スタッフ佐藤です。
先日BIG PINKよりリイシューされたジェレミー・スペンサーの1stアルバム、もうチェックされたでしょうか。
FLEETWOOD MAC脱退の前年にリリースされた作品で、内容面は勿論、当時のMACメンバーが全員参加している点でも初期MACファンなら押さえておきたい一枚となっています。
それに関連して今回は、本作から出発してスライド・ギターの名演が楽しめるアルバムをカケレコ棚からご紹介したいと思います!
FLEETWOOD MAC譲りの骨太なブルース・ロックを軸としつつ、軽快なオールディーズ調もたっぷり取り入れた1stソロ。
上記2つの要素を軸にやりたい事を詰め込んだ自由奔放な作風という印象ですが、やはり痺れるのは得意のスライドが炸裂するブルース・ロック・ナンバー。
特にこの3曲目、苛立ったようなヴォーカルと荒々しさの中にも旨味が滲む豪快なスライド・ギターがあまりにカッコよし!
ジャケットのちょっと顔色がよろしくない気もするポートレートは、マックの『Mr.Wonderful』や『English Rose』も手掛けたTerence Ibbottが撮影。
それでは英国勢から見ていきましょう♪
ビートルズ後期にメキメキと頭角を現していったジョージが、その勢いのままに放った70年の大傑作ですね。
代表曲「My Sweet Lord」を筆頭に、ブルース影響下から離れたメロディ重視のスライド・プレイが特徴的で、どこか浮遊感あるジョージの作風にもハマっています。
そんなスライド・ギターに彩られた、優美でメロディアスなナンバー、アコースティックでリリカルなナンバー、スワンピーなナンバーと、どれを取っても味わいある佳曲が並びます。
クラプトンがデラボニとの活動を通じて出会ったメンバーたちに、デュアンを加えて結成された伝説のバンド!
敏腕トム・ダウドのプロデュースで残されたこの唯一作、正直なところ有名曲「Layla」も霞むくらいに名曲が詰まりまくってます。
ここではデュアンのスライドが生む最高のグルーヴが味わえる「Keep On Growing」をどうぞ~。
イギリス出身、シカゴ・ブルースへの憧憬のあまり本場アメリカに活動の場を移し、見事に成功を収めたのが彼らです。
本作はまだアメリカ進出前の作品ですが、その完成度の高さはすでに特筆。
オールマンズばりに炸裂するスライド・ギターと対比をなす、陰影のあるブリティッシュ声と柔らかさのあるハーモニー。
この英米の絶妙なる折衷具合こそ、米憧憬ブリティッシュ・ブルース・ロックならではの醍醐味!
A BAND CALLED O~O BANDが気に入ったなら、そのギタリストCraig Andersがお得意のコクのあるスライドをプレイするこのアルバムも実にいいですよ~。
ジョン・エントウィッスルのもとで活躍したリーダーによる哀愁ヴォーカルも絶品な、米憧憬英ロックの一級品!
続いては本場アメリカ勢!
様々なルーツ・ミュージックが融合した米南部。その地で生まれたサザン・ロックにロック・ファンの目を向けさせたライヴ盤の金字塔。土臭く骨太な演奏に、豪快に炸裂するデュアン・オールマンのエモーションほとばしるスライド。ただただ圧巻・・・。
デュアン・オールマンのスライドが炸裂してるし、メンフィス・ホーンズは全開でブイブイいってるし、プロデュースはトム・ダウトで『レイラ』と同じく、マイアミはクライテリア・スタジオ録音だし、スワンプ・ファンは聴くっきゃないでしょ!
ローリングストーン誌「歴代最高のライヴ・アルバム TOP10」にもランクインしている傑作ライヴ盤。
ゴキゲンに転がるピアノと首領ローウェル・ジョージによる旨みの塊のようなスライドギター!
アーシーでまったりとしたサウンド、力強いグルーヴ感に瑞々しいポップ・センス…こんなに気持ちの良い音はなかなかありませんよ!
コマンチ族とカイオワ族の両親を持つ生粋のネイティヴ・アメリカンで、同郷のレオン・ラッセルの薦めでLAに来て活躍した燻し銀ギタリストと言えば?
冴え渡るスライド、哀愁とコクのある歌声&メロディ。
ウルル~
アメリカン・ルーツ・ミュージックの探求者にして、スライド・ギターの名手。
コクとタメの効いたスライドには、たった一音でやられちゃう魅力がありますね。
クラプトンもベタ褒め、現アメリカでデレク・トラックスと並び称されるスライド・ギターの名手と言ったらサニー・ランドレス!
微細なニュアンスまでも表現するテクニックと伸び伸びとした抜群の聴き心地良さを兼ね備えた、奇跡のスライド・プレイが堪能できる85年作!
優しげに響くアコギ、タメの効いた極上のスライドギター、爽やかながらも少し翳りのある歌声。ジョン・レノンに重用された米SSW、米フォーク・ロックの大名作。
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いかがだったでしょうか。
気になる作品が見つかりましたら幸いです!
