2018年9月18日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ増田です。
9月18日は誰もが知る伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスの命日。
「エレキギターの可能性をすべて引き出した」と言われるほどのセンスとテクニックを持ち、激しく燃え盛る炎のように27歳という若さで生涯を閉じた彼。
ブルースやR&Bを土台としつつも、ファズやワウなどエフェクターを使用したラウドで斬新なギター・プレイ、非凡な作曲センス、クールかつソウルフルな歌声・・・そんな彼のサウンドに影響を受けたミュージシャンは数知れず。
今でも世界各国でフォロワーを生んでいるほど、他に類のない革命的なプレイ・スタイルを確立したのがジミヘンというギタリストでした。
(余談ですが、かくいうスタッフ増田もアマチュアとはいえ一介のエレキギター弾き、ジミヘンに憧れてカールコード(シールド)とワウ・ペダルを購入し、「ヘイ・ジョー」や「パープル・ヘイズ」を練習したものでした・・・彼のフレーズは弾きながら歌うのも難しいんですよね)
という訳で今日は彼の命日にちなみ、「ジミヘン・フォロワー特集」をお送りいたします。世界各地に散らばったジミヘンの魂を受け継ぐ男たちのギター・プレイを、どうぞお楽しみ下さい!
まずは英国ジミヘン・フォロワーの代表格、ロビン・トロワー。
初期プロコル・ハルムに在籍するも、70年にドイツで共演したジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスに感銘を受け、ジミヘン直系のヘヴィ・ブルース・サウンドを志すようになった彼。
でもその中に、プロコル・ハルムに通ずる繊細な哀愁が滲み出ているのが特徴的ですね!
次はジミヘン・フォロワーの筆頭と言えるギタリスト、フランク・マリノ率いるカナダのグループMAHOGANY RUSH。
なんでもマリノは元々ギターをまったく弾けなかったのに、70年のジミヘン死去の直後から急に体が軽くなり、いつの間にか超絶的なフレーズを弾けるようになっていた・・・なんて逸話もあるそうですね。
本76年4thでもジミヘンが乗り移ったようなヴォーカル&ギター・プレイを聴かせつつ、スペーシーかつファンキーに洗練されたアレンジに仕上げていて新鮮です。
もしジミヘンが70年代後半に生きていたら、こんな音楽をやっていたかもしれない・・・と思わせるものがあります。
同じくカナダからジミヘン直系ギタリスト、Walter Rossi率いるCHARLEEをご紹介。
ヘヴィかつ軽快に動くギターはジミヘン・ライクですが、こちらはそれよりもハード・ロック的キレ味が増している印象。
ソリッドに切り込むリフ、ズッシリとしたリズム隊、そして凶暴な中にも叙情性を巧みに織り込んだ楽曲展開・・・いやあこれはカッコイイです!オススメ!
元JUICY LUCYのヴォーカリストが結成したハード・ロック・グループの71年唯一作。
JUICY LUCY時代以上に荒々しくなったガナリ声のヴォーカルに、ジミヘン影響下の粘り強いファズ・ギター。
場末感ぷんぷんの超B級ジャケに負けずに、サウンドもインパクトあります。
次はカルトなサイケ・ハード・バンドSPIRITを率いたことで知られる米国のギタリスト、RANDY CALIFORNIA。
なんと彼は15歳の時にジミヘン(当時はまだ「ジミー・ジェームズ」と名乗っていました)と出会い、彼のバンドJIMMY JAMES AND THE BLUE FLAMESに加入したという経歴を持つ人物。
ファズとワウを効かせつつ、力まずリラックスしたブルージー&メロディアスなハード・サウンドが堪らなくカッコイイです!
こちらも要チェック、米ヘヴィ・サイケ・トリオの70年唯一作。
SSW風のジャケットのイメージとは180度異なり、キレッキレのファズ・ギターによるアグレッシヴなリフが炸裂!文句なしにカッコいい!!
こんなプライヴェート・プレスの激レア盤もいかがでしょうか。
後にローウェル・ジョージ亡き後のリトル・フィートとツアーを回るPhil Brown(vo/Ba)なる人物が、学生時代に録音していたという作品。
「Purple Haze」やCREAMの「Sunshine of Your Love」をカヴァーしていて、典型的なジミヘン・フォロワーかと思いきや・・・こ、こ、このヘヴィさは、一体なにごと!?
さあ、英米をご紹介したので次はユーロから、「イタリアのジミヘン」バンビ・フォサーティをご紹介。
72年のデビュー作なのですが、この1曲目、もうジミヘンがギターを弾いてイタリア語で歌ってるみたい!
まさに「イタリアン・プログレッシヴ・ジミヘン」という感じです。
ドイツからはこの作品をご紹介。
バンド名通りのジャケはえげつないですが、中身はファズ&リバーヴの効いたギターが躍動感たっぷりに跳ねる熱気たっぷりのブルース・ロック。
ソウルフルなダミ声ヴォーカルや時折入るジャジーなサックスもイカしてます。
次はカエルジャケでおなじみスイスの名ハード・ロック・バンド、TOAD!
