、マニアックな特集、コラム。今回も読み応えたっぷり☆
振り返りのラストを飾るのに相応しい今年の話題作!
現代スペインが誇る新鋭プログレ・バンド、傑作『2038』から4年ぶりに届いた22年4th。
往年のQUEENにHR/HM的ヘヴィネスを纏わせたような、最高に熱くて強烈にキャッチーなサウンドに終始虜にされます!
来年もどんな作品がリリースされるか楽しみですね♪
2022年のベストセラーはこちら!
【関連記事】
2022年にロック・ファンをワクワクさせてくれた世界のニッチ&ディープな作品たちが集結!お聴き逃がしはないかチェックしてみてください☆
※原則、おひとり様1冊のご注文とさせていただきます。何卒ご了承ください。※土日祝日は定休日です。翌営業日に発送いたします。※1冊の場合、ヤマト運輸ネコポスでの発送になります。他の商品と一緒にご注文いただいた場合はヤマト運輸宅急便での発送となります。待望の世界唯一のサイケ・プログレ・全世界を包囲するロック・マガジン「不思議音楽館 ORANGE POWER vol.6」堂々発売!! 貴方はこの驚愕の冊子を手にするのか買い逃すのか? 圧倒的な情報量、こぼれまくる文章量、こらえきれない笑いと涙。こんな冊子は世界を探してもこれしかない。
総特集:南米チリ、東欧ルーマニア
New Generation Of Italian Rock
New Comer Japan(曇ヶ原、烏頭、Evraak、Gama)
まだまだまだまだ未紹介レビュー
世界お宝発見隊
レコード・コレクター虎の穴
世界レア盤・廃盤買い付け放浪記(チリ編)
Collector’s Notes
more!
表紙カラー / 本文モノクロ・カラー12ページ / B5サイズ / 270ページ
書籍、表紙カラー / 本文モノクロ・カラー12ページ / B5サイズ / 270ページ※原則、おひとり様1冊のご注文とさせていただきます。何卒ご了承ください。 / ※土日祝日は定休日です。翌営業日に発送いたします。 / ※本商品のみご注文の場合、ヤマト運輸ネコポスでの発送になります。他の商品と一緒にご注文いただいた場合はヤマト運輸宅急便での発送となります
Patrick Dufour、Fabrice Chouette、Frederic Chaputの実力派マルチ・プレイヤー3人により結成、2015年と18年に完成度の高いアヴァン・プログレ作品をリリースしたことでプログレ・ファン注目の存在となっているフランス新鋭、待望の22年作3rd!あのMINIMUM VITALのJean-Luc Payssan(g)がゲスト・プレイヤーとして、Thierry Payssanがマスターなど制作にかかわっています。1曲目から早くもかなり素晴らしいです。このサウンド、例えるなら1stアルバムをレコーディング中のPICCHIO DAL POZZOに、KING CRIMSONがメロトロンを持って飛び入り参加したかのよう!メロトロンがジョワァ〜とファンタジックに高鳴る中を、フルート(おそらくメロトロン)とオルガンがリリカルに絡む美し過ぎるアンサンブル。それが突如鋭角的なリズムとともに緊張感を増し、クリムゾンが顔を出します。その間もミステリアスに浮遊するシンセのプレイがいかにもなフレンチ・プレグレっぽさを付与。不意に演奏が静まると、今度はエレピが淡く揺らめきオルガンがメロディアスに歌うPDPそのものな神秘的音空間へ。オルガンのプレイにはDave Stewartが感じられ、従来作と同じくNATIONAL HEALTHからの影響も見え隠れします。終盤はタイトでリズミカルな躍動感と共にスリリングに疾走するキーボード群が痛快。ここはまさしくMINIMUM VITALでしょう。10分余りの中で目まぐるしく変化する変幻自在すぎるサウンドにノックアウト必至です。よりカンタベリーな芳醇さを増していく以降の曲も勿論絶品。メロディアスな中にもアヴァンギャルドなタッチをまぶした演奏は、HATFIELD & THE NORTHファンなら堪らないでしょう。4曲目でのJean-Luc Payssanによる多彩なギター&マンドリンのプレイも聴き所です。さすが、見事に期待を上回ってくる傑作!
