2016年12月15日 | カテゴリー:秀逸ジャケ調査委員会
『マッパ』とは真っ裸(まっぱだか)の略で、衣服を全く身につけていない全裸の状態を意味する。~日本語俗語辞書~
こんにちは、カケレコスタッフのユモトです。
ロック・ファンなら理解できるはずです。レコード店のレジに最も持っていきづらいレコード・CD1位はロキシー・ミュージックの「カントリー・ライフ」でしょう。たぶん……いや絶対そうです。
理由はもちろんジャケット写真。買うのは音に興味があるからで他意はないんですよ!と店員さんに言い訳をしたくなるというあれです。
ヌードのジャケットは本当にたくさんあります。
有名どころではブラインド・フェイスやスコーピオンズの作品、ヒプノシスのデザインしたジャケットのいくつかとか。有名アーチストのものではない、いわゆる「お色気ジャケ」も含めたらヌード・ジャケは数限りなくあるでしょう。
しかしながら、「アーチスト本人」のヌードをジャケットに使ったものはそうあるものではありません。
ヌード・ジャケは話題になるし目も引くしで商売的にはよろしいものの、アーチスト本人が率先して自分の『マッパ』をさらすことは稀。安易に裸になればアーチスト生命が危ない。断たれる。そもそも恥ずかしい。
でも、好き好んでかどうかはわかりませんが、堂々とご自身のヌードをさらしている秀逸なROCKマッパ・ジャケの名作はいくつかあります。
数も少ないので、たった5枚だけの独断ランキングを作成しました。
~第5位~
プリンスの88年作10枚目。全盛期の80年代に発表された彼の作品の中ではあまり売れなかったようですが、世界的に見れば歴史上もっとも売れた「マッパ・ジャケ」作品でしょう。
これをセクシーであるととらえるかどうかは好みの問題ですが、全盛期のメロウかつロックなサウンドは、四半世紀経った今聞き返してみても、全く古びたところを感じさせません。
~第4位~
ボブ・ディランとの共演やブラッド・スウェット・アンド・ティアーズで有名なアル・クーパーの76年作です。
あまり売れなかったようですが、彼が作ったゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズの全米No.1曲「恋のダイアモンド・リング」のセルフ・カバーが入っていたり、どの曲もグルーヴ感がすばらしかったりで、アルの作品のなかでも名盤と言ってよいのではないでしょうか。
でも、この写真、アイコラじゃん!体は女性。発売時のよくわからない邦題『倒錯の世界』はここから来たということですね。
~第3位~
ジョンとヨーコの「未完成作品第1番」いわゆる「トゥー・ヴァージンズ」です。
ふたりの全裸が写ったジャケットに入れられた即興演奏の問題作。サウンドの内容も全くコマーシャルではないし、そしてなんといってもこのジャケでは、レコード会社や小売店の販売拒否にあって当然です。
結局、このようなカバーのケースや袋に入れられて流通とあいなりましたが、まあアートだから良しとしますか。でもアティテュードは極めてROCK!です。
~第2位~
内田裕也氏が率いたバンド「フラワーズ」の唯一のアルバム。
世界ROCK探訪を経て、身も心もどんどんROCKになっていった内田裕也が「和製ジャニス」と呼ばれた麻生レミを誘い、満を持して結成した伝説のバンドです。
収録されているオリジナル曲は1曲のみで、他はジャニス・ジョプリンやジミ・ヘンドリクス、クリーム等洋楽のカバーなど。それでも、サイケデリックな演奏に乗る麻生レミのソウルフルでファンキーなボーカルはすばらしく、当時まったく売れなかったこのアルバムが、今では日本のロックの名盤として認知されているのは彼女の功績でしょう。
ジャケット・コンセプトを考えてメンバー全員を脱がせた内田裕也の功績も、もちろん大です。
~第1位~
フラワーズから発展的に結成されたジョー山中在籍の「フラワー・トラベリン・バンド」70年デビュー作です。
いや、ほんと、なんてすばらしいジャケットなんでしょうか。疾走感あるなあ。できるものなら私もやってみたい。原付免許しかありませんが。
フラワーズの作品と同様、1曲以外全編洋楽カヴァーを収録。後にカナダでブレークしたり、アメリカのアトランティック・レコードと契約したりと、プロデューサー内田裕也の思惑通りのムーヴメントが起こったものの、道半ばで袂を分かつことになってしまったのは惜しいことです。
ジョー山中は2011年に亡くなってしまいましたが、フラワー・トラベリン・バンドは現在も活動を続けています。
イギリスのパンク、ニュー・ウェイヴ・バンド「ティアドロップ・エクスプローズ」の元フロントマンであるジュリアン・コープは、日本のロックの研究家としても有名ですが、彼が2007年に出版した日本のロックの歴史研究本「JAPROCKSAMPLER: How the Post-war Japanese Blew Their Minds on Rock ‘n’ Roll」の表紙を堂々と飾ったのもこの作品でした。
私的とは言え、アーチスト自身の「マッパ・ジャケ」の1位と2位が内田裕也プロデュース作品とは。ユーヤさんはやっぱりROCK!
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