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「音楽歳時記」 第八十六回 3月・ひな祭りは過ぎたが女性アーティスト特集 文・深民淳




3月16日の東北地方を中心とした地震で被災された方にお見舞い申し上げます。先週、3.11から11年とTVニュース等で大きく取り上げられていた直後のことで、明けて17日の被害状況映像を見るにつけ心穏やかではいられません。ライフライン、鉄道網などの1日でも早い復旧を祈ります。首都圏エリアは最大で震度4だったようですが、停電が発生したエリアも多く、首都圏インフラの脆弱性を露呈した形になりましたが、もう行政頼みでは無理なような気がします。ひとりひとりの防災対策をしっかりと立てていかないといけない時代のように思います。

なんでこんなことを書くかといえば、CDやアナログ・レコードはひとつひとつの重量は大したことはないのですがそれが棚一杯になれば、その重量による危険度はCD棚だったらブロック塀の倒壊、LPレコードの棚だったら石垣が崩れるのに匹敵する被害が家の中で起きてしまうわけですから。考えておかないといけない時期に来ているように思います。カケレコのオフィスは大丈夫なのか? 何を大げさなとおっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが、実際に都市部で発生した阪神淡路大震災の時に倒れて来た本棚やLPレコードの下敷きになって亡くなられたり大怪我を負った方がいたわけですから、ミュージック・コレクターにとっては人ごとではないと思いますよ。


さて、ひな祭りは過ぎてしまいましたが、今回は女性シンガー特集で行こうかと思います。先月のことですが長い間探していた70年代に活躍したアメリカの女性アーティストが2000年代になってから発表したアルバムを遂に見つけることができ、ずっと聴いてみたいなぁ、と思ってはいたものの、旬の時期から30年近く経過した後に発表された作品故、聴いてがっかりってこともあるだろうと危惧していたわけですが、これが「あぁ、やっぱりこの人、才能あるなぁ」と納得させる充実作だったこともあり、最近は女性アーティストものを聴き込んでいます。と言うわけで今月は遅れて来たひな祭りで行かせていただきます。事の発端となった女性アーティストとその作品は後半で紹介します。


それではまず血統のよろしいところから行きましょう。エイミー・ヘルム、そしてその母、リビー・タイタスから。ちなみに父は苗字からも想像がつくかと思います。The Bandのドラマー、レヴォン・ヘルムです。レヴォン・ヘルムに関しては今更ここで書かなくてもご存知のことと思いますので割愛。女性シンガー祭りということで母、リビー・タイタスの方からたぐっていきましょう。

リビー・タイタスはソロ・シンガーとして1968年キャピトルがディストリビュートしていたマイナー・レーベル、The Hot Biscuit Disc Companyから『Libby Titus』でデビュー。この人、コンポーザーとしても良い曲残しているんですが、このデビュー作は当時流行っていたフォーク系、ポップス系楽曲をストリングスをバックに歌い上げるという、ちょっと安直なつくりのアルバムで今聴き直すとこのレトロ感が良かったりするんですけども、当時はほとんど話題にならず。その後は60年代末に出会ったレヴォン・ヘルムと暮らすようになり、音楽活動は開店休業状態だったわけですが、ヘルムとの生活に隙間風が入り始めた1977年に2ndアルバム『Libby Titus』(1stと同タイトルでややこしい)をコロンビア・レーベルからリリース。折からのシンガー・ソングライター・ブーム、盛り上がりを見せていたAORブームの波に乗り日本盤も発売されそこそこのヒットを記録します。このアルバムのすごいところはプロデューサー陣。4人のプロデューサーがアルバム制作に関わっているのですが、フィル・ラモーン、ポール・サイモン、The Bandのロビー・ロバートソン、カーリー・サイモンと豪華版。バック陣も当時のイースト・コースト、トップクラスのセッションメンが起用され、この頃はまだセッション中心の活動を展開していたトニー・レヴィンも3曲参加しています。

