2012年7月2日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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こんにちは、カケハシ・レコードの佐藤です。
本日もカケレコ一押しの新作/中古をご紹介してまいります。
それでは新譜からまいりましょう。スウェーデン産の新鋭プログレ・バンド、LUGUNOROの12年デビュー作『ANNORSTADES』をご紹介いたします。
え?これが12年作のはずないって?
確かに72年作だと言われても信じてしまいそうな埃っぽいヴィンテージ・サウンドですが、これ、紛れもなく12年デビューの新鋭バンドの音なんですよね。
ヘヴィーなギター・リフとそこに絡みつくヴィンテージ・オルガン、怪しげにうごめくベース、躍動感たっぷりに弾けるドラムらが、時に引きずるように重たく、時にファンタジックに軽やかに変幻自在の演奏を繰り広げる、プログレ・ファンなら心躍らさずにはいられない展開満載のハードタッチのプログレッシヴ・ロックを聴かせてくれます。
近年の北欧プログレ界におけるヴィンテージ志向が、ついにここまでの音を生み出したのだから大したものです。何というか音だけじゃなく、70年代の作品に漂うざらついた空気感までも見事に再現してしまっているのが驚きですよね。
デビュー作にしてここまでのサウンドを作り上げたLUGNOROですが、次作もアッと驚くような作品を用意してくれることを期待したいですね。それだけのポテンシャルを本作からは感じます。
さて、では今回の中古棚探索は、ヴィンテージをキーワードに行ってみたいと思います。
まずは、
・・・ガサゴソ・・・
おっ、ここでイタリアからヴィンテージ・プログレ代表としてやってきたのは、LA TORRE DELL’ALCHIMISTAの01年発表の1stです。
こちらもLUGNOROに負けない見事なオルガンさばきを聴かせてくれてますよね。70年代イタリアン・ロックの遺伝子を最も濃く受け継ぐバンドの一つだということが一聴してわかります。イタリアン・ロックの必須アイテムであるフルートも全編にフィーチャーされているし、いかにもイタリアという濃厚なヴォーカルも堪能できる、まさにイタリアン・ロック好きのための一枚となっています。
さてお次は、
・・・ガサゴソ・・・
やはりヴィンテージ・プログレと言えば、このバンドを抜きには語れないでしょうか。スウェーデンを代表するヴィンテージ・ロック・バンド(?)BLACK BONZOの04年デビュー作をピック・アップ。
冒頭の揺らめくシンセ音からもうすでに気分はあの時代へと飛ばされてしまいます。派手になるオルガンがもう微笑ましいくらいにユーライア・ヒープって感じなんですが、楽曲構成も巧みだし演奏にもかなり迫力があって、単なる懐古趣味的なバンドとは明らかに異なる質感を持っています。
まずこの手のバンドで、国内盤が毎作出てるという事実がすでにバンドの実力を物語っているとも言えますよね。日本人好みの音ということも多少はあると思いますが。
なお、先頃惜しくも解散してしまったBLACK BONZOですが、そのうちのメンバー3人によって結成された新バンドGIN LADYも入荷しておりますので、そちらにも是非ご注目くださいませ!
ご視聴はこちらからどうぞ↓
http://kakereco.com/cd.php?id=65583
というわけでヴィンテージ・プログレをテーマにお送りしましたが、全てのバンドに共通なのが、いずれもオルガンが大活躍しているということ。やはりオルガンの音色というのはあの時代を象徴するサウンドだったんだなと、つくづく感じたのでした。
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