マザーズが制作していた同名映画のサントラとしてリリースされた69年作。即興ナンバーや同名映画からの抜粋音源が入り乱れる比較的玄人好みの内容ですが、ザッパを代表するジャジーな大作「KING KONG」はプログレ/ジャズ・ロック・ファン直撃の一曲!
60年代のザッパを代表する作品であり、米ジャズ・ロックの大名盤とも言える一枚。冒頭を飾るカンタベリー風味も薫る愛すべき逸曲「PEACHES EN LEGARIA」も捨てがたいですが、サックスとヴァイオリンによるどこを切ってもスリリングでカッコいい演奏が17分にわたって繰り広げられるジャズ・ロック大作をセレクト。
『HOT RATS』路線を押し進めた72年のビッグ・バンド・ジャズ・ロック作からは、タイトルナンバーをセレクト。冒頭の厚みのある豊潤なテーマ演奏から感動が押し寄せてきます。ロックの弾けるようなパワフルさとジャズのしなやかさや独特の渋みが見事なまでに溶け合った極上すぎる一曲!
前作『WAKA/JAWAKA』と兄弟作的関係とも言える72年作。思わずRTFが頭をよぎるテクニカル・フュージョン風のナンバーをどうぞ。後半、エインズレー・ダンバーのドラムとザッパのギターによる鬼気迫る攻防のカッコよさと言ったらありません!
前作『OVER-NITE SENSATION』に続き、比較的短めの歌もの路線が印象的な作品ですが、一際注目なのがジム・ゴードン、ジャック・ブルースを迎えたトリオ編成による表題曲。タイトなドラミングに乗って、「リードベース」とザッパのギターが火花を散らすのかと思いきや、意外と息のあったコンビネーションで進行する演奏がまたカッコいいんです。
次作『ONE SIZE FITS ALL』での主要メンバーによる名演が収められた74年リリースのライヴ作。黒人メンバーがもたらすファンク/R&B的エッセンスをザッパ本来の雑食的なセンスが取り込んだ、ヘンテコなのにテクニカルでファンキーに弾けたパフォーマンスが魅力の名ライヴ!
数あるプログレ系のザッパ作品の中でも1,2を争う完成度を誇る75年の大傑作。テクニカル変拍子ジャズ・ロックを基調に、怪しげなヴォーカル、ヘルシンキでのギターソロ名演を挟み、終盤に向けてのドラマティックな畳み掛けていくめくるめく展開が凄すぎる怪曲「INCA ROADS」はプログレファン必聴!
並みのギタリストならギターソロだけを編集した107分の作品なんてとても最後まで聴き通せませんが、そこはザッパ、何が飛び出すかわからない変幻自在(変態的?)なフレージングで聴く者の耳を釘付けにする怪盤に仕上げてしまいます。
69年発表、数多いザッパ作品群の中でもフュージョン色が濃いとも言われている、早すぎた混淆ロック・ミュージック。今、新作として出されても不思議ではないほど古臭さのないばかりかむしろあらゆる時間軸と地域の音楽が並列で聴ける現代にこそ雄弁に鳴り響く、真に創造的な唯一無二の音楽世界と言えるでしょう。本作はギタリストとしてのザッパの恐ろしく高い演奏技術にも注目。全編に渡って弾きまくっているザッパと、サックスとヴァイオリン。インタープレイの応酬が聴き手のテンションを最高潮までに引き上げます。華やかでキャッチーでスリリングそれでいて、聞きやすくもあるのが本作の特徴でしょうか。ZAPPAの鬼気迫る作曲能力と、演奏技術が同時に襲い掛かり、脳天に衝撃をうけるようですが、不思議と聴後には、異様な爽快感と共にカラフルな世界が目の前に広がるかの様。十二分にザZAPPAの魔法が込められた大傑作!