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祝来日!ドイツで活動するブリティッシュ・プログレ・バンドNEKTAR特集!

来たる9月9日、結成から46年を経て初となる来日公演を行う、プログレッシヴ・ロック・グループNEKTAR。

海外では高い評価を受けながらも、日本ではそれに見合う知名度や人気を持たないバンドというのは少なくありませんが、プログレ・シーンにおいてまさにその筆頭と言えそうなのがこのNEKTARです。

活動拠点をドイツに置くという特異性や、様々なジャンルを取り込んだユニークなサウンドから全体像がやや掴みにくい印象を持たれている彼らですが、実はドイツ・アメリカを中心に世界的な知名度・人気を持っており、VDGGやGENTLE GIANTあたりと並べても問題ないとすら思える実力派バンドなんですよね。

全米19位という輝かしい記録を持ち、またKANSASやBOSTONなどのアメリカン・プログレ・ハード勢のサウンドに大きな影響を与えたと言われていたり、彼らを気に入ったフランク・ザッパと親交があったという所からも、只者ではないことはお分かりいただけるかもしれません。

そんなわけで今回は、ドイツで活動するブリティッシュ・プログレ・バンドNEKTARに迫りたいと思います!

-NEKTARについて-

NEKTARは、69年にドイツのハンブルクで結成。以来ドイツを拠点として活動を続けていきますが、注目すべきはメンバー全員がれっきとした英国人である点。結成時のラインナップは以下のとおりです。

Allan Freeman - キーボード、ヴォーカル
Roye Albrighton – ギター、ヴォーカル
Derek Moore – ベース、ヴォーカル
Ron Howden – ドラム、パーカッション
Mick Brockett – ライティング

60年代中頃にRonとDerekの2人がフランスで出会い、ドイツを中心に欧州各地で演奏活動を行う中で5人のメンバーが揃います。ライティング担当となっているMick Brockettは、曲を書く方のライティングではなくステージでの照明や効果全般を担当するメンバーだったようで、彼らがライヴを重要視し力を入れていた姿勢がうかがえる部分です。

彼らが拠点としたハンブルクと言えば、60年代には英国のバンド達の出稼ぎ先として知られ、ビートルズもデビュー前に修行を行った英国ロック・シーンと深い関係を持つ街。母国ではなくドイツでの活動を選んだ詳しい経緯は定かではありませんが、当時出稼ぎ先であったヨーロッパの国々に残りそのまま活動を続けていく英国のバンドが少なからず存在したことを考えると、この英国のロックに対する理解の深い土地で活動していく利点を考えての選択だったのかもしれません。

NEKTARはその後、ドイツのレーベルBELLAPHONと契約を交わし、72年にデビュー。82年に一旦解散するまで計8枚のオリジナル・アルバムをリリースし、4th『REMENBER THE FUTURE』は全米チャート19位の大ヒットを記録し28週間にわたりチャートインするという快挙を成し遂げています。ドイツ人メンバーらが加わり2000年に再結成して以降は、コンスタントに作品のリリースし続けており、今回の来日公演からもわかるように非常に精力的に活動を行っています。

-NEKTARのサウンド-

サイケデリックな残響を伴うエッジの立ったプレイからドラマティックに泣きを炸裂させるハード・ロックなプレイまで自在なギター、スペイシーに色彩感を放つ綺羅びやかなキーボード群、シンセがそそり立つ壁のごとくシンフォニックに鳴り響いたかと思えば、突如痛快なロックン・ロールへと雪崩れ込んだり、ある時はブルージーにもファンキーにも展開していくNEKTARの音楽性。

様々なジャンルを自在に横断して作り上げられる彼らのサウンドは、プログレッシヴな精神に溢れていると同時に、ともすれば全体像が捉えにくい印象を持たれるかもしれません。

しかし、その奔放なNEKTARサウンドを支えている卓越した演奏技術、自在なコーラスワーク、そしてキャッチーなメロディーメイクなどに気づくことができれば、YESを彷彿させる端正でファンタジックかつ親しみやすい音楽性がNEKTARサウンドの核となっていることがわかってくるんです。

