2015年5月1日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: 日々是ロック
こんにちは、カケレコ店長の田中です。
事務所の窓から見えるのは、春らしいやわらかな青空とそこに美しく映える木々の緑。あぁ、iPod片手にお出かけしたい!
とはやる気持ちを抑えつつ、春の穏やかな陽気とともに本日もロック探求を楽しんでまいりたいと思います。
新鋭グループによる新譜に、新規リイシュー盤に、人気盤の再入荷に、ここ数日でたくさんのCDが入荷しております。その中から店長オススメ作品をセレクトしてご紹介いたしましょう。
まずは、入荷したての新譜を6枚ピックアップ~。
仏チェンバー・ロックの名グループSHUB NIGGURATHで活躍したギタリストFrank Fromyを中心に結成されたZEUL系ヘヴィ・プログレ・バンド、13年作2ndと同じメンバーで制作された2015年作3rd。
まるで鎌を振り下ろすように凶暴に刻まれるリズム・ギターからエコーに包まれたアルペジオ、そしてテンションみなぎるフリーキーなリードまで存在感抜群のギター、歪んだ音でウネリを上げるベース、極めつけは荘厳に鳴り響くメロトロン!
『太陽と戦慄』と『レッド』が好きで、ユニヴェル・ゼロも好きならこのサウンドはたまらないはず!
【関連記事】
マグマに魅せられたZEUHL(ズール)系の新旧作品をリリースするフランスのSOLEIL ZEHULレーベルのカタログから注目の作品をピックアップ。
MAGMA/ZEUHLサウンド影響下のフランスのマルチ・ミュージシャン、Francois Thollot率いるグループ。14年作3rd。
前作までのクリムゾン『レッド』的な荘厳さやヘヴィネスが、ギルガメッシュ~ナショナル・ヘルスに通じるジャズ・ロック・エッセンスに切り替わった感じで、終始、不穏でテンションいっぱいながら、全体的に有機的に紡がれたサウンドはさすがの完成度。
カンタベリー、ジャズ・ロック、チェンバー・ロックのファンは必聴の名作!
Fabio Zuffanti率いるFINISTERREやHOSTSONATENの管弦楽アレンジやキーボード演奏を担うFabioの右腕であり、その後、HOSTSONATENにメンバーとして加入、同時にヴィンテージな新鋭バンドLA COSCIENZA DI ZENOでも活躍するミュージシャンLuca Scherani中心に、Lucaの他はヴァイオリン/チェロ奏者3人+フルート奏者+ヴォーカリストで構成された別働プロジェクト、2015年のデビュー作。
アルバムのどこを切り取っても溢れだす「気品」と「詩情」。これぞイタリアの音楽。
元BIG BIG TRAINで、90年代半ばにはENIDのメンバーとしても活動したドラマーによる2015年ソロ・デビュー作。
これは現代のフィル・コリンズと言える才能!?
クリアな音像とともに、疾走感と幻想性がとめどなく押し寄せる「鮮烈」なシンフォニック・ロック傑作!
BIG BIG TRAINのヴォーカルSean Filkinsも全面参加!
英シンフォ新鋭の名グループMAGENTAの女性ヴォーカリストChristina Boothによる2015年作2ndソロ。
透明感とともにしっとりとした陰影もあって「美声」という形容がぴったりの歌声、そして、神秘性たっぷりなアンサンブル。
美しすぎる名品。
フラワー・キングスのリード・ヴォーカルの別働バンドによる15年作3rd。
クイーンや10cc風なポップ風味たっぷりで、シンフォニック&ハードなパワー・ポップと言えちゃう愛すべき名作っ!
ここからは注目の新規リイシュー盤を5枚ピックアップ~!
なんとドアーズや初期フロイドへの回答と言えるバンドが70年代はじめのフランスに居たとは!
ピンク・フロイドの「天の支配」をガレージ・パンク化したようなオープニング・ナンバーなんて必殺もの。
ずばりマハビシュヌ・オーケストラのファンは間違いなく「こんなバンドがフランスに居たのか!」と驚くはず!
フランスのジャズ/フュージョン・ロック・バンド、仏IPGより78年にリリースされた唯一作。
ここぞでまるでジェフ・ベックばりのトーンで炸裂するリード・ギターがカッコいい!
JASON CREST~ORANG-UTANのヴォーカリストがSAMUEL PRODYのギタリスト等と結成したグループ・・・し、渋い!
米憧憬の豪快さとイギリスならではの憂いがあって良い感じですよ~。
米アイオワ出身のドマイナーなバンドですが、ラズベリーズのファンはきっとグッときちゃうだろうし、英ニッチ・ポップのファンにも激レコメンド!
