2019年2月10日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフみなとです。
皆様は、松本隆が手掛けた楽曲で好きな作品はありますでしょうか。
私は初めてはっぴいえんどの「風をあつめて」を聴いた時、何て素敵な歌詞なんだろうか!!と驚きました。
少し長いですが引用します。
♪はっぴいえんど / 風をあつめて
街のはずれの
背のびした路次を 散歩してたら
汚点だらけの 靄ごしに
起きぬけの露面電車が
海を渡るのが 見えたんです
それで ぼくも
風をあつめて 風をあつめて 風をあつめて
蒼空を翔けたいんです
蒼空を
朝もやに包まれる街の光景が、目の前に浮かぶようですね。
一歩距離を置いている感じが、独特の静けさを生んでいると思います。
さてさて。このたびNHKFM様で「今日は一日松本隆ソング三昧」が放送されるそうですので、便乗しましてカケレコ棚より松本隆関連の作品をピックアップしてまいります。
カケレコ棚を探したのですが…あいにくはっぴいえんどの在庫がございませんでした。
でも、少しだけ聴いてまいりましょう。
はっぴいえんどの1作目のシングル。
♪12月の雨の日
雨上がりの街に 風がふいに立る
流れる人波を ぼくはみている
雨に濡れるのでもなく、ただただ見ている。
何だか心がしんとしてきます。
♪暗闇坂むささび変化
ももんがーっ
ももんがーっ
おー
ももんがーっ
この曲を聴いたあとでは、「ももんがーっ」と口ずさまずにはいられません。
♪氷雨月のスケッチ
雨のむこうに街が煙って
青褪めた街は深く沈んで
松本隆の目に、街はなんと詩的に映ることでしょうか…!
1972年にはっぴいえんどは解散し、4人はそれぞれの活動へと向かいます。
松本隆はまず南佳孝のプロデュースに取り掛かりました。
♪勝手にしやがれ
風のナイフできみを刺し 雪の真白に埋めるのさ
氷柱色した きみの愛つめたい
映画のシーンが浮かんでくるようです。
「真白」「氷柱色」など、言葉選びにこだわりが感じられます。
♪月曜日のK
今日からバルセロナへ翔んで行くのよって
それでも 僕は行くよ エデンの東まで
月曜だけはキネマの椅子で
あがた森魚との共作です。
「キネマ」をテーマに、大正ロマンな世界を描いた作品です。
70年代の松本隆は、チューリップ「夏のおもいで」(1973)やアグネス・チャン「ポケットいっぱいの秘密」(1974)を手掛け、次々とヒットを生み出しプロの作詞家としての地歩を築いていきます。
(写真はベスト・アルバムです)
♪木綿のハンカチーフ
あなた 最後のわがまま
贈りものをねだるわ
ねえ涙拭く木綿の
ハンカチーフください
ハンカチーフください
切ないような、憤りを感じるような・・・聴く人それぞれに違った感情を抱かせる、何ともドラマティックな歌詞です。
皆様はこの歌詞、どう思いますか?
この曲は松本隆が先に歌詞を作り、筒美京平が後から曲を付けたそうです。こんな小説みたいな歌詞に曲を付ける筒美氏にも脱帽です。
(写真はベスト・アルバムです)
♪赤い絆(レッド・センセーション)
レッド・センセーション
涙をかくした真っ赤なコート
レッド・センセーション
あなたを愛した証しの色よ
激しく揺れ動く女性の感情が、鮮烈な「赤」のイメージとともに押し寄せてきます。
♪SEPTEMBER
September そしてあなたは
September 秋に変った
夏の日ざしが弱まるように心に影がさした
September そして九月は
September さよならの国
あらためて聴くと、非常に良い声ですね。
カレン・カーペンターのように伸びやかで素晴らしいボーカルです。
悲しい内容の歌詞ですが、なぜだかお洒落に響きます。
竹内まりやの「September」が入っているアルバムは無かったのですが、1stアルバムがありましたのでピックアップいたします。
1978年のデビュー曲。伊勢丹のCMソングにもなりました。
♪君は天然色
思い出はモノクローム 色を点けてくれ
もう一度そばに来て はなやいで 美しの Color Girl
大ヒットアルバム『A LONG VACATION』の冒頭を飾る、明るく素敵なポップスです。
実はこの曲、松本隆の亡くなった妹への想いがあるそうです。
大瀧詠一に歌詞を頼まれていた時に、元から体の弱かった妹が亡くなってしまい、松本隆はとても作詞どころではなくなってしまいました。
その時の彼の眼には、世界がモノクロに見えたそうです。
大瀧詠一は、「歌詞は松本隆でないと意味が無い、気長に待つよ」と言ったそうです。
そんなエピソードを知ると、曲がまた違って聴こえますね。
♪君に胸キュン
君に胸キュン 浮気な夏が
ぼくの肩に手をかけて
君に胸キュン 気があるの?って
こわいくらい読まれてる
さざ波のラインダンス
時間だけこわれてく
まなざしのボルテージ 熱くしながら
1983年のYMO7枚目のシングル。「胸キュン」という言葉のインパクトが素晴らしいです。
コピーライターとしても才能に溢れていますね。
♪風立ちぬ
風立ちぬ 今は秋
今日から 私は心の旅人
涙顔見せたくなくて
すみれ・ひまわり・フリージア
高原のテラスで手紙
風のインクでしたためています
堀辰雄の『風立ちぬ』をテーマに、大瀧詠一作曲、松本隆作詞で作られた楽曲。
この時の松田聖子は喉の調子が良くなかったようですが、少しかすれたボーカルが不思議と合っているような気がします。
「風立ちぬ」収録のアルバムは無かったのですが、85年作『9TH WAVE』がありましたのでピックアップいたしましょう。
♪ボーイの季節
11枚目のアルバム。
透明感あるシンセサイザーと、松田聖子のクリスタル・ボイスが清涼感たっぷりです。
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いかがでしたでしょうか。少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。
※注:上記作品のなかでは、現在販売/買取の対象ジャンルでないものも含まれております。
ご了承くださいませ。
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