アナログA面に当たる前半は彼女とアル・クーパー、カーリー・サイモン、ハース・マルティネス、エリック・カッズの共作によるオリジナル中心、アナログB面の後半は主にカーリー・サイモンが楽曲提供・プロデュースを担当した二段構えの作りになっています。大変豪華なプロデューサー陣や楽曲を共作しているアーティストとの関連からもわかるようにリビー・タイタス、今で言うところのインフルエンサー的存在だったようですね。

そのヴォーカル・スタイルですが、声に特徴があります。低音系でも高音系でもなく、シャウター・タイプでもエモーショナル・タイプでもなく、ましてやウィスパー系でもないのですが音程が常に微妙。ナチュラルにビブラートがかかっているような声で、総じて淡々とした歌いっぷりなのですが独特のねっとり感を感じる不思議な声質を持っています。ソロ・アルバムとしては68年と77年の2作品を残しただけなのですが、その個性的なヴォーカル・スタイルに惹かれるリスナーが多いのでしょう、ここ日本でも紙ジャケット、廉価盤など形を変え何度も再発されています。



 
リビー・タイタスの名前は知っていても聴いたことない方でも多分知っていると思われるのが、エリック・カッズとの共作曲「Love Has No Pride」。77年版『Libby Titus』にも収録されていますが、この曲を一躍有名にしたのはリンダ・ロンシュタット。1973年発表の『Don’t Cry Now』で取り上げヒットさせ、ライヴのレパートリーにも入っていたことで広く認知されるに至った背景があります。その他、ボニー・レイットが1972年発表の2ndアルバム『Give It Up』で、リタ・クーリッジが1974年の『Fall Into Spring』でカヴァー。もう一人の共作者エリック・カッズも彼を中心に結成されたAmerican Flyerの1st『American Flyer』(1976年)に収録されています。

Love Has No Pride(Linda Ronstadt)

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Love Has No Pride(Libby Titus)

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70年代末にはバート・バカラックとの共作曲が映画『Together』(1979年:どんな映画だったか全く思い出せませんがジャケットに写っているのはジャクリーン・ビセットだわね。ちなみにメインテーマの「I Don’t Need You Anymore」はジャッキー・ディシャノンが歌っておりサントラながらなかなか唆られる内容になっております)のサントラに「In Tune」が採用され、同じく1979年発表の『Woman』には「Riverboat」と「I Live In The Woods」が採用。「In Tune」と「Riverboat」は本人歌唱、「I Live In The Woods」はカーリー・サイモンが歌っております。

また1993年にはSteely Danのドナルド・フェイゲンと結婚。フェイゲンの『Kamakiriad』(1993年)収録の「Florida Room」でも共作者として名を連ねています。


そんな母を待つエイミー・ヘルム、大きな眼は母親譲りですが、全体の印象は父親似。音楽スタイルも母のAOR系体質ではなく父、レヴォン・ヘルムのアメリカーナ体質を受け継いでおります。1970年12月3日生まれの彼女のレコード・デビューは彼女が10歳の時、1980年に発表された『In Harmony – A Sesame Street Record』。マペットたちが登場する人気子供番組に人気アーティストが提供した楽曲を集めたコンピレーション・アルバムでDoobie Brothers、ジェームズ・テイラー、ベット・ミドラー、カーリー・サイモン、リンダ・ロンシュタット、アル・ジャロウ、Seawindのポーリン・ウィルソンとジョージ・ベンソンのデュオなど錚々たるメンバーに加え番組からアーニーとクッキー・モンスターが参加しています。

エイミー・ヘルムはこの中で母、リビー・タイタスがドクター・ジョンとデュオを組んで提供した「The Sailor & The Mermaid」の中の子供の声役でデビューを飾っています。

