2020年5月27日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
こんにちは。
スタッフ佐藤です。
新品CDをメインに直近で入荷した注目のタイトル、売れ筋の人気タイトルの中からスタッフおすすめの作品をピックアップするコーナー「日々是ロック」。
カケレコが厳選して入荷している世界のロック/プログレの新品CDを通して、魅惑の音楽探求をお楽しみください☆
先日、韓国BIG PINレーベルのリイシュー新譜が到着しました!今回はアメリカ、イギリス、ドイツ、オランダといろんな国の作品が揃っており、世界のロックをご紹介するカケレコとしては腕が鳴ります。
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そんな中で今日注目するのは、オランダのサイケ・ポップ・バンドによる70年のベスト・アルバム。何とモータウンのサブ・レーベルとして知られる米RARE EARTHから70年にリリースされた作品なんです。
オランダのポップ・グループが、あの名門RARE EARTHからリリースした70年ベスト盤!?煌びやかだけどしつこくない絶妙なアレンジ、素直で愛らしいメロディ、爽やかなコーラスワークなどが心地よく噛み合ったサウンドが何とも素敵です♪
それでは、「サイケ・ポップ」に注目して各国からオススメのアルバムをピックアップしてまいりましょう☆
まずイギリスからは、ドイツに渡り活躍したこのグループ!
THE GUN~T2で活躍したドラマーと言えば…Peter Duntonですが、彼がそれ以前に在籍したサイケ・グループは知ってるかな?ポップさはありながらも、どこか暗欝とした質感がなんとも独特のメロウ・サイケ盤。なるほどドイツで好まれそうなサウンド…。
アメリカからはこちら。メンバー全員がピエロメイクという謎のグループですが、サウンドは絶品!
70年代にはトッド・ラングレンのバックも務めたバンドの68年作。ピエロ集団による万華鏡のようなサイケ・ポップ作!
え、あの北欧を代表するギター名手テリエ・リピダルも昔はサイケ・ポップやってたの!? と驚くのがこの一枚!
67年のノルウェーにこれほどまでのサイケ・ポップ/アート・ロック傑作が生まれていたとは。あのテリエ・リピダルが在籍で、ジェフ・ベックばりに尖ったギターを炸裂させてるし、トラフィックや米BS&Tの1stに負けない素晴らしさ!
ソウルフルな歌唱で愛される「ポーランド・ロックの父」だって初期はサイケ・ポップ演ってました。
ポーランド・ロックの礎を築いた名シンガー/キーボーディストですね。このデビュー作、垢抜け具合はさすがに足りないもののIDLE RACEやTHE MOVEあたりも引き合いに出したいサイケ・ポップの逸品☆
もちろん東欧のロック大国ハンガリーにもいますよ、素晴らしきサイケ・ポップ・グループが!
ハンガリーのブロッサム・トウズ、はたまたプロコル・ハルム!?ファズ・ギターやオルガンによるサイケ・フレイヴァーと金管や弦楽器によるクラシカル・フレイヴァーとが合わさったサウンドはサイケ・ポップ・ファンは必聴。
こ、これは、知られざる60年代エストニアのシーンが垣間見れる貴重音源!
初期ゾンビーズ彷彿のグルーヴィーな60年代のサイケ・ポップ期、パブロック的軽快さと辺境らしい「いなたさ」が同居したサウンドを聴かせる70年代のポップ・ロック期、どっちも素晴らしい。哀愁たっぷりのエストニア語ヴォーカルに注目の貴重音源集!
どニッチな南米サイケ・ポップからは、このアルバムをオススメ♪
問題。ペルーのビートルズと言えば・・・はいっ!WE ALL TOGETHER!・・・ブブー。と言えば、WE ALL TOGETHERですが、そのメンバーが結成したアシッド・サイケ・ポップ・グループと言えば?
最後は中古から、南アフリカ産サイケ・ポップの名作をチョイスしちゃいましょう!