エリック・クラプトンがデラニー&ボニーのツアーを通して知り合った米南部系ミュージシャンと結成したグループ。70年リリースのバンド唯一作であり、ロック史上に残る傑作。ジョージの『All Things Must Pass』に通ずるような泥臭くもメロディアスな「I Looked Away」「Bell Bettom Blues」(クラプトン屈指の美メロ)「Keep On Growing」(抜群のグルーヴ)と続き、魂のブルース「だれも知らない」、静謐なフォーク・ロック「I Am Yours」、クラプトンのギターとデュアン・オールマンのスライド・ギターが火をふく「ハイウェイの関門」、メロウかつ粘っこい絶品スワンプ・ロック「Tell The Truth」、クラプトン屈指の名演「愛の経験」、感情ほとばしるジミへの追悼曲「Little Wing」、そして極めつけが「いとしのレイラ」、フォーキーな最終曲「庭の木」も絶品。もう「いとしのレイラ」が霞むぐらいの名曲の数々。僕は正直、好きな順でいけば、「いとしのレイラ」は下の方です。それぐらいの充実作。ロック史上に残る金字塔です。
デジパック仕様、2枚組、SHM-CD、定価3600
盤質:傷あり
状態:
帯有
フチに若干破れあり、糊汚れあり
紙ジャケット仕様、SHM-CD、13年デジタル・リマスター、復刻巻帯付き仕様、定価2593+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
後期BEATLESのジョージはすごかった。メロディ・メイカーとしては、「SOMETHING」や「HERE COMES THE SUN」など、ジョンとポールにも引けを取らない名曲を書き、ギタリストとしても、シンプルながら楽曲の魅力を確実に引き出すいぶし銀のフレーズで影ながらサウンドを引っ張る。BEATLES解散後にリリースされた1stソロである本作は、そんなミュージシャンとして脂が乗り切った状態のまま、クラプトン、リンゴ、デイヴ・メイスンなど才能溢れる友人達とともに一気に作り上げたジョージ渾身の傑作。何度聴いても飽きず、むしろ輝きを増し続ける普遍的なメロディがとにかく絶品。奥行きのある演奏も聴けば聴くほどに味わいが増します。ロック史上に残る金字塔と言っても過言ではない大傑作。
デジパック仕様、2枚組、リミックス盤、ボーナス・トラック5曲、デジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:
小さいカビあり
2枚組、ボックス仕様、各CDはペーパーケース仕様、デジタル・リマスター、ブックレット付仕様
盤質:傷あり
状態:並
若干カビあり、その他は状態良好です
オールマン・ブラザーズ・バンドならではの緻密なアンサンブルと奔放なインプロヴィゼーションを存分に楽しめるライヴ・アルバムにして、バンドの最高傑作。71年作。
Peter Greenと共に初期FLEETWOOD MACを支えたスライド・ギタリスト、MAC在籍中の70年にリリースした1stソロ。MACのメンバーが全員参加しており、作風も当時のMACに通じるブルース・ロックにフォーク・タッチの繊細さも織り交ぜて聴かせますが、そこにオールディーズ調の軽快なナンバーが入ってくるのが特徴的。女性ヴォーカルをフィーチャーしたキャッチーな1曲目、ピアノとブラスがゴキゲンに絡む50年代風の瀟洒な2曲目と続き、一転して骨太なブルース・ロックが炸裂する3曲目へと至る流れが痺れます。苛立ったようなヴォーカルと荒々しさの中にも旨味が滲む豪快なスライド・ギターがあまりにカッコいいです。これぞという気持ちの良いスライドが聴ける8曲目なんかも絶品だし、ストーンズがやりそうなゴスペル風に盛り上がる10曲目あたりも聴きモノ。FLEETWOOD MAC譲りのブルース・ロックを軸に据えつつ、やりたいことを詰め込んだような自由奔放さも魅力の逸品です。
John Entwistleのソロ作への参加、そして英スワンプ名作を残したデュオRO ROの片割れとして活動したギター/ヴォーカルによるリーダーバンド、78年作。バンドメンバーには、前年のソロ作にも参加した元BABE RUTHのドラマーEd Spevock、元PARLOUR BAND〜A BAND CALLED O〜O BANDのギタリストCraig Andersら腕利きが揃います。WISHBONE ASH彷彿のキャッチーなハード・ロック・サウンドだった前年ソロ作を受け継ぎつつ、よりウエスト・コースト・ロックやファンクの要素を強めた米憧憬スタイルを追求。Craig Andersの参加もあってか、O BANDの作品かと思ってしまうほどに彼らと近い音楽性を披露します。タイトで安定感抜群のリズム・セクションに、転がるようなタッチのゴキゲンなピアノが踊り込み、Craig Anderお得意のコクのあるスライドを交えた職人肌のギターが炸裂。ノリの良い演奏で快走しているようでいて、実際はラフさのないカッチリまとまったアンサンブルを聴かせているところはまさにO BANDに通じるところです。そして極めつけはAlan Rossの歌声。抜けの良いハイトーン寄りのヴォーカルはハード・ロック・ナンバーで抜群に映えるのは勿論ですが、ウエストコースト/カントリー・ロック風ナンバーでの低めに抑えた乾いた歌声がまた芳醇で素晴らしいです。これは米憧憬のキャッチーなブリティッシュ・ロックとして間違いなく一級品。O BANDが気に入られた方は是非こちらも!
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