20歳代の90年代にはリビー・タイタスがドナルド・フェイゲンと結婚したこともあり、『Kamakiriad』にバックヴォーカルで参加したり、父ヘルムのバンド、彼が所有していたヘルム・スタジオ(父の死後、エイミーがスタジオ・オーナーに就任。因みにレヴォン・ヘルム存命時にはヘルム・スタジオでレコーディングする場合に限り、別料金でレヴォン・ヘルムをセッション・ドラマーとして雇うことも可能というオプションがあり、実は本気でアメリカにレコーディングに行こうかと考えたことがあります。レヴォン・ヘルムのドラムで・・・今考えるとやっておけばよかった)での活動を経て、2000年代に入るとNYベースのオルタナ・カントリー系バンドOllabelleに参加します。Ollabelleやヘルムのバンドでの活動と並行してセッション・ヴォーカリストしての活動も行っており、Mercury Rev、ベン・シドラン、リンダ・トンプソン、アーレン・ロス、トレイシー・ボーナムらの作品に参加した他、短期間ながらロジャー・ウォーターズのUSツアーにもバック・ヴォーカリストとして参加しています。

ソロ・アーティストとしてのデビューは遅く、2015年。レヴォン・ヘルムが亡くなったのが2012年4月のことですから、ソロになったのはその後のこととなります。ソロ第1作『Don’t It Rain』はレヴォン・ヘルム の娘がソロ・デビューということでネットを中心に結構話題になっていました。

スタジオ・アルバムは2021年までに3作発表していますが、個人的にはこの1stアルバム『Don’t It Rain』が好きです。ジャケット写真がまず良いですよ! 間違いなくあの父の娘って顔してますもの。アートワークの折れシワはわざとつけたもので、この辺にもThe Bandのレヴォン・ヘルムの娘ならではの拘りを感じます。

サウンドはストレートこの上ないオーセンティックなアメリカン・ロックでカントリーにカテゴライズしてもおかしくない作りなんですが、熱量高く、初期のボニー・レイットあたりが好きな方には気に入ってもらえると思います。

声質は決して声量豊かではないのですが、ストレートで通りの良い声にわずかにしゃがれたトーンが混じっており、聴く者を惹きつける魅力を十分に持ち合わせています。母の変化球タイプとは正反対の直球派の潔さが気持ち良いですね。

Don’t It Rain

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エイミー・ヘルムと似たようなバックグラウンドを持った女性シンガーを考えるとベッカ・ブラムレットが思い浮かびます。Dleaney & Bonnie、デラニー・ブラムレット、ボニー・ブラムレットの娘です。1968年生まれですからエイミー・ヘルムの2歳年上になります。1994年にジョー・コッカーとのデュエット・アルバム『テイク・ミー・ホーム』、1997年にBekka & Billy名義のデュオ・アルバム、2002年にソロ・アルバムを出していますがほとんど話題にならずに終わりました。ソロ・キャリア面ではあまり成果を挙げていないベッカ・ブラムレットですがバッキング・ヴォーカリストとしては70年代一世を風靡したローズマリー・バトラー並みの活躍を見せています。ベリンダ・カーライル、フェイス・ヒルのアルバムには単品参加ではなく専任バック・ヴォーカル扱いで連続した複数アルバムに参加していますし、特にカントリー・ミュージック方面では引っ張りだこで80年、90年代の大物アーティストの作品に数多く参加しています。

とはいえ、バック・ヴォーカルでは話を進められないわけでして、じゃぁ、この人にフォーカスが当たったのはいつだったというと1995年。スティーヴィー・ニックス不参加で再起動しちゃったFleetwood Macに参加しています。アルバム『Time』。Macの歴史においてはどちらかというとなかったことになっちゃっている作品で、ニックスの代わりがベッカ・ブラムレット、リンジー・バッキンガムの代わりが前作から引き続きメンバーとして残ったビリー・バーネットと話題作りも含めたサプライズ人事のデイヴ・メイソンという布陣で制作されました。

1990年発表の『Behind The Mask』発表後のスティーヴィー・ニックス脱退を受けMacは活動休止状態となります。ミック・フリートウッドはこの状況を受け、80年代に稼働していたソロ・プロジェクト、MIck Fleetwood’s Zooを新メンバーで再稼働。バンド名もThe Zooに改め活動を展開しますが、この時ヴォーカルとして迎えられたのがベッカ・ブラムレットでした。The Zooへの貢献度からMac本体のヴォーカリストに昇格となったわけです。