深いエコーに包まれたオルガンやフルートから浮かび上がる叙情的でエモーショナルなメロディ。演奏やメロディにはR&Bフィーリングが溢れ、ドリーミーな中にも骨太さがあります。60年代南アフリカ産サイケ・ポップの決定版と言ったらコレ!
いかがでしたか?
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英国出身、ドイツを拠点として活動していたサイケポップ・グループの未発表音源集。PLEASEの前身として知られるグループで、解散後リーダーのPETER DUNTONはPLEASE、GUN、T2と英国の重要グループを渡り歩くことになります。PLEASEと同傾向のアンダーグラウンド感満載のサイケデリック・サウンドながら、ドイツでの活動ということもあり、幻想的な雰囲気と共にどんよりとした暗欝さが全編で漂っているのが特徴。シリアスで憂いを含んだヴォーカル、引きずるようなリズム隊、叙情的な旋律を奏でるオルガン、暗いリフを刻むギターによるアンサンブルが、聴き手をトワイライトゾーンへと誘います。PLEASEへと引き継がれる哀愁のメロディも全編で楽しめます。GUN周辺アイテムとして重要な一枚、おすすめです。
ペルー出身、WE ALL TOGETHERやLAGHONIAのメンバーが結成したグループ。73年に録音された音源で、数枚のみがプレスされただけという幻の音源。WE ALL TOGHETHER直系の英国ものに通ずる甘くジェントルなメロディ&ビートリッシュなコーラス・ワークを基本に、サイケデリックかつ歌心溢れるファズ・ギターが絡む、ドリーミーなアシッド・サイケ・ポップ。ポップ・サイケのファン、WE ALL TOGHETHERのファンは必聴!
後にOMEGAに加わるドラマーFerenc Debreceniが在籍していたハンガリーのサイケ/オルガン・ポップ・バンド、71年の唯一作。さすがはOMEGAに引き抜かれるだけあって、ジャズの素養もありそうな手数多くタイトなFerencのドラムは特筆もの。そんなドラムを土台に、エッジの立ったシャープなファズ・ギター、むせぶハモンド・オルガン、エコーに包まれたコーラス・ワークが醸すサイケデリック風味、きらびやかな金管やストリングスやハープによるクラシック・フレイヴァーなどがめくるめくサウンドは、英国で言えばブロッサム・トウズやプロコル・ハルムにも通じていて実に魅力的。歌詞はハンガリー語ですが、あまり違和感はなく、東欧らしいエキゾズムもないため、英サイケ・ポップのファンは文句なしに楽しめるでしょう。ベースがゴリゴリと疾走し、ハモンドがうねる楽曲などは、初期イエスも彷彿させます。ほとんど売れることなく、アフリカ・ツアー(!)の後に解散したそうですが、実力十分の好グループによる好盤です。
北欧を代表するギタリスト、テリエ・リピダルがVANGUARDSの後に参加したグループ。北欧屈指のサイケ・ポップと評価される67年の唯一作。グルーヴィーなオルガン、ブルース〜ジャズを飲み込んだ表現力豊かなギター、ソウルフルなヴォーカル、渦巻くエコーや逆回転、というスタイルで、トラフィックやプロコル・ハルムに匹敵するアーシーなサイケ・ポップを展開。ジャジーで洗練された管弦楽アレンジも印象的で、アル・クーパーがブラッド・スウェット&ティアーズでやろうとしていたロックとジャズとの融合を先取りしたようなセンスを感じさせます。ゾンビーズ『オデッセイ&オラクル』のような幻想的なハーモニーも特筆。そしてやはり素晴らしいのが、テリエのギター。ファズ・ギターがアグレッシヴに牙をむくフリーキーなフレーズから流麗なタッチのジャジーなフレーズまで、ジェフ・ベックにも引けを取らない先鋭的なギターを聴かせています。67年のノルウェーにこれほどまでにアーティスティックなロック作品が生まれていたとは。英米の同年代のサイケ・ポップ/ロック名作にも負けない傑作。必聴です。
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