試聴は下記ページで可能です!
https://alcofrisbass.bandcamp.com/album/le-mystere-du-gue-pucelle
12年デビュー、メンバーほぼ全員がクイーンとドリーム・シアターをフェイバリットに挙げるスペインの要注目新鋭プログレ・バンド、前作から4年を経てついに届けられた4thアルバム!従来はQUEEN+DREAM THEATERを土台に豊富なアイデアが渦巻く奇想天外ロックを練り上げていた彼らですが、本作ではQUEEN+DTの土台と溢れんばかりのエネルギーはそのままに、よりストレートでドラマティックな表現で生き生きとロックするパフォーマンスが魅力的。80年代後半〜『Made In Heaven』あたりのQUEENにHR/HM的ヘヴィネスを纏わせたようなスタイルの、最高に熱くて強烈にキャッチーなサウンドに終始虜にされます。美しいピアノ独奏に続き、ソリッドに刻むギターリフと雄々しいヴォーカルが走り出す導入部から、もうDRY RIVERの世界に惹きこまれています。相変わらずとことん情熱的なスペイン語ヴォーカルと、まさにBrian MayのフレーズセンスとJohn Petrucciの畳みかける技巧を合わせたような超絶ギターが重量感たっぷりのリズムに乗って疾走する、パワフルかつ荘厳な1曲目で早くもノックアウト。そんな1曲目のテンションのままにスケール大きくパッション全開で展開してくサウンドは、従来のアルバムが気に入ったならまず間違いありません。QUEENファン、DTファン、そしてメロディアス・ハードが好きな方にも激オススメの一枚に仕上がってます。文句なしのカケレコメンド!!
ギターのCharles、キーボードのMichel、ドラムのPhilippe、Goubin3兄弟を中心とするフレンチ・ジャズ・ロック・グループの76年デビュー作。手数多くビシビシとタイトに刻む精緻なリズム・セクションに乗り、ハード・ロッキンに弾きまくるワイルドなギター、神秘的に音を散らすエレピ、Eddie Jobsonばりにキレのあるエレクトリック・ヴァイオリンが三つ巴でやり合うスリリング過ぎるアンサンブルに手に汗握ります。そこに美声ながらどこか不穏な女声スキャットが入ってくると、一気にMAGMA的な暗黒が垂れ込め始め、ZEUHL系バンドとしての本領を見せ始め思わず戦慄。そうかと思うと、不意に即興風の淡い幻想が滲むパートを挟み込んでくるフランスらしいアーティスティックなセンスにも唸らされます。MAGMA譲りの暗黒、MAHAVISHNU ORCHESTRAにも向こうを張れる演奏の強度、そして繊細に音を描く芸術的な感性を兼ね備えたユーロ・ジャズ・ロックの傑作。これは凄いです。
アメリカのフォーク・ロック・グループ、70年作。メンバーのうち3人がメインでソングライターを担当していますが(1曲のみさらに別のメンバーが作曲)、どのソングライターもメロディ・センス抜群で驚きます。本当に素晴らしいメロディばかりで、流れるような美メロの金太郎飴状態。メロディを彩る哀愁いっぱいの豊かな3声ハーモニーも絶品。リリカルなピアノ、ハートウォーミングなオルガン、ふくよかでタイトなドラムなど、アンサンブルも実にメロディアス。アメリカのグループですが、アメリカへの憧憬を感じさせるイギリスのSSWに近い雰囲気。Ian MattewsやDave Masonを彷彿とさせます。これは素晴らしいグループです。おすすめ!
