2017年8月5日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
陰影に飛んだ叙情性と干し草香る牧歌性、そして、米国ルーツ・ロックへの憧れが生む土臭いグルーヴ。
ブリティッシュらしい哀愁に溢れたSSW/フォーク・ロック作品をピックアップいたしましょう。
切なくも芳醇なコクを感じさせる歌声、淡々とした中にも哀愁漂うメロディ、ブリンズリー・シュウォルツの面々によるいぶし銀のアンサンブル。
とにかくすべてが奇跡的に素晴らしい英国フォーク・ロック名盤!
アーニー・グレアムと言えば、彼が在籍していたこのバンドも絶品の味わい。
もう一人のソングライターのマルコム・モーリーも特筆で、ポール・マッカートニーを彷彿させる美しいメロディに涙・・・。
アーニー・グレアムの名作のバックを担当したバンドがブリンズリー・シュウォーツ。彼らの作品もオススメですよ~。
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英国のザ・バンドとも評される愛すべきパブ・ロック・バンド、ブリンズリー・シュウォーツ特集として、彼らが、代表作と評される3rdアルバム『シルヴァー・ピストル』をものにし、パブ・ロックの代表格となるまでのストーリーをご紹介いたしましょう。
英SSWによる72年デビュー作。プロデュースは、グリースバンドやフェアポート・コンヴェンションでお馴染みのBruce Rowland。
元グリースバンドの名ギタリスト&SSWのHenry McCulloughも参加してるし、スワンピーで枯れた演奏もたまりません。
アーニー・グレアムが好きなら、間違いなくイチコロのはず!
アーニー・グレアムと並んで、柔らかな陽光が差し込む穏やかな日にぴったりのSSWと言えばこの人でしょう。
THE BANDからの影響が感じられる土臭く哀愁に溢れたアンサンブル。滲み出る英国的な陰影。
Roger Morrisのヴォーカルも特筆で、渋みが少なく柔らかな歌声に心温まります。もちろんメロディも絶品!
これぞブリティッシュ木漏れ日フォーク・ロックといえる愛すべき傑作ですね。
ウィングスのJimmy McCullochをはじめ、バックは豪華だし、軽快なパブ・ロックから翳りあるフォークまで佳曲ぞろいだし、このスコットランドのSSW、マイナーだけどグッとくる!
フランキー・ミラーをSSWに寄せた感じでグッド!
STEALERS WHEELのSSWと言えば・・・ほとんどの人はジェリー・ラファティの名を上げるでしょうが、その相棒の名を知っている人は少ないでしょう。
彼のソロがまた美メロの宝庫でびっくり☆
英国的「いなたい」シンガー・ソングライターの最高峰だなぁ。
元ハニーバスのSSWによるアメリカ西海岸ロックへの憧憬に満ち溢れた愛すべき71年作!
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後にソロで名作を残すPete DelloとColin Hareという2人のミュージシャンを擁し、マイナーながら60年代末から70年代はじめの活動期間中に愛すべきポップな楽曲を数多く残した英フォーク・ロック・バンド、HONEYBUSを特集。
いかにも英国的なジャケット通り、どこを切っても溢れる芳醇な香り。
ウェスト・コーストの爽やかな風を取り入れつつも、英国ならではの陰影を保つ絶妙なバランス感覚が絶品な夫婦デュオによる英フォーク名品。
コクと憂いと干し草の香りがする英フォーク・ロック屈指の名曲をご紹介!
英スワンプ・ロック/フォーク・ロックの傑作と言われる、70年の2ndアルバムからの1曲なのですが、僕はこの曲をはじめて聴いた時、本気で涙腺ゆるみました。
ディラン『ブロンド・オン・ブロンド』収録の名曲と比べても遜色なしですよね!?
バックを務めるのは、FAIRPORT CONVENTIONの名ギタリスト、リチャード・トンプソンとMIGHTY BABYのメンバー!