そのあたりは、こちらをお聴きいただければ伝わるのではないでしょうか。
「Desolation Valley」「King Of Twilight」(72年作2nd『A Tab in the Ocean』収録)

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1曲目などは、冒頭からのファンタジックで雄大に展開するアンサンブルからして、ほぼリアルタイムと言える3rd『The Yes Album』あたりのYESからの影響をうかがわせますよね。存在感たっぷりにリード楽器とユニゾンするベースや、やや前のめり気味にスリリングなフレーズを放つギター、荘厳かつジャジーなオルガンのプレイなど、各パートの演奏面から見ても初期の彼らがYESを意識した音づくりを行っていることが伝わってきます。

そしてそこから匂い立ってくるのは、英国らしいジェントルで気品ある英国的叙情性。イギリスのバンドなのかドイツのバンドなのかという微妙な立ち位置の彼らですが、この淡く端正な叙情性にこそ、彼らのブリティッシュ・プログレ・バンドらしさを強く感じることができます。

とは言え、彼らのサウンドが決して単なるYESフォロワーにとどまらなかったのは先に挙げた通り。YESからの影響を軸としつつも、ハードエッジに飛翔するギターやスペイシーなキーボードなどの特色を武器に、様々なサウンドを意欲的に取り入れて独自の発展を遂げていったのです。変化を恐れずダイナミックに自らの音を探求していったことが、結果アメリカでの成功をももたらしたと言えるのではないでしょうか。

それでは、彼らの70年代の作品を追いつつ、大御所プログレ・バンドとして世界的な支持を得るに至った変遷を見てまいりましょう。

Journey to the Centre of the Eye(1971)

彼らの記念すべきデビュー・アルバム。本作では、サイケ、ハード・ロック、シンフォなどの要素が混在しながら70年代初頭らしい熱気を纏って突き進むスタイルのプログレを展開。サイケデリックな残響感をたっぷりと帯びたギターと、それに負けない派手なプレイを聴かせるオルガンを中心とするけたたましくも力強いアンサンブルで、コンセプトである宇宙空間を描き出します。この時点ではYES色はなくPINK FLOYDからの影響が強く感じられるのが特徴で、渦を巻くように混沌とした音像は、確かにジャーマン・ロック・バンドとして言われてもわからないかもしれません。

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A Tab in the Ocean(1972)

デビュー作の翌年にリリースされた2ndは、前作での混沌とした印象が消え、格段に整理された端正なブリティッシュ・プログレへと一皮むけたサウンドに進化。演奏にファンタジックな飛翔感・疾走感が加わって、YES的な音にグッと近づいています。テクニカルに突き進むパート随所で挿入され、演奏力の高さもしっかりと見せつけてくれていますよね。NEKTARサウンド形成の第一歩を踏み出したと言える力作に仕上がっています。

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Sounds Like This(1973)

前作で垣間見れたNEKTARサウンドの片鱗に、キャッチーなメロディとコーラス・ワークが加わって、さらに聴きやすく洗練されたプログレッシブ・ロックを練り上げた3rdアルバム。とにかく次々とドラマティックな展開が押し寄せてくる作品で、YES的なドライヴ感いっぱいの演奏とハードロック由来のドラマティックな泣きをバランスよく配してオリジナリティ溢れるサウンドを紡ぎだしていきます。Roye Albrightonによるギターワークが出色で、サイケデリック・ロックとハード・ロックを折衷したような個性的なスタイルで所狭しと駆けまわるプレイは必聴もの!

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Remember the Future(1973)

見事全米チャートインを果たし、19位まで駆け上った4th。基本路線は前作を踏襲するものながら、キャッチーなメロディと演奏の整合性がより高まったのが一聴して感じ取れます。さらに従来の端正なブリティッシュ・プログレ的演奏を根幹に据えつつも、骨太で若干泥臭いアメリカン・ロック的な要素が感じ取れるのが本作最大の特徴で、試行錯誤を経て揺るぎないNEKTARサウンドが遂に完成を見たと言えるでしょう。これはアメリカのリスナーからの熱い支持を得られたのも納得の傑作です。

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Down to Earth(1974)