スウェーデンを代表するKey/管弦楽器奏者Bjorn J:son LindhやQUATERMASS〜HARD STUFFのJohn Gustavsonらによるプロジェクトで73年に唯一作を残したBALTIK。そのメンバーだったB.J.Lindh、John Gustafson、Jan Schaffer(g)らに、Gustafsonの盟友Peter Robinsonが合流して結成されたジャズ・ロック/フュージョン・グループ、74年唯一作。全楽器が圧倒的なテンションと音数でスリリングに疾走するド派手なジャズ・ロックは、かなり明白にMAHAVISHNU ORCHESTRAへの対抗心を感じさせるもの。ガンビア出身ドラマーMalando Gassamaがパーカションも多用し猛烈な手数で捲し立てると、Gustafsonも負けじとキレのあるベースで応じ、その上でSchafferの熱量高いテクニカル・ギターとRobinsonの目にもとまらぬエレピが火花を散らします。凄いのがそこに割って入るLindhのフルート。ギターの速弾きと難なくユニゾンするスーパープレイはさすがの一言です。Ian Andersonばりの唾吐きフルートも決まってます。数あるMAHAVISHNU ORCHESTRA直系ジャズ・ロックの中でも、このテンションMAXの畳みかけは屈指の凄まじさでしょう。英国とスウェーデンの凄腕たちが持ち前のテクニックを存分に披露したジャズ・ロック痛快作!
現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担う人気グループ、スタジオ・アルバム15作目となる2022年作。本作より新ヴォーカルにキーボーディストRyszard KramarskiのバンドTRKPROJECTのDawid Lewandowskiが加入。80年代以降のキャメルを想起させる、どこか物悲しくもエモーションいっぱいに広がる雄大かつ重厚なインスト・パートと、従来のピンク・フロイドからの影響をモダンに昇華させたスタイリッシュでメロディアスなヴォーカル・パートがこれでもかとドラマチックに対比されるスタイルは、これぞMILLENIUM節としてさらに極まっています。タイトに刻む安定感抜群のリズム・セクションを土台に、まさにラティマーばりに泣きまくる哀愁ほとばしるギターと、シンセを軸にフロイド譲りの深遠な音空間を作り上げるキーボードによる、激情とメランコリーを揺れ動くアンサンブルはかつてない素晴らしさ。そんな演奏に渾身の歌を乗せる新ヴォーカルも特筆で、ハートフルな温かみも滲む、歴代でも屈指の情緒に富んだ歌唱がMILLENIUMサウンドの説得力をグッと引き上げます。どこを切り取ってもグッと来てしまうドラマ性に満ち満ちた、15作目にしてキャリア屈指の会心作!
05年の結成以来、関東を中心に活動する日本の5人組プログレ・バンド、22年4thアルバム。ドラムス/パーカッション、ベース/フレットレス・ベース、ギター、ピアノ/シンセ、フルート/ピッコロという編成で、ギタリスト米田克己は米老舗アヴァン・プログレ・バンドFRENCH TVのメンバーとしても活躍中。CAMELや、それを受け継ぐスペインのGOTIC、オーストラリアのSEBASTIAN HARDIEらが持つ、リリカルな軽やかさと溢れんばかりの叙情美を受け継いだ絶品インスト・プログレを楽しませてくれます。ズシっと重めに刻むタイトなリズム・セクションが持つ緊張感と、ひたすら美麗な旋律を紡ぐフルート、フルートに気品高い佇まいで寄り添うピアノ、A.Latimer+S.Hackettと言える優美さの中にエキセントリックなセンスを隠し持ったギターらのファンタジック&エレガントなプレイが一体となり、どこまでも流麗でありながら同時にアグレッシヴな強度の高さも感じさせる演奏がただただ素晴らしいです。上記したグループのファンのみならず、すべての美旋律プログレ・ファンに聴いて欲しいジャパニーズ・プログレの新たな傑作!
