2016年11月15日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,新譜CDナビ
タグ: プログレ新鋭
北欧のスウェーデンと並び、90年代以降のプログレを牽引するイタリア。
2016年にリリースされたイタリアのプログレ新鋭バンドによる新譜を特集いたしましょう。
P.F.M.やBANCOやMUSEO ROSENBACHなど、70年代の往年のイタリアン・ロックのDNAを受け継いだグループ達の作品をどうぞお楽しみください。
ジェネシス系イタリアン・シンフォの名バンドとして知られるMOONGARDENのギタリストとキーボーディストが結成したバンド。2016年作3rd。
ジェネシス憧憬をベースに、イタリアらしいクラシカルさや、突き抜けるようにかっ飛ばすプログレ・ハード・テイストを織り込んだサウンドは、いや〜、素晴らしい!
1st、2ndもプログレ・ファンに大好評でしたが、本作にも間違いなく心奪われること間違い無しっ!
まるで往年のスティーヴ・ハケットをキーボードで再現するようなリードがいいなぁ。
「プログレ・ハード」なダイナミズムとフックあるメロディも魅力的だし、これは2016年屈指の大充実作!
アルバムの1秒目からレッドゾーン吹っ切れまくり!
怒涛のビブラフォンとサックスのユニゾン。マシンガンのようなギター。
高速変拍子。クリムゾンやユニヴェル・ゼロに一歩も引けをとってません!
イタリアはジェノヴァ出身の新鋭バンド、2016年デビュー作。
これは、なんというテクニックとアイデア!
ザッパやジェントル・ジャイアントもびっくりな痛快っぷり!
超絶技巧の中に哀愁もつまってて、このデビュー作、激レコメンド!
オザンナ、VDGG、キング・クリムゾンの影響を土台に、よりエキセントリックに畳み掛ける!
02年に結成され、04年にデビューしたイタリア産新鋭バンド。3枚のオリジナル・アルバムに続き2016年にリリースされた初ライヴ・アルバム。
狂おしいばかりのヘヴィネスで聴き手を飲み込むエネルギッシュ極まる逸品!
ずばり、まるで「ジェネシス meets レ・オルメ」!
ヴァイオリン奏者を含む初期P.F.M.と同じ編成で70年代から活動を続け、92年にデビューし、来日公演も果たしているイタリアのシンフォニック・ロック・バンド。
2016年作の6th。
キング・クリムゾンの『レッド』と、轟音&美メロが溢れるシューゲーザーの金字塔『ラヴレス』とが融合したら、こんな音になるかも?
アレアを、ソフツのマイク・ラトリッジがプロデュースしたら?って感じ!?
圧倒的にアグレッシヴでいて色彩豊か。やはり凄いグループです。
今やイタリア屈指のキーボード・プログレ・バンドへと成長したバンドによるミラノ公演を収録した渾身のライヴ盤。
まるでバンコとHR/HMが融合した感じ!?
イタリアの新鋭プログレ・バンド、2016年デビュー作。
アンチ・プログレのプログレ・バンド!?
クリムゾン、アネクドテンからザッパ、トーキング・ヘッズあたりを詰め込んだ諧謔プログレが痛快!
まるで往年のレ・オルメにスティーヴ・ハケットやデヴィッド・ジャクソン(Sax)が加わった感じ!?
イタリア国営放送のサウンドトラック制作などで活動していたイタリア人ミュージシャン&コンポーザーのVincenzo Riccaを中心とするプロジェクトの16年リリースの第二弾。
前作に引き続き参加するスティーヴ・ハケットをはじめ、相変わらずメンバーが豪華で、VDGGのデヴィッド・ジャクソン(Sax)、イエスでお馴染みのビリー・シャーウッドの他、イタリアの新鋭プログレ・バンドのメンバーが参加!
まるで『コンチェルト・グロッソ』と『フェローナとソローナ』が融合した感じ!?