しかしながらアルバム制作の中心は1975年以降のフロント・トライアングルで唯一バンドに残っていたクリスティン・マクヴィー。彼女を中心に据え、そこにブラムレット、バーネット、メイソンが乗っかるという構図が見て取れる作品でした。大体においてマクヴィーは自作曲は自分でプロデュースして他のメンバーに手出しさせないという異様な制作状況からもこのアルバム制作がメンバー間の妥協の上に成り立っていたことを表していたと思います。

サウンド的にもマクヴィーのテイストは残されているものの、バッキンガム、ニックスのそれぞれアクの強い楽曲が抜け落ちたせいもあり、従来のMacのイメージは大きく変化。ニックス代理のベッカ・ブラムレットは「Winds Of Change」、「Nothing Without You」、「Dreamin’ The Dream」等でヴォーカルを担当。「Winds Of Change」以外は自作曲で「Nothing〜」は父、デラニー・ブラムレットとの共作なのですが、そのヴォーカル・スタイルはポップ・カントリー寄りのもので従来のMacらしさはほとんど感じられません。

じゃぁ、ベッカ・ブラムレットがこのアルバムに残した貢献というのはなんだったのかといえば、従来のMacのヴォーカル・ハーモニー・スタイルを大きく変えた点ではないかと思う次第。

バッキンガム&ニックス参加後のMacは当時クリスタル・サウンドとか称されていましたが、バック・ヴォーカル処理は包み込むようなミスティなムードを持ったもので、このスタイルはボブ・ウェルチ在籍時の『Bare Trees』から綿々と受け継がれてきたものだったのですが、この『Time』におけるバック・ヴォーカル処理は当時のポップ・シーンのトレンドに則ったアップ・トゥ・デイト・タイプのものでそれはまさに当時のポップ・シーンの大物アーティストがベッカ・ブラムレットに求めたものそのものだったと思うのです。

バッキンガム&ニックス期のMacサウンドを期待すると思い切り肩透かしを喰らいますが、90年代のポップ寄りのロック・アルバムとしてはかなり良く出来ていると思います。Macの他のアルバムより出現率は低いでしょうけど、カケレコで出たら多分、500円以下でしょう。覚えていたら是非ついで買いお願いします。

Nothing Without You

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さて話の枕に戻ります。探していたアルバムはウェンディ・ウォルドマンが2007年に発表した『My Time In The Desert』今回手に入れるまで現物見たことがありませんでした。こんなアートワークです。こういうアートワークだということが記憶になかったら間違いなくスルーしていたと思います。まるでアメリカのローカル・バンドのブルース系ロック・アルバムのアートワークみたいですよね。


ウェンディ・ウォルドマンは1950年LA生まれ。50年代から60年代半ばにかけ放映された「弁護士ペリー・メイスン」のテーマ音楽等を手がけた作曲家フレッド・シュタイナーを父に持ち、1969年にケン・ウォルドマンと結婚したの意を機にウェンディ・ウォルドマンと名乗るようになったそうです。カーラ・ボノフ、アンドリュー・ゴールドらも在籍していたBryndle参加を経て1973年にワーナーから『Love Has Got Me』でデヴュー。初期のヴィジュアルはモジャモジャの髪とローラ・ニーロをさらに厳つくしたみたいなルックスなんですが、そのルックスとコロコロ転がるようなリズミカルな歌い方とキュートな声質のギャップが印象的でした。

注目されるきっかけとなったのは同じワーナーからデビューしたマリア・マルダーの1stアルバムに「Vaudeville Man」、「Mad Mad Me」の2曲が採用されたこと。同アルバムに収録された「Midnight At The Oasis」が大ヒットしたこともあり、一躍時の人となったマリア・マルダーのアルバムに楽曲が採用され、特にアルバムの最後に置かれた不穏なムードのラヴ・ソング「Mad Mad Me」(因みにその不穏なムードを醸し出した弓弾きのダブル・ベースはジャズ界の巨匠となるデイヴ・ホランド)は「Midnight At The Oasis」と並びファンから支持を集めた楽曲となったことも追い風となりウェンディにも注目が集まります。