ご存知、初期PROCOL HARUMで活躍したオルガン奏者が73年にリリースした1stソロ作。全編がとんでもない美メロで埋め尽くされた珠玉の傑作ソロで、PROCOL HARUMからブルージーさを除き、叙情性とクラシカルな要素だけを抽出してポップに聴きやすく仕上げたような出来栄えです。楽しげに弾むオルガン、クラシカル・タッチの端正なピアノを中心に、優雅なストリングスも交えて展開される演奏は決して前に出過ぎず、メロディを印象的に聴かせるのにこれ以上ないバランスを保っていて本当に素晴らしい。哀愁漂う淡いヴォーカルもこれぞブリティッシュ。合間にはオルガンとストリングスのみで聴かせる悲哀のクラシカル・インストも登場し、PROCOL HARUM時代の彼を偲ばせます。PROCOL HARUMファンには勿論、ニッチ・ポップ・ファンにも是非オススメ!カケレコメンド!
Mylon LeFevreはゴスペル・グループで活動をスタートしたミシシッピ出身のシンガーで73年にアルヴィン・リーとのアルバムをリリースしたことでも知られています。本作はバンド名義での70年デビュー作。アラン・トゥーサンがプロデュース、バックはアトランタ・リズム・セクション、コーラスにクライディ・キング、メリー・クレイトンら鉄板の面々が参加しています。グルーヴィーな演奏にソウルフルなヴォーカル、間違いなしの米スワンプ名盤!
ポーランドのクラクフを拠点に活動する新鋭プログレ・グループ、22年リリースの2ndアルバム。ポスト・ロックを通過した洗練性&音響感覚+ピンク・フロイドをバックボーンとするポーランドらしいメランコリー&深い陰影、と言える叙情派メロディアス・インスト・プログレは、20年の1stアルバムより変わらず健在。残響が木霊する幻想的なギターとひたすら切なく美しいピアノが織り上げる、暗闇の中から浮かび上がるような劇的なサウンドに惹きこまれます。ラストには24分を超える大作が待っており、前作でも印象的だったメロトロンも随所に散りばめながら気品高くもダイナミックに進行していく、ストーリー性に富んだ幻想シンフォ絵巻に圧倒されます。リズム隊+ギター+ピアノを基本とするシンプルなサウンドにもかかわらず、このイマジネーションが溢れんばかりのサウンドを創り上げる実力は本当に見事という一言です。傑作!
ウクライナ出身、英国で活動するキーボーディスト/コンポーザーAntony Kalugin主宰のシンフォニック・ロック・バンド、2022年作。20年に前作にあたる『PRINCIPLES AND THEORY OF SPEKTRA』とKaluginのソロ『MARSHMALLOW MOONDUST』を、そして21年にはソロ2作品『STELLAR GARDENER』『CHAMELEON SHAPESHIFTER』を発表するという怒涛のリリースを続ける鬼才ですが、KARFAGENとして13作目となる本作も比類なき出来栄えのシンフォニック・ロックを提示します。CAMEL直系のリリカルな幻想性と憧れのバンドと語るTHE FLOWER KINGS的なダイナミズムを合体させたようなスケール大きなサウンドは、相変わらず文句のつけどころのない完成度。美しく躍動するシンセ&キラキラと眩い装飾を施すピアノ&ヴィンテージ・テイストなオルガンを駆使するキーボードと、Andy LatimerとRoine Stoltを足し合わせたようなエモーションを放つ極上ギターのコンビネーションはやはり至高です。そこにアコーディオン系の楽器が軽快に踊り込む展開も素晴らしく、彼の東欧ルーツを感じさせる民族音楽エッセンスにも注目です。改めて、とんでもない才能だなぁ・・・。ずばりシンフォ・ファン必聴作!
