2021年7月16日 | カテゴリー:50周年記念連載企画「BACK TO THE 1971」,世界のロック探求ナビ
2021年にカケレコがお届けしている特別企画「BACK TO THE 1971」。
今からちょうど50年前、1971年に産み落とされた名盤を取り上げて、その魅力に改めて触れてみようというのがこの企画です。
ビートルズの活躍を中心としてロックに多様な表現が生まれた1960年代が幕を下ろし、60年代の残り香漂う1970年を経て、いよいよ新たな時代へと目を向けた作品が生まれていったのが1971年という時期。
英米ロックの名作はもちろん、欧州各国の重要作品も取り上げて、各作品の誕生日または誕生月に記事をアップしてまいります。
この機会に、ロックが最もまばゆい輝きを放っていた時代の作品達にぜひ注目していただければ幸いです。
それでは皆で、BACK TO THE 1971 !!!
第16回目にご紹介するのは英国プログレ・バンド、ムーディー・ブルースの7作目『童夢』。全英1位/全米2位を獲得した彼らの代表作です。
ムーディー・ブルースといえば、いち早くメロトロンやシンセサイザーなどを導入したり、67年作の2ndにしてオーケストラと競演の『デイズ・オブ・フューチャー・パスト』をリリースするなど、プログレッシヴ・ロックの草分け的存在として知られています。
それゆえにプログレ・バンドのイメージが先行して、未聴のロック・リスナーも多いのではないでしょうか。
たしかに多様な楽器を使用するなど実験的でプログレッシヴ精神に溢れた作品を作っていますが、楽曲はポップでとても親しみやすいものです。
今回ご紹介する『童夢』は、童話の一場面を思わせるファンタジックなジャケットが印象的ですよね。内容もジャケットそのまま。温かみあるポップな曲をメロトロンが彩る、優しく幻想的な雰囲気に満ちた作品です。
まずはシングル・カットされたこの曲からお聴きください!
ジャスティン・ヘイワード(g)作の軽快に疾走するロック・ソング。思わず口ずさんでしまうメロディーながら、どこか哀愁漂う切なさがあります。ギター・ソロがかっこいいですね。
ジョン・ロッジ(b)が娘のために作ったというほのぼのフォーク・ソングです。穏やかなヴォーカルのバックに温かみあるメロトロンの音が響く、これでもかというほどの優しさと愛に満ち溢れた曲です。
ラストを飾るのはマイク・ピンダー(key)作で、物語性を感じるドラマティックな曲です。盛り上げるのはもちろんメロトロン。アコギやハープ、ピアノ、フルートの繊細な音も美しく彩ります。
いかがでしたか。思いのほかポップな曲が多かったではないでしょうか。ブリティッシュ・ロックの名作として、ぜひこの機会に聴いていただければ幸いです。
この作品のさらなる探求はこちらのコラムからご覧ください。
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盤質:未開封
状態:良好
活動開始は64年までさかのぼりビート系グループとしてデビュー、シングル・ヒットに恵まれながらも徐々に作風が変化し、プログレッシブ・ロックへのアプローチを開始。後に全盛を築くこととなるプログレッシブ・ロックバンドがデビューすらしていない時期からオーケストラとの競演や実験性に富んだ作品を生み出し、黎明期を作り上げたイギリスのバンドの67年2nd。本作で彼らは70年代を待つことなく、オーケストラとの競演を果たし、1日の時間軸を音楽で表現する、というコンセプト性の高いトータルアルバムを作り上げてしまいました。名曲の誉れ高い「サテンの夜」を収録した彼らの代表作の1つです。
廃盤、直輸入盤(帯・解説付仕様)、77年録音のスタジオ・トラック5曲をボーナス収録、デジタル・リマスター、定価1800
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
帯無
自ら設立したレーベル「スレッショルド」からリリースした記念すべきアルバム。全英チャートで2位を獲得。不動の五人のメンバーによる美しいメロディと完成されたサウンドは、プログレッシヴ・ロック・グループの台頭に大きな栄光を及ぼした。1969年作。
全英チャート1位、全米チャートでも3位を獲得したベストセラー作品。五人のメンバー全員がソングライターでありマルチ・プレイヤーでもあるムーディー・ブルースの代表曲を満載したポップかつアグレッシヴなトータル・アルバム。70年作。
紙ジャケット仕様、SHM-CD、06年リマスター音源、ボーナス・トラック6曲、インサート付・ブックレット付仕様、定価2667+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
活動開始は64年までさかのぼりビート系グループとしてデビュー、シングル・ヒットに恵まれながらも徐々に作風が変化し、プログレッシブ・ロックへのアプローチを開始。後に全盛を築くこととなるプログレッシブ・ロックバンドがデビューすらしていない時期からオーケストラとの競演や実験性に富んだ作品を生み出し、黎明期を作り上げたイギリスのバンドの71年6th。効果音を使った1曲目から名曲「ストーリー・イン・ユア・アイズ」へとなだれ込むと、ジャケットのようなファンタジックな英国ロマンが広がります。Justin Haywardの甘くジェントリーな歌声にスケールの大きなメロトロンが絶妙に絡み合い、シンフォニックな彩りも絶品。プログレッシブ・ロックのアイコンに恵まれた作品です。
活動開始は64年までさかのぼりビート系グループとしてデビュー、シングル・ヒットに恵まれながらも徐々に作風が変化し、プログレッシブ・ロックへのアプローチを開始。後に全盛を築くこととなるプログレッシブ・ロックバンドがデビューすらしていない時期からオーケストラとの競演や実験性に富んだ作品を生み出し、黎明期を作り上げたイギリスのバンドの72年7th。もはやプログレッシブ・ロックの全盛を待たずに円熟の域にすら達してしまった作品であり一聴して前作よりも平坦な印象を持ちますが、緻密に練られたアレンジと、ポップさに磨きがかかった珠玉のメロディーが溢れています。過去の作品には無かったカットアウトでアルバムは締めくくられ、メンバーはそれぞれのソロ活動へと移行。THE MOODY BLUESはしばらくの間休眠することとなります。
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