2018年2月22日 | カテゴリー:KAKERECO DISC GUIDE,世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ新鋭
こんにちは。スタッフみなとです。
今日はノルウェーの新鋭プログレ、SHAMBLEMATHSのデビュー作をピックアップいたします。
16年に出たこの作品。とにかくテンションが凄まじく、70年代プログレを消化しつくしたアンサンブルが見事、の一言なのです。
それではまず、冒頭27分間の大曲「Conglomeration」から、2パートお聴きください。
不吉な予感めいたピアノの導入、マグマの混成合唱隊のような呪術的なコーラス、そしてギターとサックスの強烈なリフが一気になだれ込み、怒涛のアンサンブルを繰り広げます。
特に2分半頃からの流れが最高にクールです!
ハードなソロギターのあとの奔放なサックス・プレイ、駆け巡るシンセサイザー、そして清涼感あるアコギと美しいコーラスで一息ついたと思ったら、待ち構えていたようにサックスとドラムが激しく鳴らされ・・・これはまるでプログレやジャズ・ロックの美味しいとこどりの見本市、そしてMAGMA、UNIVERS ZERO、EGGに影響を受けたと公言している通り、まったく先の読めない禍々しくアヴァンギャルドなサウンドです。
しかし続く「A Failing Ember」「Stalker」では、流麗なアコギが響き初期ジェネシスを想起させる叙情的なパートも多く、その懐の深さには驚くばかりです。
いったい彼らは何者なのでしょうか?
SHAMBLEMATHS(シャンブルマテス)
ノルウェーはトロンハイム、Simen Å. ELLNGSEN、Eirik M. HUSUMによるデュオ。
00年代前半、2人が学生だった頃にFALLEN FOWLとして活動を始めました。
ノルウェー中部に位置する港町。
中世にはノルウェーの首都として栄えたそうで、現在ではノルウェーで4番目に人口の多い都市です。
歴史的な美しい街並みと、大学の多い学術研究都市として栄えています。
トロンハイム (トリップアドバイザー提供)
立ち並ぶ大学のなかでも工学系ではノルウェー最難関、ノルウェー科学技術大学(NTNU)の准教授でもあるのが、中心人物のSimen Ådnøy Ellingsen。
量子物理学、政治学が専攻とのこと。
ベースのEirik Mathias Husumは、NTNU時代からジャズやフォーク、ワールド・ミュージックなどの様々なバンドで研鑽を積んでいたようです。
↑ジャズ・フォーク・バンド、Svermereでの14年の演奏。ベースを弾いています。
SHAMBLEMATHSとは、歴史あるトロンハイムという都市で、知的な感性を持った2人が吸収、消化した様々な音楽が結晶化したアルバムなのでしょう。
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