1974年発表で「Mad Mad Me」の本人ヴァージョンも収録した2ndアルバム『Gypsy Symphony』は彼女の初期を代表する作品であると同時に70年代のアメリカの女性シンガーに興味がある方は一度は聴いておきたい秀作。ローラ・ニーロ、ジョニ・ミッチェルのアーティスティックな感性とリンダ・ロンシュタットの持つタレント性を兼ね備えた才媛ぶりが眩しい作品です。

Mad Mad Me

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ワーナーもその辺に期待したのでしょう、折からのシンガー・ソングライター・ブーム路線に乗せるべくポップ方面へ舵を切らせようとしますが、元々が屈折度の強いフォーク体質を持ったアーティストなので、レーベルの思惑通りの作品にはならず、アートワークも時代に合わせようとして逆に滑った感がある1975年発表の『Wendy Waldman』では若干の停滞を見せるも、顔のアップ写真が一瞬カーリー・サイモンみたいに見えるアートワークの包まれた1976年発表『Main Refrain』ではデフォルトのフォーク体質とレーベルが求めるポップ路線のピンポイントの落とし所を突き成功を収めます。

この時期のワーナーはウェンディの才能を買っていたと思います。リンダ・ロンシュタットがスーパースターの階段を着実に登り始め、同じワーナーで同時期デビューだったボニー・レイットがロック路線で成功を掴もうという段階に入っていた時期だったことも影響したのでしょう、ウェンディにもさらなるプレッシャーがかかります。『Main Refrain』に続く1978年発表の『Strange Company』はワーナー時代の作品の中では最もポップでロック度の高いアルバムとなりました。ゴシップ新聞のフロントページを模した艶やかな姿で映るモノクロ写真のジャケットを見ると『Gypsy Symphony』の頃と比べると随分遠くに来たような気がします。

メロディ、アレンジもよく練られ、きっちり作り込まれた作品ですが、どこか屈折した音楽性は受け継がれ、ひねりの効いた曲想は健在。レーベルの求めるイメージとウェンディ自身の譲れない部分をギリギリのところで擦り合わせたサウンドの完成度は高かったのですが、商業的には成功を収めるには至らず、アルバム発表の翌年にはワーナーを離れることになります。

80年代に入るとコンポーザーとしての活動がメインとなり、アルバムは1982年にエピックからエディ・クレーマーと組んで、バックにマーク・ゴールデンバーグを配したこれもロック度高めのアルバム『Which Way To Main Street』を発表。1987年にはセルフプロデュースで『Letters Home』を発表しています。

Discogsを見ると1997年に『Environments 16 – City Of Dreams』という作品がリリースされたとあるのですが、残念ながらこれはこれまで一度もお目にかかったことがありません。

というわけで2007年発表の『My Time In The Desert』に繋がるのですが、発売当時のレビューで初期の音楽性に戻ったようなサウンドと評されていたのと、ヴァネッサ・ウイリアムスが歌い大ヒットとなり、グラミー賞にもノミネートされた「Save The Best For Last」の本人歌唱ヴァージョンが収録されているのを知りずっと聴いてみたいと思っていたのですが、結果、これ大変良かったですね。昔読んだレビューにある通り、初期のサウンドに先祖帰りしたかのようなオーセンティックなフォーク体質の復活と、多感なティーンエイジャー期が60年代サイケデリア真っ只中だったアーティスト特有のほんのりと香るサイケデリックの煙のにおい、ポジティヴではあるのだけれども、ほんの少しだけ陰りと憂いが感じられる曲想、アーティストの拘りを強く感じさせる決してストレートに曲を終わらせないひねりを加えた曲作りの妙。派手さはないのですがベテランらしい地に足のついた堂々とした作品堪能させてもらいました。

本人歌唱による名曲「Save The Best For Last」もアコースティック・ギター主体のミニマム・アレンジ・ヴァージョンで沁みました。

Save The Best For Last

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