米中西部ミズーリ州はカンザスシティ出身のグループ、77年に自主制作されたデビュー作。
フォーク・ロックからスタートして、ツェッペリンやパープルの影響でハード・ロックに足を踏み入れた感じ!?
ヒンヤリしたシンセなど、プログレも取り入れちゃって、でも不思議とまとまりのある自主制作らしい愛すべき米ハード好盤。
再入荷した人気盤もピックアップしちゃいましょう。
長らく売り切れが続いていましたが、待望の再入荷!
スウェーデンのカイパに対するノルウェーからの回答と言える名グループによる渾身の13年作。
キャメル直系の叙情と北欧シンフォならではの手工芸品のような温かみが融合に涙。
ニューエイジ的な映像喚起的なセンスとシンフォニック・ロックとしてのダイナミズムがあわさったサウンドが実にユニーク。
ヴォーカルもメロディもすごく魅力的だし、「プログレ」にとどまらない可能性を秘めたなんとスペインの新鋭!
70年代から活動するスイスのシンフォニック・ロック・バンド、85年のデビュー作。
ジャケットから分かる通り、サウンドは、ジェネシス~マリリオンに通じるファンタスティックなプログレ。
旋律からにじみ出るハケットやバンクスへのひたむきな愛情が良いなぁ。
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
またお会いいたしましょう。
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昨日は220枚の中古CDを放出いたしました。
中古CDの在庫も充実中ですので、リストをチェック是非。
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MAGMA/ZEUHLサウンド影響下のフランスのマルチ・ミュージシャン、Francois Thollot率いるグループ。14年作3rd。1stと2ndは作曲とともにドラムを担当していたFrancoisですが、本作では、ベースとキーボード奏者としてのクレジットで、ドラム、ギター、サックスは、すべて新たなメンバーを起用し、新生カルテットとして制作されています。エレピによるミニマルなフレーズの反復、緊張感に満ちたサックスのリード、ここぞで炸裂するエレキによるフリーキーなフレーズなどが時に緻密に絡み合い、時にぶつかりあうチェンバー・ロックが印象的。前作までのクリムゾン『レッド』的な荘厳さやヘヴィネスが、ギルガメッシュ〜ナショナル・ヘルスに通じるジャズ・ロック・エッセンスに切り替わった感じ。終始、不穏でテンションいっぱいながら、全体的に有機的に紡がれたサウンドはさすがの完成度。カンタベリー、ジャズ・ロック、チェンバー・ロックのファンは必聴の名作です。
フラワー・キングスのリード・ヴォーカル&2ndギタリストとして知られるHasse Frobergが、フラワー・キングスが長期休養を取った08年に結成したグループ。2015年作の3rd。本家フラワー・キングスに通ずる優美なキーボードが彩る北欧シンフォニック・ロックを軸に、ヴィンテージなハード・ロック・センス、クイーン的なポップ・センスを散りばめたカラフルなメロディアス・ハードがこのバンドの魅力ですが、ポップな方向に洗練された印象で、Hasseらしいハートウォームさが全面に出ている印象。ファットな歪みのギター・リフにハモンドがからんでかっ飛ばすパートと、ファンタスティックにたなびく色彩豊かなトーンのキーボードをバックにハスキー&ウォームなヴォーカルがエモーショナルに歌い上げるパートとを行き交いつつ、クイーンというかジェリーフィッシュを彷彿させる多声コーラス・パートや10ccばりのドリーミーポップなパートなどを散りばめながら展開するオープニング・ナンバーからこれは素晴らしいです。ハードエッジになってもハートウォームさやドリーミーさは一貫してるし、アンサンブルも歌声も、どこを切り取ってもHasseならではの優美なメロディ・センスが溢れだすし、とってもとってもフックに富んでいます。シンフォニック&ハードなパワー・ポップと言える愛すべき名作です。
米中西部はアイオワ州のダベンポートで69年末に結成されたフォーク・ロック・バンド。76年のデビュー作に続く78年作2nd。オープニング・ナンバーから、ラズベリーズやトッド・ラングレンあたりを彷彿させる胸キュンなメロディと爽やかなハーモニー(後追いコーラスにグッとくる!)が最高!ラストもビートルズへのオマージュたっぷりで良い感じ!エッジの立ったパワー・ポップな2曲目も良いし、リズムは凝ってるけど弾けんばかりにポップな3曲目なんかトッド・ラングレンのファンは「おっ」となるはずだし、前作にも増してメロディに磨きがかかった佳曲ぞろい。ラズベリーズが好きなら、間違いなく愛聴盤になるでしょう!マイナーなバンドですが、オススメの好バンドです。
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