John Entwistleのソロ作への参加、そして英スワンプ名作を残したデュオRO ROの片割れとして活動したギタリスト/ヴォーカリストAlan Rossを中心に、KESTRELのキーボーディストだったJohn Cook、ATOMIC ROOSTERや伊バンドIBISのドラマーを務めたRic Parnell、キーボーディスト/サックス奏者Lance Dixon、ベーシストPeter Matthews、そしてヴォーカルのSimon Laitによって結成されたバンドの75年唯一作。本場アメリカ顔負けのファンキーな粘り気と英バンドらしいソリッドな音使いがバランスした極上のブリティッシュ・ファンク・ロックを聴かせてくれます。しなやかかつ技巧も見せる流石のドラミング&腰の入ったベースによってグルーヴ満点の気持ち良いリズムが刻まれる中を、ハード・ロック由来のキレのあるフレーズを弾き飛ばすギター&カラフルなキーボード群が快走。どうやらJohn Cookは演奏には関わっていないようですが、それを補って余りある元JAMES TAYLOR MOVEのLance Dixonの存在が光ります。ファンキーに跳ねるクラヴィネット、ギターとスリリングなソロ回しを演じるシンセのプレイ、そして要所では饒舌なサックスでアーバンな空気まで加えていて、八面六臂の活躍を見せていて素晴らしい。さらにSimon Laitの黒人かと思うほどにソウルフルで貫禄あるヴォーカルも、ファンク・ロックとしての本格感を付与していて見事です。ギターに専念したAlan Rossの痛快に弾きまくるギターワークももちろん最高。たった一枚に留まったのが惜しいと思わずにいられない快作!
71年結成、90年代初頭にかけて3枚のアルバムを残すジャーマン・プログレ・バンドによる77年のデビュー作。これは素晴らしい作品!変拍子を多用した硬質でテクニカルな『こわれもの』YESばりの演奏に、一聴してGENTLE GIANTからの影響と分かるマドリガル調の複雑なコーラスが乗る凝ったサウンドはかなりの完成度で驚かされます。手数多めの技巧的なドラミング、スクワイア彷彿のブンブン唸るベース、荘厳な聴き応えを持つオルガン、そしてクラシックにも通じていそうな流麗なフレージングを聴かせるギター。音数多く込み入っているものの一糸乱れぬアンサンブルは、ドイツのYES/GGタイプとして間違いなく最高峰のレベルにあると思います。傑作!
Tim Renwick(g)、Henry Spinetti(dr)、Dave Markee(b)ら英国ロック屈指のセッションマン達が、Tim Gorman(key)、Bill Lamb(g&vo)、Kelly Harland(org&vo)ら米国のミュージシャンと結成した英米混成グループによる79年1st。男女ヴォーカルを据え、フォーク/カントリー・タッチやウエストコースト・テイストを取り入つつ英国的な気品も感じさせるポップ・ロックは、『Rumours』前後のFLEETWOOD MACを思わせます。Tim Renwickの柔らかな哀愁を帯びた絶品ギター、タイトに刻む職人肌なリズム・セクションと英国の腕利き達によるアンサンブルもさすがですが、Tim Gormanの流麗なピアノやKelly Harlandの味わいあるオルガンも出色で、6人が一体となってまとまりある演奏を聴かせているのが素晴らしい。70年代中期以降のFLEETWOOD MACファンならきっと気に入ると思います。
60年代末に結成され70年にデビューしたベルギーのアート・ロック/プログレ・グループ、72年リリースの2ndにして最終作。ワイルドに唸るオルガン、クラシカルなピアノ、ファズが効いたサイケなギターらが縦横無尽に乱れ飛ぶアンサンブルと、実験的なミュージック・コンクレートが混ぜ合わさり全15曲を曲間なく疾走していく、これぞ「アート・ロック」と呼びたい傑作。クラシックの格式みなぎるピアノ独奏が突如ノイジーなサイケ・ギターソロに取って代わる衝撃のオープニング、ファンキーなリズムをバックにピアノがスリリングに舞うテンションみなぎるジャズ・ファンク、ボサノヴァっぽいアコギが10秒ほど鳴らされると、次にはBEGGARS OPERAのようにダイナミックなオルガン・ロックが炸裂!シンセによる不穏な浮遊音や爆発音やガラスの割れるSEなどが散りばめられるのも特徴的で、まるで夢と現を行き来しているかのような摩訶不思議な感覚を聴き手にもたらします。何と言っても素晴らしいのが、これだけ音数多く忙しなく展開するにもかかわらず、難解さどころかキャッチーですらある点。アヴァンギャルドな場面でも常にリズムが生き生きとしていて躍動感たっぷりなのがポイントに感じられます。ELPに実験精神を加えた感じ、またクラシカルなオルガン・ロックという部分ではGRACIOUSやBEGGARS OPERAも彷彿させます。いやはやこんな凄いアート・ロックが70年代初頭のベルギーに存在した事に驚き!
