2020年1月7日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフ増田です。
ついに2020年が幕を開けましたね!とうとう1970年代から半世紀・・・時間の経過に驚きつつ、色褪せることを知らないロックの素晴らしさには感嘆するばかりです。
という事で2020年の幕開けを記念し、ちょうど50年前の1970年に生まれた名盤をざっと振り返ってみたいと思います。とにかく名盤が盛り沢山なので、本日は英国編をお届け!
69年に登場したクリムゾンの『宮殿』に続き、人々を震撼させたプログレ・アルバムと言えば『原子心母』。オーケストラを導入した23分の組曲や印象的なジャケによって、それまでのポピュラー・ミュージックとは異なるプログレッシヴ・ロックの芸術的な作品観を定着させた歴史的一枚です。
衝撃のデビュー作に続きリリースされた2nd。メンバーの大幅な交代を経て制作されつつ、その内容は前作に負けず劣らず。キース・ティペットのピアノやゴードン・ハスケルの素朴なヴォーカルなど、前作にないバリエーション豊かな表現も加わった名盤。
英国五大プログレに次ぐ重要グループのデビュー作!予測不可能の展開に目まぐるしい変拍子、偏屈なポップ・センス…。プログレ界屈指の超絶技巧集団として君臨していく彼らですが、本作では英国然とした叙情的なパートも多く含まれており聴きやすいです。
デビューといったらルネッサンスと並び英国女性ヴォーカル・プログレを代表するこちらのバンド(来日間近!)も!表現力豊かなヴォーカルの素晴らしさはもちろん、ロックにヴァイオリンを本格的に導入した初めてのグループでもあるんですよね。
69年がプログレ誕生の年なら、1970年はジャズ・ロック飛躍の年。それを代表するのが、英国ジャズ・ロックの代表作にして「カンタベリー・ロック」というジャンルを確立させたと言っても過言ではないこちらの名作!
カンタベリーといえば、名キーボーディストDave Stewartが率いたEGGが1970年にデビューしていますね。若き才気ほとばしるアグレッシヴなオルガン・プレイが堪能できる1st!
イアン・カー、クリス・スペディングらを擁する、こちらの英ジャズ・ロックの代表的バンドも70年にデビュー。ジャズの緊張感とロックのダイナミズムを掛け合わせ、英国叙情で包み込んだサウンドは、これぞブリティッシュ・ジャズ・ロック!
次はハード・ロックを見てみましょう。初期はサイケ/アート系バンドだったパープルがヴォーカリストのI.ギランを迎え、英ハード・ロック代名詞としての第一歩を踏み出した伝説の70年作!1曲目1音目からこの衝撃!これぞハード・ロック!
元祖ヘヴィ・メタルの筆頭、ブラック・サバスもこの年に登場。レイト60sのサイケデリック・ムーヴメント時から地下で渦巻くアングラ臭をプンプンさせながら、ツェッペリンも凌駕するスピード感で聴き手をなぎ倒すように突き進む!この映像、凄まじすぎ・・・。
69年の1st、2ndに続きリリースされたレッド・ツェッペリンの3rdアルバム。過去作に比べアコースティックな楽曲が多くを締め当時は賛否両論だったものの、ただハードなだけではないツェッペリンの多彩で複雑な音楽性がよく表れた名作ですね。
ハードロックの魅力の一つ、ツイン・リード・ギター。その元祖と言える彼らも1970年デビュー。この曲の後半が凄くって、大嵐がやってきたかのように荒れ狂うドラムに乗って、二人のギタリストがせめぎ合う興奮の展開にもう痺れっぱなし!
70年といえば、忘れちゃいけないのがVertigoレーベル産三大オルガン・ロック!まずはCRESSIDAのデビュー作。繊細なメロディ、哀愁たっぷりのオルガンのトーン。これぞ英国オルガン・ロックですよ。
キーフによるこれぞブリティッシュな香りムンムンのジャケがやばすぎですが、サウンドもまさにそのまま!淡いトーンのオルガン、ジャジーなフルート、陰影のある女性ヴォーカルがたまらないVertigo屈指の名作っ!
お花を全面にあしらった可憐なアートワークかと思いきや・・・ジャケを開くとしゃれこうべが登場してゾクッとする、という趣向。この一筋縄ではいかなさがVertigo流!
ついでに、オルガンやキーボードが大活躍するこちらの70年名盤もご紹介!実はこのバンド、各メンバーがBRAND X、ROXY MUSIC、GILLANなど名だたるバンドに加入することになる、言わば逆スーパー・バンドだったんですね。
まだまだ紹介し足りないですが、今回はこの辺で!
