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【ユーロ・レーベル探求 第六回】NUMERO UNOレーベル~イタリア一番(NUMERO UNO)の師匠と門下生たち

【第六回】「イタリア一番(NUMERO UNO)の師匠と門下生たち」

寄稿:ike333さん

私が最初に聴いたユーロロックのアルバムは、中学時先輩から聴かされたP.F.Mの「CELEBRATION」に衝撃を受け、どのアルバムに含まれているか分からず買った当時の最新盤『CHOCOLATE KINGS』(1975)で、愛聴盤です。

このLPは、伊国内では、1970年前後にLucio Battisti のもと設立されたRCA傘下のNUMERO UNO (NU)からのリリースでした。まさに私にとってのNo.1のレーベルです。このレーベルからは、Battisti師匠のバックをしばしば努めていたミュージシャン(門下生)達が作品を多数発表していますよね。私も当時からずっと追いかけ続けている人たちです(謝:キングレコード)。

では以下に簡単に記していきたいと思います。

Lucio Battisti

RICORDI時代の、P.F.M、FORMULA 3を構成するミュージシャン達が参加した画期的なアルバム『AMORE E NON AMORE』(1971)が有名ですが、本当はデビューアルバムから「MARCELLA」等多くの人にカバーされる名曲を多数発表し続けています。

NUから発表した作品としては、移籍第一弾の『UMANAMENTE UOMO:IL SOGNO』(1972)が外せません。「SOGNANDO E RISOGNANDO」や、Bruno Lauzi(伝統的イタリアン音楽をやるSSWでNUから多数アルバムを発表)も歌っている「E PENSO A TE」などの超名曲が収録されています。

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同作の路線を引き継いだ穏やかな『IL MIO CANTO LIBERO』(1972)、土着的リズムなども取り入れた『IL NOSTRO CARO ANGELO』(1973)を経て、熱い息吹とVOLO的キーボードの音がプログレ耳にとても心地よい凝った造り(音だけでなくレコード袋までジャケと統一)の大傑作『ANIMA LATINA』(1974)に至ります。



その後、少し初期歌モノに回帰した『LA BATTERIA IL CONTRABASSO ECCETRA』(1976)、『IO TU NOI TUTTI』(1977)を経て、ファッショナブルな『UNO DONNA PER AMICO』(1978)を発表。冒頭曲は当時からの愛聴曲です。



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ファッショナブル路線を突き進む『UNA GIORNATA UGGIOSA』(1980)を経て、今度は『E GIA』(1982)でデジタル音路線に変更。この路線では『DON GIOVANNI』(1986)が、楽曲もよく一番好きです。Battistiの相変わらずの歌声・良いメロディとエレサウンドとのアンバランスさが絶妙(微妙?)。その後も亡くなるまでエレクトロニクス・ポップ路線でした。



Premiata Forneria Marconi

何を今さらのP.F.Mもデビュー盤『STORIA DI UN MINUTO』(1971)からNUよりリリース。一家に一枚的大傑作『PHOTOS OF GHOSTS』(1973)の元は『PER UN AMICO』(1972)、外せません。



そして、変化自在の傑作『WORLD BECAME THE WORLD』/『L’ISOLA DI NIENTE』(1974)、米国での『LIVE』(1974)を経てタイトなロックの傑作『CHOCO…』をリリース。




Mauro Paganiが脱退後、自分らのZOOレーベルを設立してジャズロックの傑作『JET LAG』(1977)を発表しました。『SUONARE SUONARE』(1980)でNUに戻り、80年代前半、『COME TI VA IN RIVA ALLA CITTA』(1981)等時代に合わせたポップロック路線の作品をNUから発表しつづけました。


ACQUA FRAGILE

『CHOCO…』でダイナミックなビブラートボーカルを聴かせてくれたB.Lanzettiが在籍していたため興味持ち中学時に探しまくり、たまたまユーロロックのレコード鑑賞会(当時そういう催し物があったのです)に居た人から1作目『ACQUA FRAGILE』(1973)のカセットテープを入手、テクニカルであるものの、英語の歌とオルガンが印象的な爽やかなアルバムだったので意外であった記憶があります。

その後、2作目『MASS MEDIA STARS』(1974)は米盤でしたが入手でき、ラスト曲の「COFFEE SONG」のあまりの爽やかさに何度も聞き惚れました。

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FORMULA 3

NUの歴史はトレの初シングル「QUESTO FOLLE SENTIMENTO』(1970)で始まり、トレと共にあったと言えるのではないでしょうか。1stアルバム『DIES IRAE』(1970)はキャッチーな伊語の歌等を怒濤のヘビー・サイケ・ロックとして演奏。AB面でパート1,2と続く傑作シングル「LA FOLLE CORSA」(1971)等を経て、3作目『SOGNANDO E RISOGNANDO』(1973)はドラマチックなプログレ作品です。この辺りまではBattistiの曲を中心に演奏しています。