初期FLEETWOOD MACで活躍したギタリスト/SSWが、バンド脱退から2年後の75年にリリースした1stソロ作。ロック/フォーク/トラッド/カントリー/ウェストコースト風など多彩な曲調を配した中にも、一貫して英国的な気品が香り立つサウンドが堪らない一枚です。特に冒頭3曲の流れは素晴らしく、軽快なフィドルがリードする賑々しいカントリー・タッチに胸躍るM1、ピアノや管楽器が楽しげに踊るリリカルなフォーキー・ポップのM2、そしてストリングスが彩る甘くロマンティックな曲調とハートフルな歌声&ギターソロにグッとくる名曲のM3と、実直でどこまでも優しい音世界に惹きこまれます。管弦が活躍しますが全然大仰にはならず、ハンドメイド感いっぱいのサウンドがかえって良い味わいを出してます。ギタリストの作品ながらあくまでアンサンブルの一員に留まる控えめな立ち位置にも何だか人柄が現れているようです。これほど「愛すべき」という言葉を付けたくなるブリティッシュ・ロック作品はありません。名作!
オーストリア出身のシンフォニック・ロック・グループ、76年1stアルバム。「オーストリアのGENESIS」と云われてきた作品ですが、なるほど『TRESPASS』『NURSERY CRYME』あたりのGENESISを手本にしたのが伝わってくる、寓話的な幻想性とメランコリックな湿っぽさを持つシンフォニック・ロックを鳴らします。緩急の効いた表情に富むリズム隊、オルガン・メロトロン・シンセが渦巻く迫力あるキーボードワーク、ハケット・リスペクトの繊細なトーンの優雅なギター、そしてピーター・ガブリエルを強く意識したシアトリカルな英語ヴォーカル。演奏は全体にややバタバタした印象があるのですが、その忙しなさがかえってリアルな初期GENESIS感を演出していてGOOD。そんな中でもピアノはクラシックの本場らしい格調高いタッチでアンサンブルを凛と引き締めていて素晴らしいです。「The Knife」「The Musical Box」などのエキセントリックさを孕んだGENESISナンバーがお好きならきっと堪らない逸品ですよ!
イタリアのヘヴィ・シンフォ・バンドによる22年3rdアルバム。99年にデビューを果たし、10年後の09年に2ndアルバムをリリース、そして今度は13年を経てリリースされたのが本作です。これはもうイタリアン・ロック・ファンは必聴ですよ。導入の短い1曲目を経て、いなたく刻む前のめりなリズムにオルガン&ギターがユニゾンで合わせフルートが奔放に舞う、アグレッシヴかつどこか祝祭感も香り立つアンサンブルに乗って、憂いの滲む伊語ヴォーカルで歌うこの2曲目。JETHRO TULL+OSANNAなんてフレーズが浮かんできます。ギターがこれでもかと哀愁ほとばしるソロで躍動する後半のドラマチックさは、OSANNAの叙情的なナンバーを想起させる素晴らしさ。伸びやかな美声で歌う男性ヴォーカルは時折Demetrio Stratos影響下の喉を使ったパフォーマンスも披露していて凄いです。この2曲目だけでもかなり熱くなれますが、同じくOSANNA好きには堪らない叙情バラードの3曲目、ヘヴィなギターを圧倒する熱量で爆走するハモンドのプレイが痛快無比な続く4曲目と各曲に込められたエネルギーが尋常ではありません。過去2作品が気に入っていた方なら、きっと13年待った甲斐があった…!と思える内容です。OSANNAファンは是非に!