サバスばりのヘヴィなハード・ロックのイメージもありますが、こちらの78年ライヴ盤では「Puple Haze」カヴァーも披露するなど、骨太かつファンキーなサウンドを聴かせています。ジミヘン好きなら是非!
こちらもジミヘン・ファンは必聴です。
ジミ・ヘンやザッパのスウェーデン公演のサポート・アクトもつとめたスウェーデン・ロック黎明期の名サイケ・バンド。
後にKEBNEKAISEで活躍するギタリストKenny Hakanssonの粘りあるギターと、アートなオルガンが織り成すサイケ・ハードは、英米の作品と比べても全く遜色なし!
ユーロの次は南米からご紹介、「アルゼンチンのジミヘン」CLAUDIO GABIS率いるグループ。
ソリッドに切り込むギター、熱気ムンムンのヴォーカル、ウネりまくりのベース・・・土埃舞う疾走ヘヴィ・ブルース・ロック!爆音推奨!!
最後はちょっと趣向がズレますが、17年にリリースされたジミ・ヘンドリックスのジャズ・ロック・カヴァー作品をご紹介。
欧米混合アヴァン・ジャズ・ロック・バンドMACHINE MASS TRIOのメンバーを中心に結成されたグループで、一体どんな流麗で洒脱なサウンドに仕上がっているかと思いきや・・・。
途中から抑えきれずといった感じで、ジミヘン直系の激情あふれるギターがこれでもかと雪崩れ込んできてニンマリ!
ジミヘン・フォロワーはこちらのジュークボックスでもご紹介しておりますので、是非どうぞ!
三方背ケース付き仕様、2枚組、ブックレットもとからあったか不明、全33曲
盤質:無傷/小傷
状態:良好
ブックレットなし、若干スレあり
初回デジパック仕様、ボーナス・トラック1曲、定価2400+税、カラーブックレット・解説付仕様
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯無
帯無、若干圧痕あり
デジパック仕様、2枚組、定価3670
盤質:傷あり
状態:不良
帯無
解説無、帯無、1枚は傷あり、1枚は傷多め、カビあり
88697772342(EXPERIENCE HENDRIX)
デジパック仕様、2枚組、全16曲
盤質:無傷/小傷
状態:並
ブックレットに目立つ折れあり(2ページ分)
4枚組ボックス、帯元から無し、ブックレット・解説付仕様、定価8610、56曲収録
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯-
1枚は無傷〜傷少なめ、若干圧痕あり
88875132422(EXPERIENCE HENDRIX)
ハードカバーブックレット一体型デジパック仕様(トールサイズ)、4枚組
盤質:無傷/小傷
状態:良好
3枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり
67年リリースの衝撃のデビュー作。「Foxy Lady」「Manic Depression」「Red House」と続く冒頭の3曲から、もう強力!強力!ブルースに根ざしながらダイナミックでキャッチーな楽曲。とめどなく音が溢れるイマジネーションいっぱいのギター。この作品が無ければ、ロック史は全く違ったものになっていたでしょう。これぞ金字塔。
68年の3rd。ブルース、R&B、ジャズなどのブラック・ミュージックと、サイケデリックな時代の空気が化学反応を起こし、Jimi Hendrixの肉体を通してスパークしたような渾身の傑作。Jimi Hendrixの最高傑作であり、ロック史上に燦然と輝く金字塔。
サイケ・ハードの名グループSPIRITを率いた鬼才ギタリスト。若きジミヘンが組んでいたバンドJimmy James and the Blue Flamesに在籍していただけあって、ジミヘン直系のファズ・ギターが冴え渡るアメリカン・サイケ・ハードを聴かせる72年の1st。疾走するリズム隊をバックに、切れ味抜群のギターと迫力のシャウトが炸裂するアグレッシヴなアンサンブルが持ち味。凄まじい熱気と迫力。ハード・ロック・ファンならこれは必聴!
スイスの誇る名ハード・ロック・グループTOAD、78年のジュネーヴでの公演を収録したライヴ盤。サウンドのテイストは75年の3rd『DREAMS』のキャッチーな路線に近く、さらにアルバム・タイトルにもなっているEARTH WIND & FIRE「Yearnin’ Learnin’」のカバーをはじめ、ファンクやブルースなどブラック・ミュージックの影響をより色濃く打ち出した新曲を多数披露しています。とはいえキーボードなど余分な音が入っていないせいかメロディアスさは出過ぎておらず、ギター・ヴォーカルにベース、ドラムの純粋なトリオ編成によるファンキー・ハード・ロックは非常に硬派で骨太。跳ねるディストーション・ギターとベースのグルーヴィーなアンサンブルがまるでジミヘンのごとき「Mama Come Back」や、Werner Froehlichのスラッピング・ベースが堪能できる「I Wish You Were Here」など、思わず唸ってしまう佳曲揃いです。この翌年79年にWernerが脱退し、TOADはしばらく表立っての活動はなくなってしまいますが、この路線でのアルバムもぜひ聴いてみたかったと思わせる、期待を裏切らぬ出来栄えと言えるでしょう。
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