4作目『LA GRANDE CASA』(1974)は自ら作曲(詩はMogol)した曲のみで構成しており、プログレと伊語の歌が素敵にマッチした最高作です。これを最後に一旦解散しますが、1990年に(たぶん)NUで、活動を再開しました

Alberto Radius

AREA結成前のD.Stratos、P.DjivasやV.Tempera、F.DiCioccio (P.F.M)らが参加しているセッション風初ソロ『RADIUS』(1971)をNUからリリースしています。全体的にトレの初期を思わせるような重たく引きずるようなサウンドで、A.Radiusのギターが格好良いです。Stratosが歌うブルースや、ハードロック、インプロビゼーション、ジャズロックなど様々な音楽が飛び出てきますが、名盤だと思います。

IL VOLO

やはり「何を今さら」かもしれませんが、トレ解散後、A.Radius (g)、G.Lorenzi (key)は、V.Tempera、元CAMALEONTIのM.Lavezzi、そして、Battistiのアルバムにしばしば参加しているリズム隊G.Dall’Aglio、B.Careloとともにツインキーボード、ツインギターのスーパーグループを結成しました。1作目『IL VOLO』(1974)はトレの4作目の様な歌と名前のとおり飛翔するような素晴らしい演奏がマッチしたスリリングな大傑作です。『ESSERE E NON ESSERE』(1974)は演奏主体となりましたが、同様に飛翔できる大傑作です。


Toni Esposito

Alan Sorrentiの初期作品、Opus Avantraの『INTROSPEZIONE』(1974)等や、Battistiの『ANIMA LATINA』にも参加している売れっ子パーカッショニストです。NUからの最初のリリースは『ROSSO NAPOLETANO』(1974)。穏やかな地中海沿いの森の中を彷徨っているような印象を受けるアルバムです。その後もNUから、より地中海的でジャズロックの輪郭がはっきりした『PROCESIONE SUL MARE』(1976)といった素敵なアルバムを発表しています。


Oscar Prudente

Battistiとも親交が深い様で、『IL SOGNO』にも参加したことのあるSSWです。FONIT/NUという変則的な位置づけでDELIRIUMのIvano Fossati (vo,fl)と組んだDELIRIUMの1作目的な歌ものアルバム『POCO PRIMA DELL’AURARO』(1972)を発表していますが、暖かい歌やフルートリードの素晴らしいインスト曲2曲が含まれており、とても素晴らしい作品です。

その後もNUから同様にFossatiの協力を得て『INFINITE FORTUNE』(1974)を発表しています。思い入れたっぷりのメロディをダイナミックな演奏をバックに明るく歌う名作です。

Ivan Graziani

Battisitの『LA BATTERIA…』でギターを弾いていますが、彼は、優しげな少し高い声質のロック系SSWです。『BALLATA PER 4 STAGIONI』(1976)は、変化に富んだ優れた楽曲多いプログレ風の好盤です。NUからの第二弾『I LUPI』(1977)も、Grazianiのアコギが印象的な同傾向のアップテンポの格好良い曲、ドラマチックな曲など多様な曲が収録されている名作だと思います。その後もタイトなポップロックの豚ジャケ『PIGRO』(1978)、同傾向の『AGNESE DOLCE AGNESE』(1979)等をNUから発表し続けました。




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NUMERO UNOレーベル

BATTISTIファミリーで固められた伊歌物プログレの宝庫、NUMERO UNOレーベル!

LUCIO BATTISTI

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カンタゥトーレ界、伊プログレ界のみならず、イタリア音楽界の重要人物として知られる名ミュージシャン、72年作より。これぞイタリア!と言いたい切々とした叙情的なヴォーカル&ピアノが静かに胸を打つ名曲です。

LUCIO BATTISTI

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78年作より。80年代を目前にした時期らしいカラフルなシンセ・サウンドに彩られたポップな一曲。同時期の米AORにも通じる軽快さとイタリアンな節回しが絶妙にミックスされているのが見事です。

PREMIATA FORNERIA MARCONI

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言わずと知れたイタリアン・ロックの雄、本国での72年2ndより。世界デビュー作『PHOTOS OF GHOST』収録ヴァージョンにはダイナミズムでこそ譲るものの、イタリア語でしか表現しえない詩情に満ち満ちたこちらもやはり名曲。

ACQUA FRAGILE

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P.F.Mの弟分的なバンドとも言える彼らの73年デビュー作。イタリアのバンド特有の濃厚さとは無縁の、抜けるような爽快感を感じさせる楽曲が非常に魅力的です。英語詞で歌うランゼッティは後にP.F.Mに加入。