これぞイタリアでしか生まれ得ない、壮麗かつ荘厳なクラシカル・プログレ傑作。
FINISTERREやLA MASCHERA DI CERAを率いて90年代以降のイタリアン・ロック・シーンを牽引したFabio Zuffantiによるソロ・プロジェクトであり、00年以降屈指といえるグループ。帝政ローマ時代の小説家アプレイウスの代表作『変容』の一遍「キューピッドとプシュケ」を主題とした2016年作のコンセプト・アルバム。
これはずばりアレアやP.F.M.のDNAを受け継ぐ地中海プログレの新たなる傑作!
イタリア北西部はトリノ出身のKey奏者Nico Comoglioを中心に90年代はじめに結成されたグループ。92年と93年にアルバムをリリースした後、いったん解散し、2010年に再結成。再結成後にリリースした3枚のアルバムに続く通算では6枚目となる2016年作。
まるでロバート・ワイアットがドラム&ヴォーカルで、ジョン・ウェットンがベースで、ゾンビーズのロッド・アージェントがキーボードで、イアン・マクドナルドがサックス&フルートって感じ!?
イタリアのプログレ新鋭トリオによる2016年デビュー作なんですが、サイケデリック・ロックからジャズ・ロック、ハード・ロックへと発展した69年頃の音を軸に、カンタベリーの叙情性、イタリアならではのクラシカルな荘厳さを織り交ぜたサウンドはかなりの完成度。
これは70年代プログレのファンは注目の名デビュー作です。
「アレア × 米プログレ・ハード 」÷ ポスト・ロック以降ジャズ・ロック!?
アメリカで人気が出た頃のジェントル・ジャイアントにイタリア的演劇性を加えた感じ、とも言えるかもしれません。
これはかなりセンス抜群。
99年に結成されたイタリアのプログレ新鋭バンドによる、06年デビュー作から10年ぶりとなった痛快なる2016年作2nd!
新たな感覚に溢れたサウンドは、ずばりイタリアン・ロック最前線。
さすがは、あのHOSTSONATENでお馴染みのFabio Zuffantiが目をつけたバンド。
このイタリアの新鋭、ずばり「カンタベリー meets 地中海」って感じで素晴らしい!
ジェントル・ジャイアントからの影響を地中海のたおやかさで包み込んだような感じ!?
ジャズ/フュージョンの香りが心地よい地中海ポップ・ロックの逸品!
とにかく特筆なのが胸のすくようなハイトーンのヴォーカルと伸びやかな美旋律!
バックも豪華で、ギターにTHE WATCHのEttore Salati、ベースにBAROCK PROJECTのGiambattista Giorgi、ドラムにNOT A GOOD SIGNのMartino Malacridaというイタリアン・プログレ・ファンにはたまらない陣容。
70年代志向の名新鋭バンドのメンバー達によるかっ飛ばすメロディアス・ハード快作です。
このイタリアの新鋭、ずばりセンス抜群でオススメ!
クリムゾンやジェネシスやバンコなどのDNAとモダンな音響感覚やジャズのエッセンスが融合したハイブリッドなシンフォニック・ロックはただ一言、鮮烈。
ヴァン・ダー・グラーフに通じる幻想美 + フロイドに通じる映像喚起センス!?
PORCUPINE TREEあたりのファンも要チェック!
なんとサルデーニャ島のプログレ新鋭バンドによるビートルズ・カヴァー・アルバム。
アンニュイかつエモーショナルな女性ヴォーカルが歌う「Dear Prudence」、良いなぁ。
着実に受け継がれ、時を超えて今も息づく70年代イタリアン・ロックのあの熱情と詩情。
70年代イタリアン・ロックのファンは要チェック!
アラン・パーソンズ・プロジェクトをもうちょっとハードにしてドラマティックなシンフォニック・ロックに仕立たような感じで、ジッと感動的だなぁ。
地中海のマルタ島出身でチェコのプラハに移住したTrevor Taboneを中心に結成されたシンフォニック・ロック・バンド。マルタ島で活動していた時から数えると通算3作目となる2016年作。
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
カケレコは、これからもプログレ・シーンの最新動向を追い、世界の注目作をみなさまにお届けしてまいりますよ~。
イタリア以外のプログレ新鋭による2016年新譜はこちらの記事で特集!