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ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1970年に発表されたセカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』は、デビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』の延長上に位置する作品となっています。『クリムゾン・キングの宮殿』発表後、ギタリストRobert Frippと作詞家Peter Sinfieldを除く3名が脱退を表明するも、諸事情によりGreg LakeとMichael Gilesは引き続き本作のレコーディングに参加。新たにKING CRIMSONに参加したのは、ピアニストKeith Tippett、管楽器奏者Mel Collins、ベーシストPeter Giles(Michael Gilesの実弟)、そしてヴォーカリストGorden Haskell。その結果、本作には8名ものミュージシャンの名前がクレジットされることになりました。音楽的にはデビュー・アルバムと同一線上で捉えることも可能ではありますが、例えばKeith Tippettのジャズ・ピアノをフィーチャーした「キャット・フード」、あるいは、ホルスト作曲の組曲「惑星(火星、戦争をもたらす者)」を思わせるリズムとカオティックなメロトロンが凄まじい相乗効果を生む「デヴィルズ・トライアングル」など、新たな試みも行われています。なお本作の後、Greg LakeはEMERSON, LAKE & PALMERとして再デビュー、そしてMichael GilesとPeter Gilesの兄弟はすでにKING CRIMSONを脱退していたIan McDonaldと共にMcDONALD AND GILESを結成します。
紙ジャケット仕様、24ビット・リマスター、カラーブックレット・歌詞対訳付仕様、日本盤のみピュア・ゴールドCD・エンボス紙仕様、定価2300+税
盤質:無傷/小傷
状態:並
帯無
帯無、カビあり
ロバート・フリップによる89年リマスター、ファミリーツリー付き仕様、定価2233+税
盤質:傷あり
状態:不良
帯無
帯無、カビあり
40TH ANNIVERSARY SERIES、デジパック仕様、スリップケース・ブックレット付仕様、CD+DVDオーディオの2枚組、ボーナストラック3曲、DVDはNTSC方式・リージョンフリー
盤質:無傷/小傷
状態:良好
HDCD、30TH ANNIVERSARY EDITION、デジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:良好
VERTIGOレーベル発のブリティッシュ・ロックを代表するグループの70年唯一作。KEEFの手によるジャケットアートがよく知られているその内容は、特徴的なハスキー・ボイスの持ち主であるフィンランド出身のLinda Hoyleをフューチャーしたジャズ・ロック寄りのブリティッシュ・ロックであり、ハモンド・オルガンの渋い弾き倒しを中心に英国然としたアンサンブルを聴かせます。また、バンド以外にもLED ZEPPELINのJohn Paul Jonesによりアレンジされたブラス・セクションのダイナミックな響きが大きくその存在感を示す楽曲など、当時のブリティッシュ・ロックならではのアプローチが素晴らしい傑作と言えるでしょう。
紙ジャケット仕様、ボーナス・トラック8曲、内袋付仕様、定価2600+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
内袋に若干黄ばみあり、帯に折れあり、紙ジャケに色褪せあり
後にSUN TREADERを経てBRAND Xへと加入することとなるPete Robinson、HARD STUFF、ROXY MUSICなどで活躍するJohn Gustafson、STRAPPS、GILLANへと参加するMick Underwoodによるキーボード・トリオ。Harvestレーベルからの70年作。その内容はハード・ロックを基本にクラシックやジャズなどの手法も使い分けるPete Robinsonのオルガンをメインに据えたヘヴィー・ロックの名作であり、オルガンのほかにピアノやハープシコードなどで巧みに表情を変え、楽曲によってはストリングスも導入したシンフォニック・ロック的な音楽性も聴かせます。
デジパック仕様、Peter Robinson自身による5.1 SURROUND SOUNDミックス音源を収録したDVDをプラスしたCD+DVDの2枚組、NTSC方式、リージョンフリー
直輸入盤(帯・解説付仕様)、ボーナス・トラック2曲、定価2884+税
盤質:無傷/小傷
状態:並
帯無
帯無、カビあり
ボーナス・トラック2曲、デジタル・リマスター
盤質:無傷/小傷
状態:良好
トレーに黄ばみあり、カタログにケースツメ跡あり