FORMULA 3

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伊歌物プログレの名バンドによる74年作。A.ラディウスのアコギ独奏に導かれアンサンブルが一斉に動き出す、あまりに劇的なオープニングが素晴らしいナンバーです。後のIL VOLOに繋がる洗練さも見え隠れします。

ARBERTO RADIUS

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A.ラディウスの71年1stソロより。ラディウスによるサイケデリックに暴れるギターは、同時期の初期FORMULA 3を思わせるサウンド。AREA以前のD.ストラトスの参加など、聴きどころも多数。

IL VOLO

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伊プログレ界きってのスーパー・グループとして知られるジャズ・ロック・バンド、74年デビュー作。軽やかに躍動するアンサンブルと繊細なタッチとによって描き出される儚くも気高さに満ちた伊プログレ史上の名作です。

TONI ESPOSITO

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OPUS AVANTRAやBATTISTIと共演するパーカッショニストによる74年作より。さすが打楽器奏者が主役なだけあり、リズムが前面に出た軽快なジャズ・ロックを展開。

OSCAR PRUDENTE

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BATTISTI他、プログレ・ファンには馴染みの深いDELIRIUMのメンバーとも共演するカンタゥトーレの74年作。サイケなギターやそこに絡むフルート吹き荒ぶシンセなど、熱量の高い演奏が楽しめる一曲です。

IVAN GRAZIANI

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若干ハスキーな高音ヴォーカルが心地良いカンタゥトーレによる77年作。爽やかなアコギと叙情味溢れるピアノにたおやかかつ伸びの良い歌声が響き渡る一曲。この曲だけでも並々ならぬ音楽センスをもつミュージシャンであることがわかります。

関連カテゴリー

NUMERO UNOレーベル在庫一覧

  • PFM / PHOTOS OF GHOSTS

    「イタリアン・ロック」の存在を全世界に知らしめた衝撃の73年ワールドデビュー作!

    QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの73年3rd。本作はまさにそのMANTICOREからの世界リリース作となった、ヨーロピアン・ロック屈指の1枚であり、Pete Sinfieldが英語詞を担当した傑作です。先にイタリアでリリースされていた2nd「Per Un Amico」の再録音と、デビュー作「Storia Di Un Minuto」より1曲、そして前2作には未収録の新曲1曲で構成されており、イタリアらしいバロック色とダイナミックなロックを融合した奇跡的なサウンドを提示。テクニカルな変拍子と呼応する凄まじい叙情の嵐は唯一無二のものです。

  • PFM / L’ISOLA DI NIENTE

    名作『甦る世界』のイタリア語バージョン、74年発表

    QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの74年4th。バロックを強く意識したクラシカルな前作から、プログレッシブな魅力はそのままに、よりポピュラリティーを持ったサウンドを提示した傑作であり、前作同様、イタリアのシンフォニック・ロックを代表する1枚となっています。本作は、イタリア語盤。シンフィールド作詞の「Is My Face On Straight」以外はイタリア語詞。英語版収録の「World Became The World」は収録されていません。

  • PFM / STORIA DI UN MINUTO

    71年リリース、イタリア本国でのデビュー作、イタリアらしい芸術的な感性が発揮された傑作!

    QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの71年デビュー作。イタリア盤としてリリースとなった本作はイタリアン・シンフォニック・ロックの職人気質の極地といった趣の傑作。当時のブリティッシュ・ロックフィールドのアーティストたちと比べてもその技巧は抜きん出ており、クラシカルに、丹念に編みこまれたアンサンブルの妙技に酔いしれるばかりの名盤です。

  • PFM / CHOCOLATE KINGS

    75年作、スリリングかつダイナミックなアンサンブルが楽しめる、プログレッシヴ・ロック然とした名作

    QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの75年作。ACQUA FRAGILEからBernardo Lanzettiを迎えて製作されたその内容は、それまでの彼らの個性であったクラシカルな側面が落ち着きを見せ、よりロックのダイナミズムを押し出した作風へとシフトした良盤であり、星条旗に包まれたチョコレートが印象的な英語盤ジャケットからも分かるとおり、アメリカの音楽産業を意識した明快でパワフルなサウンドが素晴らしい傑作となっています。

  • PFM / WORLD BECAME THE WORLD

    『幻の映像』に続く世界進出第2弾、74年作

    QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの74年4th。AREAのPatrick Djivasを新ベーシストとして迎えた世界リリース2作目であり、イタリア盤も製作された名盤。前作が旧作からの再録音を中心にしていただけに、PFMの真価が問われることになった本作は、バロックを強く意識したクラシカルな前作から、プログレッシブな魅力はそのままに、よりポピュラリティーを持ったサウンドを提示した傑作であり、前作同様、イタリアのシンフォニック・ロックを代表する1枚となっています。