1980年英ノッティンガムシャー出身、生まれて間もなく病気で視力を失ったマルチ・ミュージシャン&コンポーザーで、現在はあのキャメルの鍵盤奏者としても活躍するPeter Jonesによるソロ・プロジェクト。タイトルのとおり「春」をコンセプトにした22年作!前作は弦楽クインテットとの共演によるバラード系アルバムでしたが、今作は元来のTMTらしさが抜群に発揮された、GENESIS&CAMELを受け継ぐどこまでも瑞々しくファンタジックなメロディアス・シンフォニック・ロックを展開します。シンセが柔らかに美旋律を描き、アコースティック・ギターが煌めき、フルートやサックスが色彩を加えるGENESIS譲りの英国的気品たっぷりのサウンドを土台に、エレキギターのプレイに象徴されるCAMELのメロウな叙情表現を合わせたような珠玉の音世界は、相変わらず感動的なまでにファンタスティック。そして何と言っても、MOON SAFARIばりに清涼感いっぱいでフックに富んだメロディを歌い上げる、Peter Gabrielを彷彿させつつどこまでもクリアな美声ヴォーカルがいつもながら絶品です。1曲目「Spring Fever」はそんなTMTの音楽性を凝縮したナンバーで、緑が豊かに芽吹いていくようなテーマ通りのイメージを喚起させる名曲。『Trick Of The Tail』に入ってそうな「Mad March Hare」やビリー・ジョエルばりのピアノ弾き語り「The Goddess And The Green Man」なんかも素晴らしい。そして15分に及ぶ最終曲ではバンドメイトである御大Andy Latimerが参加、天上に響くような極上ソロを提供していて聴きものです。改めて、GENESIS&CAMELファンにとっては奇跡のような逸材であることを見せつける傑作!
トッド・ラングレンのソロ作への参加、UTOPIAのキーボード奏者として知られるNY出身のミュージシャン/コンポーザー、MARK MOOGY KLINGMANの72年リリースのソロデビュー作。エイモス・ギャレット、リック・デリンジャーなど豪華なミュージシャンが参加しています。1曲目からごきげんなスワンプ・ロックで、跳ねるピアノとドクター・ジョン彷彿のダミ声ヴォーカルに心躍ります。リック・ダンコが少しだみ声になったら?といった3曲目も良いし、米スワンプ・ロック好きのみならずザ・バンド好きにも響くであろう芳醇な米スワンプ・ロックの名作です。
米フォーク・ロック・バンド、74年唯一作。メンバーは3人で、後にセッション・シンガー/俳優として活動するSteve Pippin、AORシンガー・ソングライターとして活動するRafe Van HoyとLarry Keithです。Rafe Van Hoyは80年にソロ唯一作『PRISONER OF THE SKY』を残しています。とにかく瑞々しくポップなメロディーと爽やかなヴォーカル&ハーモニーが素晴らしい。T1から爽やかさ全開。アコギが軽やかにリズムを刻むオープニングが始まった瞬間に、ジャケットのモノクロの空が一気に青くづきます。バラードでの温かみあるハーモニーも良く本作のみで終わったのが惜しまれるグループです。ウェストコースト・ロックの隠れた名作!
