2019年1月30日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフみなとです。
今日はカケレコ棚を探索して、フェアポート・コンヴェンションの創立メンバーのソロ作品を聴いてまいりたいと思います。
サンディ・デニー加入前の68年1st『FAIRPORT CONVENTION』は、バンドとしての個性が確率しておらず、それ以降のトラッド色の強い作品に比べるとインパクトが薄いかもしれません。
ですが、サイケ/カントリー/フォーク・ロックなど68年ならではの様々な要素が組み込まれたサウンドと、ジョニ・ミッチェルやボブ・ディラン、エミット・ローズなど、当時のコンテンポラリーな楽曲のカバーがなかなか味わい深く、これはこれで非常~に素晴らしい作品です。
ジュディ・ダイブルの線の細いボーカルがまたいいんですよね。
さて、今日はそんなフェアポート・コンヴェンションの創成期にいたメンバーのソロ作をカケレコ棚から探してみたいと思います。
↓こちらの5人をピックアップいたします。
ギタリストとして、またコンポーザーとしてフェアポート・コンヴェンションの多大な功績を残したリチャード・トンプソン。
こちらは71年にバンドを脱退して制作されたソロ作。
パイプ・ミュージックに影響されたというリチャードならではの太いギターの音と、英国らしい陰影に溢れたサウンドを堪能することが出来ます。
ソロ作にバック・ボーカルで参加していたリンダと公私ともにパートナーとなり、デュオを結成します。
リチャード・トンプソンという個性的なギタリストの脇で堅実なリズムギターを弾いていたサイモン・ニコル。
決して派手さはないものの、的確かつ温かみあるギターと低音のボーカルにしみじみとした味わいがあります。
71年『BABBACOMBE LEE』リリース後に一度脱退しましたが、76年に復帰し、現在もギタリスト兼ヴォーカリストとして活動しています。
アシュレイ・ハッチングスは69年『LIEGE AND LIEF』リリース後、バンドを脱退します。
フォーク・ミュージックに傾倒したこと、またメンバーの交通事故からの精神的打撃などがあったようです。
やがてゲイ&テリー・ウッズ夫妻、マディ・プライアとティム・ハートと一緒にSTEELEYE SPANを結成。
STEELEYE SPANの70年1st。
ボーカル・ハーモニーの美しさと厳格なサウンドが胸を打ちます。
72年にアシュレイ・ハッチングスはSTEELEYE SPANを離れ、アルビオン・バンドを結成しました。
95年作です。
ソロ作では、01年作がカケレコ棚にありました。トラッドを現代風に書き直し、様々なミュージシャンと演奏したアルバムです。
フェアポート・コンヴェンションの1stが68年にリリースされる直前に早くもバンドを脱退したジュディ・ダイブル。
1stのアメリカ風なサウンドにはジュディ・ダイブルのソフトなボーカルがピッタリでした。
脱退後、キング・クリムゾンの母体となったGILES GILES & FRIPPに参加、
♪Giles Giles and Fripp feat. Judy Dyble / I Talk To The Wind
その後、THEMの元メンバーであるジャッキー・マコーリーと、フォーク・デュオTRADER HORNEとして一作を残します。
木漏れ日のような柔らかなメロディと、幻想的な管弦楽器が彩る名作ですね。
ジュディ・ダイブル、またサンディ・デニーと素晴らしいデュオを聴かせてくれたイアン・マシューズですが、69年には英国伝統音楽に傾倒していくバンドと袂を分かちます。
詳しい経歴はこちらをご覧くださいませ。↓
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フェアポート・コンヴェンションの初代ヴォーカリストであり、ソロやバンドで米ウェストコースト・ロック憧憬の愛すべき名作を残し、今も活動を続ける名SSW、イアン・マシューズをピックアップ。
73/74年。
爽やかながらも哀愁漂うメロディー、ペダル・スティールの懐かしい響き、そして優しいボーカル…。胸がいっぱいです。
こちらは78年作。
AORをやっても、繊細で英国らしいところがいいですね。ロバート・パーマーやテレンス・ボイランを小粋にカバーしてます。
いかがでしたでしょうか。少しでもお楽しみいただけましたら、幸いです。
女性ボーカリストSandy DennyとギタリストRichard Thompsonを擁し、トラッド・フォークの最高峰の1つに上げられるイギリスのグループによる69年4th。69年に彼らは3枚ものアルバムをリリースしており、本作は連続リリースの3作目となります。事故によりドラマーのMARTIN LAMBLEが急逝、DAVE MATTACKSを新ドラマーに迎え、フィドル奏者DEVE SWARBRICKも正式に加入。彼ら代表作の1つであるその内容は、前作では1曲のみだったトラッド曲をアルバム8曲中5曲まで増やし、飛躍的な発展を遂げたエレクトリック・トラッド・フォークの路線にさらに磨きをかけた記念碑的名盤となっています。英国叙情が際立ったトラッド・フォークの代表作と言えるでしょう。
サンディー・デニーを迎え制作された2ndアルバム。68年作。彼女の儚くも凛としたヴォーカルは別格の美しさで、「FOTHERINGAY」などコンポーザーとしても一流。そんな彼女の加入が化学反応を引き起こしたのか、リチャード・トンプソンもギタリスト/コンポーザーとして見事にその才能を開花させています。楽曲、演奏とも新人離れした風格すら感じさせる出来栄えで、英国フォークロックを代表するグループとしての地位を早くも確立した名作。