「いぶし銀」のソングライターと言えば、デイヴ・ルイスも忘れられませんね。
ザ・バンドへの憧憬と英国ならではの叙情美との絶妙なブレンド。
デイヴ・ルイスの芳醇な歌声も沁みるなぁ。流麗なメロディも絶品。これぞ「一生もの」の名作ですね。
クラプトンやジョージ・ハリスンやデイヴ・メイスンあたりと比べても遜色無いギタリスト&シンガー&作曲者なのに・・・。
これぞいぶし銀の光を放つ名ミュージシャンですね。
元KEEF HARTLEY BANDのギタリスト/ヴォーカリスト。71年作のファースト・ソロ。
これ、ほんとにピーター&ゴードンの片割れ? アーシー&メロウなSSW/スワンプの傑作だよ、これ!
ペダル・スティールとピアノとフィドルが胸に染みるなぁ。
ここまではスワンピーな渋みと哀愁に溢れた、どちらかと珈琲に合うと言える作品をピックアップしてまいりました。
ここからは、英国らしいリリシズム溢れる、紅茶にぴったりの作品をセレクトいたしましょう。
FAIRPORT CONVENTIONで活躍し、その後、MATTHEWS SOUTHERN COMFORTを結成して、愛すべき英フォーク・ロックの名作を残した英国を代表するSSW。
そんな彼が71年にVertigoレーベルよりリリースした1stソロがこちら。
なにより繊細なジャケが美しいですが、サウンドもそのイメージそのまま。
リチャード・トンプソンの華麗なアコースティック・ギター、キース・ティペットの気品溢れるピアノ、サンディ・デニーの哀愁漂うハーモニーって、もう、あまりの美しさに震えがきますよね。
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フェアポート・コンヴェンションの初代ヴォーカリストであり、ソロやバンドで米ウェストコースト・ロック憧憬の愛すべき名作を残し、今も活動を続ける名SSW、イアン・マシューズをピックアップ。
ジャケットからして、アル・スチュワート、イアン・マシューズ、ピート・デロあたりのファンはたまらないっすよね。
音も憂いと翳りと叙情たっぷり。
英国のSSW。P.C.KENT名義での69年デビュー作『UPSTAIRS COMING DOWN』に続く71年作2ndで、サンディ・ロバートソン率いるセプテンバー・プロダクションによる制作され、B&Cレーベルからリリースされた作品。
ブリンズリー・シュウォーツのメンバーやリック・ウェイクマンが参加ってことで、英国的な「いなたさ」とともにクラシカルな「気品」もあって、陰影とキラメキが絶妙にブレンドされていますね。
英国フォーキー・ポップの愛すべき名作!
マイナーながら、英国的な叙情的なメロディ溢れる名作を数多く残した、70年代の英国を代表する愛すべきSSW。
ダンデライオン・レーベルからカリスマ・レーベルに移籍後の73年作2nd。
この歌声とメロディ。これぞブリティッシュな香り。ジェントルで憂いたっぷりで、艶やかなストリングスもグッときます。
田舎のポール・マッカートニーとも言われるジェリー・ラファティ率いるグループのデビュー作。郷愁を誘うヴォーカル&メロディ&ハーモニー。ただただ、ハートウォームですね。
元STEALERS WHEELと言えば、このSSWですね。スコットランドのポール・マッカートニーと異名を取る彼らしい、叙情的で美しいメロディーと牧歌的で温かみのあるサウンドが素晴らしい名曲揃い。
ヴァーティゴ・レーベルって、こんなアーシーな英SSW作も出してたのね!
米ルーツの旨味と英国的叙情が溶け合ったサウンドはこれぞ秋枯れの色合い。
SPOOKY TOOTHのGary Wright、FOTHERINGAY~FAIRPORT CONVENTIONで活躍したギタリストJerry Donahueがバックを担当ってたまりませんね。
ここまでは、SSWをピックアップしてきましたが(あ、アンドウェラはグループだったか)、ここからは、グループやデュオの作品をセレクトしてまいりましょう。
デラムからリリースで、ニッキー・ホプキンスやミック・ウィーヴァーやヘンリー・ローサーも参加した英スワンプの逸品なのに、このマイナーっぷりときたら(涙)。
秋にぴったりの最高の「イギリスのアメリカ」ですよ!