ライヴアルバムの発表を挟みスタジオ第5作目となった本作は、サーカスをテーマに据え、ここまでで最もポップな作風を聴かせる逸品。オープニングナンバーからも伝わってくるワクワク感いっぱいの弾むような演奏からして、コンセプトを見事に表現していますよね。テクニカルなインストパートも相変わらず絶好調で、決してポップさ一辺倒ではないサウンドメイクの巧みさが際立つ作品に仕上がっています。前作に続き本作も全米チャート33位のヒットを記録。

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Recycled(1975)

日本では彼らの最高傑作として評価されている6th。実際それも納得の完成度を誇る作品で、キャッチーかつドラマティックに紡がれるメロディと、めくるめく音の奔流が聴き手を飲み込むようなサイケデリック&スペイシーな演奏との対比が強烈な、NEKTARサウンドの到達点と言える孤高のプログレッシヴ・ロックを展開。ポイントは何と言ってもこれまでになく大幅にフィーチャーされたシンセサイザーで、トーンを多彩に変化させて色彩感溢れるサウンドを描き出します。それに呼応するように時にサイケデリックに時に泣きのハード・ロックにと自在なタッチでドラマを演出するギターも出色。全体の驚くような熱量の高さのなかで、不意に英国的なクールなリリシズムが顔を見せることがあり、その緩急の巧みさはベテラン・バンドならではのものと言えるでしょう。傑作!

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Magic is a child(1977)

77年発表の通算7th。基本的には前作で見せたスケール感のあるドラマティックなサウンドを引き継いだ作風ですが、大胆にフィーチャーされたチェンバロに象徴されるように欧州的とも言えるエレガンスが随所に散りばめられたサウンドが新鮮。前作で大活躍したシンセはよりギターとの調和のとれたプレイを聴かせるようになり、大河のうねりのごとく壮大に展開していくサウンドを生み出しています。ここぞという見せ場をきっちりと盛り立てるコーラスワークもやはり見事。こちらも名作でしょう!

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Man In The Moon(1980)

82年に一旦解散する彼らが80年に残した全盛期における最終作8th。円熟の域に達した隙のない構成力とギター主導でメロディアスかつエネルギッシュに駆け抜けていくアンサンブルで、プログレ・ハードやメロディアス・ハード勢により接近したサウンドを構築。それでも英国的なジェントルな叙情性もいい具合に効いていて、らしさたっぷりのこれぞNEKTAR!と言うべき快作に仕上がっています。

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最も過小評価されているプログレ・バンドの一つとも言われているNEKTARの魅力、感じていただけましたでしょうか。
イギリスのバンドなのかドイツのバンドなのかという微妙なポジションからスルーしていた方も、これを機にぜひ素晴らしきNEKTARサウンドをお楽しみいただければと思います!

NEKTARの在庫

  • NEKTAR / PURE: LIVE IN GERMANY 2005

    05年の公演とアコースティック・ライヴ映像を収録。

  • NEKTAR / 2004 TOUR LIVE

    ドイツを拠点に活動、英国人メンバーによって結成されたプログレ/ハード・ロック・グループ、04年のアメリカ公演を収録した20年リリースのライヴ・アルバム!

  • NEKTAR / SOUNDS LIKE THIS

    英国人メンバーによってドイツで結成されたプログレ・グループ、73年作

    英国人メンバーによってドイツにて結成&活動するプログレ・グループ、73年作の3rdアルバム。ディープ・パープルやユーライア・ヒープ系統の重厚感溢れる英ハード・ロックに、クラウト・ロックに通じるサイケデリックなまどろみ感をプラスしたような作風が特色で、サイケにたゆたうギターとオルガンが突如としてハードドライヴィンに疾走する時の演奏テクニックは、YESを彷彿させるものがあります。ソウルフルで熱いヴォーカル、ハードエッジで突き進むリード楽器と渡り合う、ソリッドに打ち下ろすような硬質なリズム・セクションも印象的。70年代英プログレ/ハード・ロックのパワフルさとジャーマン・ロック的サイケ感覚が絶妙にミックスされたアート・ロックの傑作!

  • NEKTAR / HIGHLIGHTS

    ドイツで結成・活動した英国人プログレ・バンド、94年コンピレーション

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