女性ボーカリストSandy DennyとギタリストRichard Thompsonを擁し、トラッド・フォークの最高峰の1つに上げられるイギリスのグループによる70年5th。名盤となった前作「Liege & Lief」をリリースした後、Sandy DennyとAshley Hutchingsが脱退、Dave Peggが加入して男性グループへとシフトした作品ですが、その内容はグループのフロントであったSandy Dennyの脱退を全く感じさせないブリティッシュ・トラッド・フォークの名盤となっており、特にRichard Thompsonのギターをはじめとしたバンドの緊張感溢れるパフォーマンスは、さすが全盛期の彼らならではのものです。
英フォーク・ロックの代表格、71年7th。Sandy Denny、Richard Thompsonが抜け、4人編成となった時期の作品。殺人事件の犯人の半生をモチーフにしたコンセプト作。重い題材を扱っていながら、カントリー・ロックの影響も感じさせる親しみやすい楽曲群で構成。フィドル奏者Dave Mattacksが主導権を握り、男所帯ならではの温もりを感じさせるフォーク・ロックに仕上がっています。伸びやかなヴォーカル、表情豊かにスイングするフィドルを中心として、哀感を漂わせるアコーステイッック・ギター、幽玄なダルシマー、整然としたリズム隊などが一丸となり締まった演奏を展開。心浮き立つような軽快なアンサンブルを奏でており、素朴な男声コーラスと溶け合う様は心地よくリラックスさせてくれます。ピリピリした緊張感を持っていた「LIEGE & LIEF」「FULL HOUSE」の時期とは異なる、朗らかな魅力に溢れるこの時期のフェアポートも良いです。
75年作の2nd。サイモン・ニコルやパット・ドナルドソンら気の知れた仲間と心おきなく繰り広げられる音楽世界。英国音楽文化の伝承というテーマに、新たなアプローチを加えることで前作に負けず劣らぬ傑作となった。
紙ジャケット仕様、04年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック5曲、定価2141
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
旧規格、カラーケース仕様、定価2548
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
帯無、カラーケースではありません、ビニールソフトケースの圧痕あり
紙ジャケット仕様、04年リマスター、ボーナス・トラック4曲、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
内袋に圧痕あり、帯に色褪せあり
82年作のラスト・アルバム。ジョー・ボイド、フェアポート・コンヴェンションの黄金期のメンバーらの過不足のないバックアップを受け、リチャードの個性的なギター・プレイとリンダの憂いを湛えた歌唱が融和した傑作。
紙ジャケット仕様、ボーナス・トラック1曲、定価2548
盤質:傷あり
状態:並
帯有
紙ジャケに若干カビ・いたみあり、帯は紙ジャケに貼ってあります
Fairport Conventionを抜けたAshley Hutchingsが中心となり結成されたグループ。Tim Hart & Maddy Prior、Gay & Terry Woodsの男女デュオが同時に在籍。4人の才能溢れるヴォーカリストによるコーラス・ワークは鳥肌モノの素晴らしさです。2nd&3rdはドラムレスですが、本作はドラム入りで、ロック色強くピシピシと緊張感が伝わるサウンドはフェアポートを想わせます。文句無しの名作。
1st録音後、Gay & Terry Woodsが脱退。Martin CarthyとPeter Knightを迎えて制作された2ndアルバム。71年作。鉄壁のアンサンブルにより築き上げたエレクトリック・トラッド孤高の傑作。
前作と同じラインナップで71年に録音された3rdアルバム。前作と並びエレクトリック・トラッドの傑作。
元ThemのJackie McAuleyとFairport Conventionの初代ボーカリスト、Judy Dybleが結成した英フォーク・デュオ。70年にDAWNからリリースされた唯一作。美しく澄んだJudyのボーカルと、ほのぼのとした温かみに溢れるJackieのボーカルが絶妙に絡みあうリリカルなサウンドが持ち味。木漏れ日のような優しいメロディーと、幻想的なフルートやオーボエ、クラシカルなハープシコードやオルガンが溶け合った極上の名作。
オリジナルとは異なるジャケット・デザイン仕様、ボーナス・トラック収録
盤質:傷あり
状態:並
ジャケにインク付着・折れあり
FAIRPORT CONVENTIONやPLAINSONGでの活動でも知られるシンガー・ソングライター。74年作の3rd。カヴァー曲を中心に、アーシーで懐深いカントリー・タッチの楽曲が並ぶ。
FAIRPORT CONVENTION、MATTHEW’S SOUTHERN COMFORT、PLAINSONGなどで活躍した英SSW。78年作と79年作とをカップリングした2in1CD。「Stealin’Home」には、Bryn Haworth、Mel Collinsなど参加。「Siamese Friends」には、Mick Weaver、Mel Collinsなど参加。どちらのアルバムも、流麗なメロディーと円熟のアンサンブルが絶妙に絡んだ好盤。
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