アクが強く渋い歌声のJohn TennentとSSW然とした優しい歌声が魅力のDavid Morrisonによるデュオ。72年作。
レイドバックした土臭い楽曲から英国的なメロディーを持つメロウな楽曲まで、最上級の「イギリスのアメリカ」サウンドがここに。
対称的な2人のヴォーカルによるハーモニーも心に染みます。
ジャケットはヒプノシス!
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2人のシンガーソングライターが英国の田園風景をバックに紡ぐ美しいメロディと2人の歌声が奏でる穏やかなハーモニー。ジョンとポールの国、イギリスから生まれたそんな愛すべきデュオ達をピックアップ!
アイルランドのフォーキー・デュオ。
71年デビュー作、リリカルなメロディが優雅に踊る英フォーク名品。
2人のルックスの通りのサウンドでグッとくる~。
イアン・マシューズとPLAINSONGとしても活動し、06年には2人で来日も果たしたいぶし銀の英SSWアンディ・ロバーツ率いる英ロック/フォーク・ロック・グループ。
2曲目「Sad」の名曲ぶりが凄い!
抑制されたリズム隊とピアノが「くるぞくるぞ」と聴き手の期待を煽るタメの効いたイントロから雰囲気たっぷり。
バックにはメロトロンも鳴らされ、ハイ・トーンのスモーキーなヴォーカルがエモーショナルに憂いのあるメロディを歌い上げる。
リズムが走り、オルガンが鳴らされ、ピアノがジャジーなフレーズを彩ると、そこは英国ならではの翳りある世界。
そこに追い打ちをかけるように鳴らさせるメロトロン!
ブリティッシュ・ロック一級の名曲ですね。
心にスッと染みる飾り気のない歌声。英国のジェイムス・テイラーですね。
寒い冬の朝に飲む紅茶のようになんとも優しく暖かい逸品。
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いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
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元KEEF HARTLEY BANDのギタリスト/ヴォーカリスト。71年作のファースト・ソロ。渋いブルース・ロック、いぶし銀のスワンプ・ロック、哀愁のフォーク・ロックなど、多彩な楽曲群により彼のギタリスト&ヴォーカリストとしての魅力が十二分に発揮された名作。特にヴォーカルが素晴らしく、ソウルフルなシャウトだけでなくバラードでの優美な歌声も見事です。名オルガン奏者MICK WEAVERも味わい深いフレーズで好サポート。いかにも英国的なジャケットに惹かれた方はまず買って損はありません。
盤質:未開封
状態:良好
柔らかな陽光が差し込む秋枯れの穏やかな日。アコギを携えそっと佇むRoger Morris。ジャケットにピンと来た英フォーク・ロックのファンの方、間違いなくハズレはありません!THE BANDからの影響が感じられる土臭く哀愁に溢れたアンサンブル。滲み出る英国的な陰影がたまりません。Roger Morrisのヴォーカルが特筆もので、渋みが少なく柔らかな歌声に心温まります。もちろんメロディも絶品!これぞブリティッシュ木漏れ日フォーク・ロックといえる愛すべき傑作!72年リリース。
切なさの中にも芯の強さが感じられる歌声、淡々としながら哀愁漂うメロディー、BRINSLEY SCHWARZによるいぶし銀のバンド・アンサンブル。とにかくすべてが奇跡的に素晴らしい英国フォーク・ロックを代表する傑作。71年作。
ピーター&ゴードン解散後に渡米。ニューヨークで録音され、72年にヴァーティゴよりリリースされた1stソロ。オリジナルは、ヴァーティゴが誇る数あるプレミア盤の中でも屈指のレア盤。SSW/スワンプの名作として人気の作品で、なるほど、ピーター&ゴードンとは異なり、アーシー&メロウなサウンドが印象的。憂いあるペダル・スティール、リリカルなピアノ、歌心あるふくよかでタイトなドラム、郷愁を誘うフィドル。そして、胸に染みるゴードン・ウォーラーのヴォーカルと陰影ある豊かなメロディ。A面のメロディアスなSSW曲、B面のルーツ色ある楽曲ともに、米東海岸の名セッション・マンがサポートしたアンサンブルも旨味いっぱいです。これは一生ものの一枚と言っても過言ではない傑作。米SSW/スワンプのファンも、アーニー・グレアムなど米国憧憬ブリティッシュ・フォーク・ロックのファンも必聴!
