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『イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル 2013』1日目 MAXOPHONE&MUSEO ROSENBACHライヴ・レポート

こんにちは!カケレコ・スタッフ佐藤です。

4月26日より3日間にわたって開催された「イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル 2013」。

2011年より開催され、今年最後を迎えた本フェスですが、その最終章を飾るにふさわしい6組のバンドが熱演を繰り広げてくれました。

本日はその1日目、MAXOPHONEMUSEO ROSENBACHのライヴレポートを、他国でのライヴ動画などを交えてお届けいたします!

まずはMAXOPHONE。 75年に唯一作を残したバンドですが、当初からのオリジナル・メンバーはヴォーカル/キーボード/アコギのAlberto Ravasiniとキーボード/ヴォーカルのSergio Lattuadaの2人。そこにベース、ドラムス、リード・ギターの3名を合わせた5人編成です。

1曲目は、75年作ではラストを飾る「ANTICHE CONCLUTIONI NEGRE」。あの飛び出すような躍動感いっぱいのイントロがスタートした瞬間、思わず胸が躍ります。オリジナルでのホルンやサックスの音色は、主にシンセが務めていましたが、このバンド特有の柔らかな叙情性をしっかりと保った音色はやはりさすが。

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楽曲本来の美しさに、若手のギターとリズム隊がライヴらしいパワフルさを加えているのも好印象です。オリジナル作でも、キーボードや管楽器による格調高く優美な音色とギターを始めとするハード・エッジなサウンドが絶妙にブレンドされていたのを思い出します。

曲によってイタリア語と英語で歌い分けるリード・ヴォーカルのアルベルト。歳月を経て往年よりも深みとコクを増した歌声で、イタリアのバンドらしい歌の魅力もたっぷりと堪能させてくれます。

演奏面で聴き所だったのが、「AL MANCATO COMPLEANNO DI UNA FARFALLA」他でのアルベルトによるあまりに華麗なアコギさばき。ライヴということもあってなのか、オリジナルでの演奏を凌ぐかもしれないと感じられるほどに深みのある典雅なアコギの音色にしばし酔いしれます。

気がつくと、そのアコギに合わせて流麗なヴァイオリンが入ってきていてビックリ。よく見ると、ドラマーがスティックをヴァイオリンに持ち替えてアンサンブルに加わっています。そこにチェンバロの音色も絡んできて、中世バロック音楽そのものの格調高い演奏を披露。いや、ここは泣けました?!今日来てよかった?っと最初に思った瞬間です。

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その後も75年作からのナンバーを中心に、70年代当時の未発表楽曲や『FROM COCOON TO BUTTERFLY』収録の楽曲などを交えて楽しませてくれました。

そんな中注目だったのが、終盤に演奏された新曲の「GUARDIAN ANGEL」。往年と変わらない、クラシカルで優美な中にもスピーディー&スリリングな展開を持ったインストも見事な出来栄えだったのですが、何と言っても後半のアカペラ独唱からの湧き上がるようにオペラチックな合唱が圧巻!そこまでで一番大きな拍手がその素晴らしい出来を物語っていました。これは鳥肌モノでしたよ!

そして70年代イタリアン・ロック屈指の名曲と言えるアルバムオープニングナンバー「C’E’UN PAESE AL MONDO」が、ついにラストで登場!中間部の管楽器パートを音色を使い分けて再現するシンセが少々危なっかしくってご愛敬でしたが、じんわりと豊潤に広がる叙情はそれはもうたっぷりと堪能させてくれました。

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終始、MAXOPHONEらしい優美さとハードさが見事に両立された、充実感いっぱいのステージでした!フェスのトップを飾るに相応しい名演だったと思います。

続いての登場が、MUSEO ROSENBACH。メンバーは、ヴォーカルのStefano”lupo”Galifi、ドラムスGiancarlo Golzi、キーボードのAlberto Morenoというオリジナルメンバー3人に、ギタリスト2人とkey奏者、ベーシストの若手4人を加えた計7人の大所帯。

演奏は、73年の大名盤「ZARATHUSTRA」B面の楽曲からスタートです。まず耳を奪われるのがジャンカルロのドラムのすさまじい音圧!空気を裂くように鋭く響くスネアと、一音一音にズシリとした重みを感じさせるプレイが圧倒的。彼はイタリアン・ポップスの名バンド、マティア・バザールの結成メンバーで、現在まで第一線で活動を続けてきたドラマー。その貫禄を見せつけるようなダイナミックなプレイが演奏を支えます。

こちらはフェスと同じメンバーによる、13年の再録作です。

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そう思っていると、ついに「ルポ」・ガリフィのヴォーカルが炸裂!今年リリースされた73年作の再録作品でその健在ぶりは知っていたものの、生で聴くと声量も声の張りも予想よりはるかに素晴らしい。淀みなく会場中に響き渡る歌声に思わず息をのみます。

それに加え、ダブルギター&ダブルキーボード編成による厚みのあるサウンドによって、往年の名曲たちがさらに凶暴に振幅激しく演奏されていくステージに、もはや興奮を抑えられません。

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そしてとうとう登場する「 ツァラトゥストラ組曲」。若いベーシストがおもむろにあの冒頭の哀愁メロディーを歌い始めます。このベーシスト、声もかなり良くて往年のガリフィを彷彿させる知的さとワイルドさがバランスよく共存する歌声が印象的でした。

ヴォーカルがガリフィに移ると、一気に力強くも切ない叙情アンサンブルへとなだれ込んでいきます!ダブル・ギターが荒々しく疾走するハード・ロック・パートからガリフィの情緒豊かなヴォ?カルが冴え渡るパートまで、オリジナルに忠実ながらよりダイナミックに再現されていく演奏に終始圧倒されます。

楽曲終盤にはギタリスト二人が熱いギターバトルを展開!作品の世界観を受け継ぎ、それをさらに広げていくような哀愁ソロの応酬に思わず目頭が熱くなります。

演奏が終わると、文句なしのスタンディングオベーションが会場を包みます。いや?、40年の時を経て現代に復活した「ツァラトゥストラ」、存分に堪能いたしました!感動???!

後半はほぼ13年作からの新曲で構成されていましたが、こちらも思いっきりヘヴィシンフォしていて、かなり完成度の高い楽曲が揃っていました。往年と比べよりクラシカルで荘厳な演奏を多く取り入れており、そこから一気にヘヴィーなハード・ロック・パートへ突入していく展開が何とも痛快!ムゼオというバンドらしい「静」と「動」の強烈な対比が印象的でした。こちらもカッコ良かったー!

これは今回のフェスに合わせるようにリリースされた13年オリジナル作も要チェックですね。

そんなわけで、フェスの初日を素晴らしいステージで飾ってくれたMAXOPHONEとMUSEO ROSENBACH。どちらもここから前へと進んでいこうとする活力に満ち満ちた演奏を披露してくれました。彼らのこれからの活動にも注目いきたいところですね!

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