2018年9月27日 | カテゴリー:KAKERECO DISC GUIDE,世界のロック探求ナビ
タグ: ロック&ポップス
スタッフ増田です。今カケレコでイチ押しの新譜&リイシューをご紹介していくKAKERECO DISC GUIDE。
今回は今年めでたくリイシューが発売となった英国の「ひとりBEACH BOYS」、CHRIS RAINBOWによる79年3rd『WHITE TRAILS』をピックアップいたしましょう。
まずはじめに一曲どうぞ。
♪Don’t Take the Night Away
うーん、暖かくジェントルなヴォーカル、多重録音による繊細なコーラス、そして甘やかかつ天空に伸びていくかのようなメロディ・・・。まさに『PET SOUNDS』に入っていてもおかしくないロマンチックさ!
なおかつ洒脱なサックス、ジャジーなギターやエレピなど70年代後期AOR風の洗練味も加わっているのがまたオシャレ。ポップなのにクドくない、透き通ったサウンドに心洗われますね。
CHRIS RAINBOW(本名:Christopher James Harley)はスコットランド、グラスゴー生まれのシンガー兼プロデューサー。
75年~79年の間にリリースした3枚のソロ・アルバムの他、『EVE』をはじめとするALAN PARSONS PROJECT作品、また『シングル・ファクター』などのCAMEL作品にゲスト・ヴォーカルとして参加していることでも名が知られている人物です。
そんな彼のソロ作品の特徴は、ずばりBEACH BOYS直系のハーモニー・ポップ。彼のBEACH BOYSへの心酔ぶりは、前作2ndに収録されているブライアン・ウィルソンに捧げる歌「Dear Brian」からも明らかですね!
♪Dear Brian
そんなBEACH BOYSや西海岸ソフト・ロックへの愛情と憧憬をこれでもかと注ぎ込みつつも、やはり同時に英国らしい気品と繊細さが滲み出ているところが彼の魅力。
瑞々しくもどこかふんわりとした幻想性と浮遊感に包まれた音空間、エレピやサックスなどの洗練されたジャジーな音色。
BEACH BOYS直系の暖かみに彼ならではのファンタジックさが絡み合うポップ・サウンドは、一度入ったら抜け出せなくなりそうな心地よさです。
♪White Trails
そんな彼の最高傑作と名高いのが、ソロ最終作であるこの3rd『WHITE TRAILS』。
甘くポップな過去作の作風を引き継ぎつつ、AOR風味の洗練味とキレが増した芳醇なサウンド。さらにこの表題曲「White Trails」で聴けるトロピカルなラテン・テイストなど、彩り豊かなアレンジ・・・。
繊細に編み上げられた多重録音によるコーラスも美しく、これぞまさに「ポップ職人」と言うべき完成度。
BEACH BOYSのファンは勿論、英国ポップ・ファンやAORファン、そしてルベッツから山下達郎まで、男性ハーモニー・ポップが好きならマストと言える名盤です。
♪Ring Ring
では最後に、本作からシングル・カットされた瑞々しさいっぱいのポップ・ナンバー、「Ring Ring」のPVでお別れいたしましょう。
KAKERECO DISC GUIDE、次回もお楽しみに!
英スコットランドはグラスゴー出身、CAMELやALAN PARSONS PROJECT作品への参加でプログレ・ファンにもその名が知られる、英国屈指のポップ・クリエイターが79年にリリースした3rdにしてラスト・アルバム。英国の一人ビーチ・ボーイズとも云われるように、多重録音を駆使した多彩なコーラスと、抜けの良いポップなメロディセンスが持ち味で、アメリカ西海岸への憧れに満ちた青空のような爽やかさとほんのり漂う英国らしい気品高さを併せ持ったソングライティングは、ため息が出るほどにメロディアスで芳醇。そこに切なさも秘めた甘いヴォーカルと幾重にも折り重なる自在なコーラスワークが乗り、職人的とも言える完璧なポップ・サウンドが眼前に広がります。これはルベッツ、ファーストクラス、山下達郎などビーチ・ボーイズ直系ハーモニー・ポップのファンならきっと虜になってしまうサウンドでしょう。これぞ胸キュン必至の名盤!
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