リヴァプール・シーンやグリムズやプレインソングでの活動でもソロでも英ロックのファンにはお馴染みのアンディ・ロバーツが、元ヤンコ・パートナーズやミック・エイブラハムズ・バンドのKey奏者ボブ・サージェントらと結成したグループ。サンディ・ロバートソンのプロデュースで録音され、アトミック・ルースターやジンハウスやハンニバルなども所属するB&Cレーベルより71年にリリースされた唯一作。2曲目「Sad」の名曲ぶりが凄い!抑制されたリズム隊とピアノが「くるぞくるぞ」と聴き手の期待を煽るタメの効いたイントロから雰囲気たっぷり。バックにはメロトロンも鳴らされ、ハイ・トーンのスモーキーなヴォーカルがエモーショナルに憂いのあるメロディを歌い上げる。リズムが走り、オルガンが鳴らされ、ピアノがジャジーなフレーズを彩ると、そこは英国ならではの翳りある世界。そこに追い打ちをかけるように鳴らさせるメロトロン!ブリティッシュ・ロック一級の名曲ですね。その他の曲も粒ぞろいで、米国憧憬の中にもフィドルが英国的な陰影を描くフォーク・ロック、ルーラルなコーラスが染みるスワンピーな曲、ペダル・スティールが美しすぎるハートウォームな曲など、英国的なメロディが堪能できます。英フォーク・ロック/SSWのファンはもちろん、ネオン・レーベルあたりのジャジーで叙情的な英ロックのファンにもたまらない名作!
STEELEYE SPAN、WOODS BANDを経て、ゲイ&テリー夫妻がゲイ&テリー・ウッズ名義で発表した1stアルバム。75年作。いかにも英国的なジャケット通り、どこを切ってもブリティッシュの芳醇な香りが漂うブリティッシュ・フォークの名作。ウェスト・コーストの爽やかな風を取り入れつつも、ブリティッシュならではの陰影を保つ絶妙なバランス感覚は彼らならでは。ゲイの澄み切ったフィーメール・ヴォーカルとテリーの枯れた哀愁漂うヴォーカルの絡みが素晴らしい。
今ではスタックリッジ等と並び、ポール・マッカートニー直系として再評価著しいGerry Raffertyの一世一代の名盤。「スコットランドのポール・マッカートニー」と異名を取る彼らしい、叙情的で美しいメロディーと牧歌的な温かみに溢れるサウンドが素晴らしい名曲揃い。個人的にはAlan Hull、Ian Matthews、そしてこのGerry Raffertyが、英国的ないなたいメロディーを紡がせたら右にでる者はいないであろう英国3大シンガー・ソングライター。愛すべき、という形容がこれ以上なく似合う一枚です。
元ハニーバスのメンバーが71年にリリースした唯一のソロ・アルバム。アメリカ西海岸ロックへの憧憬の中に滲み出る英国的メランコリー。Ian Matthews、Ronnie Laneと並び、英国的「いなたい」シンガー・ソングライターの最高峰。憂いのあるメロディーが絶品な「JUST LIKE ME」など、名曲揃いの傑作。
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