  • FORMULA 3 / LA GRANDE CASA

    これぞイタリアン・ロック!芳醇な歌心と哀愁に満ちた名作、73年のラスト・アルバム、泣けます。

    現行イタリアン・ポップスの礎を築いたLucio Battistiのバック・バンドとしてその歩みを始め、彼のプロデュースでデビュー。サイケデリックな質感を残したへヴィー・ロック・サウンドを放ち、シンフォニック・ロック、メロディアスなボーカルを中心にした普遍的ロックの境地へとシフトして行ったグループの74年4th。MogolのプロデュースでLucio Battistiが直接関わっていない本作は、前作での路線変更により急成長を遂げた彼らの代表作として名高い名盤。前作よりもプログレッシブ・ロック然としたサウンドが後退した代わりにポップでメロディアスなボーカルナンバーが充実し、とにかくどこまでも溢れ出るイタリア叙情に心震える傑作となっています。

  • IL VOLO / IL VOLO

    イタリアン・ロック界きってのスーパーグループ、74年1st、歌心溢れるジャズ・ロックの傑作!

    イタリアを代表するプログレッシブ・ロックバンドFORMULA TREのAlberto RadiusとGabriele Lorenziを中心に、現在もシーンで活躍するスタジオ・ミュージシャンを加え結成されたグループの74年デビュー作。その内容は、イタリア叙情を感じさせる絶品なメロディーを持ちながらもツイン・ギター、ツイン・キーボード編成で迫るテクニカルなプログレッシブ・ロックであり、荒々しいヘヴィー・プログレッシブな音像と、ジャズ・フュージョンの滑らかなサウンド、そしてイタリア然としたフォークタッチを絶妙なバランスでブレンドした名盤です。イタリアン・ロックのボーカル曲としても、プログレッシブ・ロックとしても一級品の傑作。

  • ACQUA FRAGILE / ACQUA FRAGILE

    叙情性溢れるメロディと緻密なアンサンブルが魅力の伊シンフォ・グループ、73年1st

    後にP.F.M.へと参加することとなるボーカリストBernardo Lanzettiを擁したイタリアのシンフォニック・ロックバンドの73年デビュー作。P.F.M.との共同プロデュースで製作された本作はGENESISやGENTLE GIANTからの影響を色濃く感じさせるきらびやかなシンフォニック・ロックであり、ワールドワイドを狙ったものなのか、イタリアの国民性はあまり感じさせず英国的に聴かせる珍しいタイプと言えます。加えて、イタリアン・ロックのへヴィーさを隠しアコースティックな感性に溢れている点も個性的。しかしやはりそのメロディー・メイクのセンスと凄まじい技巧にはイタリア的な叙情と気質が顔を覗かせており、P.F.M.が関わることも納得の作品です。

  • LUCIO BATTISTI / UMANAMENTE UOMO: IL SOGNO

    イタリアを代表するカンタウトーレ、72年作5th、アルベルト・ラディウス/トニー・チコ/マリオ・ラヴェッツィらが参加

    イタリアを代表するカンタウトーレ、PFMなどでお馴染みのNumero Unoレーベルの設立者としても知られるルチオ・バッティスティが72年に発表した傑作。Numero Unoの記念すべき第一弾レコードでもあります。アコースティック・ギター、ピアノによるシンプルな引き語りの上に紡がれる叙情的なメロディーがとにかく美しく、弦楽器による叙情的なアレンジも曲を一層感動的に引き立てます。全編通して素晴らしい名曲ばかりですが、特に「I Giardini Di Marzo」「E Penso A Te」はイタリアン・ロックを代表するといっても過言ではない名曲です。

  • ALBERTO RADIUS / RADIUS

    元FORMULA 3〜IL VOLOの中心人物、72年の1stソロ作

    フォルムラ・トレ在籍時の72年に制作された1stソロ。バックは、トレのメンバーやデメトリオ・ストラトス等アレアのメンバーが参加しており、破壊的なアンサンブルによりラディウスのヘヴィなギターが何倍にも光っています。傑作。

  • LUCIO BATTISTI / ANIMA LATINA

    イタリアを代表する不世出のカンタウトーレ、74年リリースの大名作!

    イタリアを代表するカンタウトーレ、74年作。ラテン的なリズムを取り入れているものの、緩むことなく張りつめた空気感はこの人ならでは。各楽器から発せられる細かな空気の振動までも伝わってきそうな繊細なアンサンブルが聴き所。

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