2018年11月17日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,今週のカケレコFacebook
こんにちは。早いものでもう11月も半分ですね。
今週は、「楽器演奏に女性メンバーを擁するバンドのアルバム」というテーマで、facebookに投稿してまいりました。
Facebookのフォロワーの方よりリクエストいただいたテーマです!
最初に取り上げるのは、超絶マリンバ奏者ルース・アンダーウッドを擁するフランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インヴェンションの75年作『One Size Fits All』です。
ザッパに「頭に水晶振動装置が内蔵されている」と言わしめるほどの正確無比な演奏で、夫イアン・アンダーウッドらと共に70年代のザッパを支えた名手が彼女。
ステージ上で電気楽器の轟音に負けないために、エレクトリック・マリンバなる楽器を開発し用いていたことでも知られます。
彼女の超絶マリンバを楽しむのに個人的におすすめしたいのが、本作の1曲目「Inca Roads」。
這い寄るように怪しく濃厚なアンサンブルの中で、凛々しくもミステリアスに鳴らされるマリンバは一際異彩を放ちます。一瞬ですが単独でリフを取ったりと存在感抜群。
さらにラストでのマリンバソロが強烈で、まさしく目にも留まらぬ速さで連打される超絶プレイには唖然となってしまうはず。
ロック(プログレ)にマリンバが使われているケースはわりとありますが、ここまで独創的かつカッコいいものはちょっと他に知りません。(佐藤)
今日はVELVET UNDERGROUNDの『WHITE LIGHT / WHITE HEAT』を取り上げます。
アンディ・ウォーホールの元を離れ、ニコも去り、バンドとしての真のデビュー作とも言える68年の作品です。
ルー・リードとジョン・ケイルの火花が散るような尖った演奏も素晴らしいのですが、女性ドラマー、モーリン・タッカーによる原始的なドラミングが非常に特徴的です。
彼女、バスドラを横にして、立ってボカスカ叩いてるんですよね。アフリカン・ドラムを勉強していたことに由来するそうです。
シンバルを使っていないので何だか木魚みたいな単純なビートとなり、そのミニマムさが不思議と心地よい響きを作り出しています。
特に、ノイジーで混沌とした17分の長尺曲「Sister Ray」、かっこよすぎです!(みなと)
本日はスコットランド出身のプログレ・バンド、BEGGARS OPERAによる71年作2nd『WATERS OF CHANGE』をご紹介。
クラシカルなオルガンと重厚なメロトロンのアンサンブルが非常にドラマチックな彼らの最高傑作に挙げられる名盤ですが、このメロトロンを奏でているのがバンドの紅一点、ヴァージニア・スコット嬢。
くすんだオルガンやハード・エッジなギター、叙情的で深みのあるヴォーカル。
そんな英国らしい哀愁漂うアンサンブルにこれでもかと流れ込んでくる、幽玄かつどこか緊迫したような雰囲気を孕んだメロトロン!
クリムゾン『宮殿』も彷彿とさせるその壮大な音色には、プログレ・ファンとして否が応でもゾクゾクさせられてしまいます。
ヴァージニアは本作で一旦グループを脱退するものの、74年作『SAGITTARY』で復帰。00年代の再々結成後もキーボーディストとして名を連ねるなど、バンドに無くてはならない存在として活躍しています。
ちなみに本作で彼女が使っていたメロトロンMk IIは、72年のイタリア・ツアーでかのPFMの手に渡ったそうです!(増田)
本日の女性ミュージシャンはFLEETWOOD MACで活躍するkey奏者兼ヴォーカリスト、クリスティン・マクヴィー。
作品はあえて彼女がFLEETWOOD MACに加入する前に参加していた英国ブルース・ロック・バンド、CHICKEN SHACKの68年デビュー作『40ブルース・フィンガース』をご紹介いたしましょう。
ご存知の通りジョン・マクヴィーと結婚して彼が在籍するFLEETWOOD MACに加入し、長きに渡って演奏&ソングライティングの両方でグループを支えた彼女。
しかし元々は美術講師を目指しており、後にCHICKEN SHACKを結成するスタン・ウェッブ&アンディ・シルベスターに偶然パブで出会って彼らに音楽の才能を見出されたとのこと。
鍵盤奏者として雇われた彼女ですがむしろ歌の方に並々ならぬ才を発揮し、彼女がメイン・ヴォーカルを取った69年のシングル「I’d Rather Go Blind」はバンド初の大ヒットを記録。さらには英国メロディメーカー誌の女性ヴォーカル賞にも69年&70年連続で輝いています。
とはいえ彼女の魅力はCHICKEN SHACKでもFLEETWOOD MACでもただのヴォーカリストではなく「鍵盤奏者」であったこと。
その為FLEETWOOD MACでは後に加入する女性ヴォーカリスト、スティ―ヴィー・ニックスの陰にやや隠れてしまっているきらいもありますが、自らがフロントに立つ事なくともバンドの支柱として働く彼女の姿は大変憧れるものがあります。
さて話をCHICKEN SHACKに戻すと…70年代に入ってからならまだしも、60年代のブルース・バンドなどで、メイン・ヴォーカル以外に女性がいるというのが(私が存じ上げないだけかもしれませんが)なかなか新鮮でした。
この68年の映像を観ても、ステージにオシャレな女性ミュージシャンがいるだけでかなり華やか!
