2020年2月12日 | カテゴリー:ライヴ・レポート,世界のロック探求ナビ
タグ: ブリティッシュ・ロックプログレ
こんにちは。スタッフ増田です。
2月8日&9日にクラブチッタ川崎にて行われたカーヴド・エア来日公演。その1日目を観てまいりました!
結成50周年という記念すべき節目であり、2009年以来11年ぶりの来日となる彼女たち。今回のメンバーは以下の通り。
バンドの要である紅一点のソーニャ、08年の再始動直後からバンドを支えるクリス・ハリスやロバート・ノートンはお馴染みですが、今回の目玉は何と言っても73年の『AIR CUT』に貢献した名ギタリスト、カービー・グレゴリー氏の初来日。彼は再始動後の2013~16年にCURVED AIRに復帰。自身のプロジェクトのため一時期バンドを離れていましたが、昨年から再びラインナップに加わっています。
さらにヴァイオリン奏者も昨年から新たなメンバーを迎えているほか、今回はスペシャルゲストとして『AIR CUT』に参加、後にはCARAVANでも活躍したベーシストのマイク・ウェッジウッドも登壇!新メンバーと往年を支えたメンバーが混ざり合った、実にワクワク感のある面子を引き連れてきてくれました。
紫色の照明に照らされる中、登場する楽器陣たち。まず最初に披露されたのは、最新作である14年のアルバム『NORTH STAR』収録のインストゥルメンタル・ナンバー「Spider」。エッジの効いたギターとキレ味鋭いヴァイオリンがスリリングに絡み合う様はまるでマハヴィシュヌ・オーケストラを見ているかのよう!?で、会場のテンションは一気に高まります。
曲が終わると、いよいよソーニャが登場。披露されたのは2nd『SECOND ALBUM』より「Young Mother」!マイクに向かうやいなや、会場中に響き渡るあの妖艶な歌声、そしてものすごい声量!「これぞCURVED AIRだあ!」と、いきなり興奮と充足感に包まれます。
続いての曲は1st『AIR CONDITIONING』より「Screw」。優雅なヴァイオリンをたっぷりとフィーチャーした幻想的なナンバーですが、このヴァイオリンの音が良いのなんの!バンド・アンサンブルに乗って、美しく伸び広がっていく生ヴァイオリンの音色・・・。今回の公演中何度も思ったことですが、「バンドにヴァイオリンが入っているって本当にいいなあ」としみじみ感じました。
「次はダリル・ウェイと私が日本の為に作った曲よ」とソーニャによるMCの後、昨年発売のアンソロジー『CURVED AIR FAMILY ALBUM』にも収録された「Ichiban Girl」を披露。ちょっぴり和風な優しいメロディと美麗なヴォーカルに心和ませられます。
そしてここからお待ちかね『AIR CUT』の完全再現!「1曲目は何だったかしら」とソーニャが客席に尋ねると、お客さんが「Purple Speed Queen!」と応答し、会場は大盛り上がり。マイルドかつ歯切れのよいギター・リフは勿論、ダイナミックなキーボード・ソロからのギター・ソロもノリノリで、カービーの衰え知らずのプレイが冴え渡ります。
続いてはソーニャがアコギを爪弾き、お伽噺のようなメルヘンなナンバー「Elfin Boy」を披露。ハード・ロッキンな前曲から一転して会場が神秘的な空気に包まれますが、この表情の豊かさも彼女たちCURVED AIRの魅力ですよね。
続いてはあのピアノのイントロから、名曲「Metamorphosis」!残念なことに前半、ソーニャが歌の入りをミスしてしまうという事故が。しかしkey奏者ロバート・ノートンによるピアノ・ソロ・パートに入ると、ロック・コンサートとは思えぬほどの荘厳さに会場が惹き込まれていきます。後半ではソーニャもしっかりとミスを取り返し、抜群のクライマックスへ。少し悔いも残りましたが、ソーニャは「明日もあるから来てね」と明るく振舞っていました。
そしてここでついにマイク・ウェッジウッドが登場!「World」で楽しそうにアコギを弾き鳴らした後、ダイナミックなインスト「Armin」にてベースに移動。先程までのクリス・ハリスと同じベースを使っていたのですが、「どっしり&テクニカル」といったプレイはクリスのそれとはまた違っていて、まさに貫禄でした。
続く「UHF」の後、自身作曲の「Two Three Two」ではマイクがヴォーカルを披露!これがかなり若々しくてビックリ。白髪の長髪を結わえた容姿からは想像つかないエネルギッシュな歌声と、体を大きく動かす楽しそうなプレイがとても印象的でした。アルバムのラストを飾る荘厳なナンバー「Easy」でもソーニャとマイクのツイン・ヴォーカルが堪能でき、かなり満足。
最後は再び1stより「It Happened Today」を披露し、大充実の第一部は幕を閉じます。
英国ロックの歴史に燦然と輝くグループ。22年ぶりとなる08年ニュー・アルバム奇跡のリリース。妖艶なる歌姫ソーニャ・クリスティーナと天才ヴァイオリニスト「ダリル・ウェイ」を中心とした3人のオリジナル・メンバーによってあの名曲が今ここに甦る、究極のリ・レコーディング・アルバム。
RENAISSANCEと共に、女性ボーカルがフロントを務めるプログレッシブ・ロックバンドの代表格であり、紅一点Sonja Kristinaのパワフルな歌声とDarryl Wayのヴァイオリンをクラシカル且つソフトなサイケデリアで包んだイギリスのグループによる72年3rd。グループの名曲「マリー・アントワネット」や「オーバー・アンド・アバーブ」を収録した最高傑作と名高い本作は、これまでのCURVED AIRの集大成といえるバラエティーに富んだ作風となっており、Sonja Kristinaの魅力が詰まったメロディアスな楽曲からFrancis Monkmanの趣向を感じる実験色、Darryl Wayのクラシカルな彩りが渾然一体となって迫る名盤です。本作を最後にグループは事実上解散し、Darryl Way、Francis Monkman不在のまま後に再編されます。
デジパック仕様、CD+DVDの2枚組、ボーナス・トラック3曲、DVDはNTSC方式、リージョンフリー、定価3600+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
女性ボーカリストSonja Kristina、名ヴァイオリン奏者Darryl Wayを擁したイギリスのプログレ・バンド、74年のイギリス公演を収録した75年ライブ作。その内容は彼らの代表曲が贅沢に並べられた、プログレ史に残る名ライブ盤となっています。スタジオ作では非常に繊細で丁寧に音を紡いでいくグループであり、スタジオバンドのような印象のある彼らですが、本ライブ盤で聴けるのはSonja Kristinaのヒステリックなほどにパワフルな歌声、Darryl Wayの鋭い切れ味とドライブ感のあるヴァイオリン、そしてバンド陣全体の一糸乱れぬテクニカルなプレイの応酬です。やはりスタジオ作とのギャップに驚いてしまいますが、ワイルドで骨のあるバンドの本来の姿が記録された名盤と言えます。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!