サイケデリック・ロック全盛期に登場しデビュー・アルバム『夜明けの口笛吹き』をリリースするも、中心メンバーのギタリストSyd Barrettが脱退。以降、ベーシストRoger Waters、ギタリストDave Gilmour、キーボーディストRick Wright、ドラマーNick Masonという布陣でブリティッシュ・ロック史に残る傑作を連発し、1996年には「ロックの殿堂」入りも果たした世界的なグループ。奥深いテーマに基づいたコンセプト・アルバムの数々は、現在に至るまで多くのミュージシャンたちに影響を与えて続けています。1970年に発表された4thアルバム『原子心母』は、ヒプノシスによる牛のカバー・アート、英単語の直訳をそのまま並べた個性的な邦題、そして、日本盤帯に書かれた「ピンク・フロイドの道はプログレッシヴ・ロックの道なり!」というキャッチ・コピーが広く知られた名盤です。やはり一番の聴きどころは、スコットランド出身の前衛作曲家Ron Geesinをオーケストラ・アレンジャーに迎えた23分のタイトル曲「Atom Heart Mother」でしょう。ブラス・セクションや混声合唱を贅沢に配置したサウンドが、プログレッシヴ・ロック時代の幕開けを宣言するかのように堂々と響きます。一方、Roger Waters作曲の「もしも」、Rick Wright作曲の「サマー’68」、Dave Gilmour作曲の「デブでよろよろの太陽」は、共通して美しいメロディーが印象的な小品。そして、アルバムの最後にはミュージック・コンクレートの手法を用いた「アランのサイケデリック・ブレックファスト」が控えます。なおグループは、本作で初めて全英初登場1位を獲得しました。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、解説元から無し、年表・歌詞対訳付仕様、定価2427+税
盤質:無傷/小傷
状態:不良
帯無
帯無、目立つカビ多めにあり
VERTIGOレーベル発のプログレッシブ・ロックを代表するグループの71年唯一作。メンバー編成すらクレジットされていないため長らく謎に包まれていたグループですが、その内容はCRESSIDAなどと並ぶ英国ロックの代表作であり、イギリスらしい重厚な質感を持ったブリティッシュ・ロックという趣です。ブルージーでハードに盛り上げながらもジェントリーな響きを持ったバンド・アンサンブルは英国然とした湿り気と翳りを内包させており、ギターやフルートの彩りを交えながらもそのバンド・アンサンブルを引っ張るのはアグレッシブに弾き倒しを見せつつ懐の深いプレイを聴かせるハモンド・オルガン。英国の芳醇な香りを放つ名盤です。
廃盤、紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、内袋付仕様、定価2039+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せあり、紙ジャケ側面部に色褪せあり
CARAVANと同じWILD FLOWERSを母体にRobert Wyattらによって結成されたグループであり、サイケデリック・ロックからその音楽性を変化させカンタベリー・ジャズ・ロックの代表的存在へと飛躍していったバンドによる70年3rd。Elton Deanに加えて、Nick Evans、Lyn Dobson、Rad Spail、Jimmy Hastingsという管弦奏者を充実させた8人体勢で録音された本作は、20分に迫る大曲4曲で聴かせる意欲作であり、初期のサイケデリック・ロックの音楽性を下地にしながらも、構築されたジャズ・ロック・アンサンブルと適度なアヴァンギャルド志向が融合した傑作です。
Steve Hillageも在籍していたバンドURIELを母体として発足、名キーボーディストDave Stewartが率いたイギリスのプログレバンドの70年デビュー作。その内容はキーボードトリオ編成による、Dave Stewartのプレイが大きくフューチャーされた個性的なオルガンロックを基本に、サイケデリックな質感を併せ持つアートロック作品となっています。実験的要素も強く出ていますが、複雑に練り上げられた楽曲群はやりすぎなほどの変拍子の嵐であり、音楽的なポテンシャルの高さはかなりのものです。後のNATINAL HEALTHやHATFIELD AND THE NORTHなどに通じるサウンドメイクも見られ、また、それらのバンドにはないDave Stewartのアグレッシブなプレイが堪能できる作品。4楽章からなる20分超えの大曲も収録したオルガンロックの傑作です。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、定価2095+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯無
帯無、紙ジャケに側面部に色褪せ・小さい角潰れあり
70年3rd。オープニングを飾る代表曲「移民の歌」から圧倒的なテンション。うねりを挙げるリズムとスリリングなギター・リフが互いのエネルギーをぶつけ合いながら強靱な渦を巻き起こし、聴き手を飲み込むサウンドの強度は圧巻の一言。シャウトだけで、その演奏に対抗するロバート・プラントのヴォーカルも凄みを増しています。対照的にアコースティックな旧B面も本作の魅力。フォーク、トラッドの要素を大胆に取り入れ、ペイジの幻想的なアコギが冴える美しい楽曲を多数収録しています。「混沌、まどろみ」という英国的な風情を醸し出すペダル・スティールの浮遊感も特筆。従来のブルースに根ざしたヘヴィ・ロックを土台に、メンバーの持つ幅広い素養が発揮されはじめた音楽性豊かな名作です。
ペーパーケース仕様、ジミー・ペイジによるデジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:良好
ペーパーケースにバーコードシール貼り付けあり
70年にVertigoレーベルよりリリースの2nd。グループを代表する「Paranoid」や人気ナンバー「War Pig」など、後のブリティッシュ・ヘヴィ・メタルへとつながる古典といえる名曲を多数収録した傑作。キーフによるジャケットも素晴らしい。
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