メイン・ヴォーカルとして目立つ女性も素敵ですが、陰からバンドを支える女性も特有の色気があって実に魅力的ですよね。(増田)
最後にご紹介するのは、女性ギタリスト=エイプリル・ロートンを中心に、JHEのミッチ・ミッチェル、アイアン・バタフライのマイク・ピネラらが結成したハード・ロック・バンドRAMATAMの73年作『In April Came The Dawning Of The Red Suns』です!
この「Rainy Sunday Evening」。音源だけを聴けばおよそ女性が弾いているとは思えないであろう、最高にグルーヴィーでコシがあって超絶的にテクニカルなエイプリルのプレイには、きっと誰もが舌を巻いたことでしょう。
おまけにこの美貌と来れば引く手数多だったことだろうと思いきや、本作以降は目立った活動がないのに逆に驚き。
どうやら本作リリース後、70年代~80年代初頭までの間に引退してしまったそうですが、これだけ卓抜したプレイヤー、もっと活躍してほしかったものです…。(佐藤)
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67年作。
盤質:無傷/小傷
状態:良好
ケースは無色です
69年発表、数多いザッパ作品群の中でもフュージョン色が濃いとも言われている、早すぎた混淆ロック・ミュージック。今、新作として出されても不思議ではないほど古臭さのないばかりかむしろあらゆる時間軸と地域の音楽が並列で聴ける現代にこそ雄弁に鳴り響く、真に創造的な唯一無二の音楽世界と言えるでしょう。本作はギタリストとしてのザッパの恐ろしく高い演奏技術にも注目。全編に渡って弾きまくっているザッパと、サックスとヴァイオリン。インタープレイの応酬が聴き手のテンションを最高潮までに引き上げます。華やかでキャッチーでスリリングそれでいて、聞きやすくもあるのが本作の特徴でしょうか。ZAPPAの鬼気迫る作曲能力と、演奏技術が同時に襲い掛かり、脳天に衝撃をうけるようですが、不思議と聴後には、異様な爽快感と共にカラフルな世界が目の前に広がるかの様。十二分にザZAPPAの魔法が込められた大傑作!
紙ジャケット仕様、93年承認マスター、ファクトリーステッカー付仕様、定価2427+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
解説に小さい折れあり、帯に若干黄ばみあり
今でこそ大名盤と知られる本作ですが、発売当初はなんとビルボード171位が最高。Lou ReedとJohn Caleという希有な2人の才能がぶつかりあってできた時代の先を行きすぎた傑作。「Femme Fatale」や「I’ll Be Your Mirror」などNicoの歌唱も絶品。
紙ジャケット仕様、2枚組デラックス・エディション、SHM-CD、ボーナス紙ジャケット付き仕様、ブックレット付仕様、定価3619+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
若干カビあり
John Cale脱退後、新メンバーDoug Yuleが加入し制作された69年発表のメロディアスな3rdアルバムがこちら。John Cale脱退に伴い、より一層、Rou Leedの音楽性が開花した一枚。後のオルタナティヴ・ロックやギター・ポップの祖としても位置づけられる本作は、砂糖菓子のような甘いメロディとヨレヨレのファズ・ギター、オルガンのラフな音像がどこまでも耳に心地良い作品。前作「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート」の暴力性とPOPなメロディーが絶妙なバランスで両立した好作!
ペーパーケース仕様
盤質:無傷/小傷
状態:良好
若干圧痕・若干折れあり、スレあり
ヴァーティゴ・レーベルを代表するバンドの一つBEGGARS OPERAの初期作品4枚を、新規リマスターを施し、2枚組にまとめたアンソロジー。『ACT ONE』『WATERS OF CHANGE』『PATHFINDER』からの全曲に加え、4作目『GET YOUR DOG OFF ME』より一部の楽曲を収録。リマスター効果によりオルガン、ピアノ、ハープシコードなどの鍵盤サウンドに綺羅びやかさが増しており、このバンドの魅力である垢抜けなさとエレガンスさが絶妙に入り交じるサウンドがより活き活きと輝き出します。『ACT ONE』のみ、あるいは名作『PATHFINDER』のみしか聴いたことがないという方には、まさにうってつけのアンソロジー集となっています。
イギリスのプログレッシブ・ロックバンドの72年3rd。その内容はデビュー作からの流れを全て昇華し洗練させた彼らの代表作であり、ブリティッシュ・プログレッシブ・ロックの名盤です。クラシカルなオルガンとピアノ、ブルース・フィーリングをたっぷり含んだギター、無骨なリズムセクション、そして牧歌的な味わいを持ちながらも洗練されたメロディーラインでトータルに聴かせており、もちろんメロトロンなどの叙情的なサウンドも健在。Jimmy Webb作/Richard Harrisをオリジナルとする「MacArthur Park」の名カバーも収録した英国ロックの名盤です。
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