名実ともに北欧を代表するシンフォニック・ロック・グループ、5年ぶりに届けられた22年14thアルバム。19分、15分という2つの大作を収録した気合いの入った内容となっています。冒頭の19分のナンバーから早くも感動。Hans Lundinの幽玄なるシンセをバックに、Patrick Lundstromがフレディ・マーキュリーを思わせる力強くも厳かなヴォーカルを響かせるオープニング。次第にシンセが艶やかな色彩を帯び躍動し始めると、それにPer Nilssonが優美で滑らかなギタープレイで応じ、一転リズムを得てダイナミックに演奏が動き出します。この開始3分でKAIPAの揺らぐことのないイマジネーション溢れ出す音世界に惹きこまれること必至。TFKでも活躍するJonas Reingold&新加入でMartin BarreやFROST*の作品に参加するドラマーDarby Toddによる重量感あるタイトなリズム・セクションが、キーボードやギターの天上に浮遊するような幻想的な演奏をしっかり地上に繋ぎとめているのも特筆です。Patrickとの熱いデュエットを中心としつつ、時には持ち前の美声を生かしソロでも歌うAleena Gibsonのパフォーマンスにも注目。そして前作でも感じましたが、Roine Stoltという偉大なる前任者とは全く異なるアプローチで北欧プログレ然としたギターサウンドを確立したPer Nilssonのプレイは特に圧巻の一言で、随所にメタル出自を感じるテクニカルな速弾きを交えつつも決してヘヴィにならず一貫して幻想感たっぷりのデリケートなタッチを保ち続ける演奏は必聴です。もう一つの大作である15分の最終曲はTFKファンに聴いて欲しいスケールいっぱいでエッジも効いた快作。アルバムを出すたびに再結成後の最高作かと思ってしまうクオリティを誇っている2010年代以降のKAIPAですが、今作もそう言ってしまいたい出来栄えの傑作です!
イタリアの新鋭シンフォニック・フォーク・グループによる22年作。瑞々しいアコースティック・ギターの調べをヴァイオリンやフルートがクラシカルに彩る美麗なアコースティック・アンサンブルに乗り、丹念に歌い上げる英語ヴォーカル。木漏れ日差す欧州の森の情景が浮かび上がってきて、一曲目から早くも感動してしまいます。ため息が出るほどメロディアスな旋律の美しさも特筆です。北欧トラッドあたりがお好きな方にもおすすめできる、柔らかな神秘性が心地よい名品!
アイルランドの非トラッド系フォーク・ロック・トリオのアンソロジー。72年唯一作の12曲に、72年〜77年に録音された音源を加えた全24曲が収録されています。男性3人のグループですが、72年の録音音源では女性ヴォーカルが4曲で参加。透明感あるヴォーカルで、従来の牧歌的かつ繊細なフォーク・ロックの魅力に凛とした気品を加えています。舞うようなヴァイオリンも入るT14はぜひ聴いて欲しい佳曲。グループの軌跡を知ることが出来る貴重な1枚です。
70年に結成されたノルウェーのグループが、77年にリリースした1stアルバム。トラッドの賑々しさと荘厳さ、ブルースの土臭さ、それらを渾然一体にして聴かせるプログレッシヴ感覚を備えた、なかなか一筋縄ではいかないサウンドです。ドコドコと土着的な響きのドラム、ブルースとサイケが溶けあったような酔いどれギター、奔放に弾きまくるギターに代わり旋律を奏でるベース、ノルウェー語で何かを喚く絞り出すようなヴォーカル。ヘロヘロなようで時に妙に雄々しく、神秘的にして怪しさ満点なこのサウンドは、『AQUALUNG』あたりまでのトラッド色を持ったJETHRO TULLとSAMLA MAMMAS MANNAが共演したような凄い世界観。頭のネジが一本吹っ飛んでいったような、少しもまともじゃないサウンドを繰り広げています。必聴。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!