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00年代以降のチェンバー・ロック〜アヴァン・ロックの筆頭格と言えるイタリアのバンド、2016年作のスタジオ盤としては4枚目となるアルバム。アルバムの1秒目からレッドゾーン吹っ切れまくり!いきなりビブラフォンとサックスがユニゾンで切れ込み、ギターがまるでマシンガンのようにザクザクとしたフレーズを叩きつけ、リズム隊が高速変拍子で荒れ狂う。脈絡なくフレーズをぶつけあっているようでいて一糸乱れぬようでもあり、アブストラクトのようでいて緻密に計算されているようで、何という凄まじさ。クリムゾン『太陽と戦慄』やヘンリー・カウやユニヴェル・ゼロなどに一歩も引けを取らない、というか、硬質さとテンションでは凌駕しているといっても過言ではないでしょう。一転して、静謐なパートでの透明感もまた見事だし、カンタベリーに通じる叙情的な「歌」も心に響くし、何という表現力。チェンバー・ロックの大本命バンドによる、リスナーの期待をはるかに凌駕した大傑作!
90年代後半から活動し、シンフォ・ファン必聴の名作を数多く残しているキーボード奏者Corrado Sardella率いるグループ。2016年作9thアルバムで2枚組の一大コンセプト・アルバム。イ・プーのレッド(Bass)をはじめ、ヴォーカルとしてLA MASCHERA DI CERAのAlessandro CorvagliaやMANGALA VALLISのRoberto Tirantiが参加するなど、多数のゲストが参加して制作されており、これまで以上にダイナミズムに溢れたシンフォニック・ロック大作に仕上がっています。透明感あるトーン、温かくファンタスティックなトーン、激しくアグレッシヴなトーンを駆使し、ヴィンテージ・キーボードとピアノを操って幻想と現実を行き交うようなスケールの大きな音世界を描きだすセンスとテクニックは相変わらずの素晴らしさ。まるで往年のスティーヴ・ハケットをキーボードで再現するような、そんな伸び伸びと奏でられるドラマティックなキーボードのリードにも心躍ります。時にカンサスも彷彿させる「プログレ・ハード」なダイナミズムとフックあるメロディも魅力的。リリカルなギターや視界がパッと開けるような展開などはムーン・サファリも頭に浮かぶし、いや〜、これは良いアルバム。文句なしに最高傑作と言える大充実作です。
ジェネシス系イタリアン・シンフォの名バンドとして知られるMOONGARDENのギタリストとキーボーディストが結成したバンド。2016年作3rd。繊細なタッチの伸びやかなロングローンが魅力のギターときらびやかなトーンのムーグ・シンセが紡いでいく時にリリカルで時に緊張感を持ったメロディ。その上でたなびく幻想的なメロトロン。シアトリカルなヴォーカルとフックに富んだメロディ・ライン。そして、目の覚めるようなめくるめくファンタスティックかつダイナミックな展開。ドラマティックなシンフォニック・ロックのファンにはたまらないサウンドがこれでもかと続きます。さらに、しとやかなエレピ、クラシカルで格調高いピアノやクラシック・ギター、エモーショナルに歌い上げるヴォーカルなど、イタリアならではのサウンドのまばゆさ・艶やかさも特筆。ジェネシスへの憧憬がベースにありますが、イタリアらしさや、突き抜けるようにかっ飛ばすプログレ・ハード・テイストなどを織り込んだ多彩なサウンドにはオリジナリティがあります。1st、2ndもプログレ・ファンに大好評でしたが、本作にも間違いなく心奪われることでしょう。傑作です。
70年代志向のプログレ・サウンドを目指して01年に結成され、2012年にデビューしたイタリアの新鋭プログレ・バンド。2016年作2nd。ヴァイオリン奏者、キーボード奏者を含む5人組で、ジェントル・ジャイアントからの影響を地中海のたおやかさで包み込んだようなサウンドが持ち味。色彩感あるトーンのキーボード、チェンバー・ミュージック的な格調高いピアノ、繊細なタッチで紡がれるジャジー&リリカルなエレキ・ギター、ノスタルジックな香り漂うヴァイオリン、伸びやかでポップなヴォーカル&メロディが印象的です。ジャズ/フュージョンの香りが心地よい地中海ポップ・ロックの逸品!
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