デジパック仕様。
アルゼンチンに現れた素晴らしきジャズ・ロック・グループ。エレピとギターが紡ぐ南米らしい甘美な陰影を持った芳醇なジャズ・ロックが素晴らしすぎる...。これはカンタベリー・ロック・ファンも是非一聴を!
2014年デビュー、アルゼンチンはブエノスアイレス出身、ピアノを中心にエレピ、オルガン、シンセを操るキーボーディストとギタリストを擁する4人組ジャズ・ロック/フュージョン・グループによる17年作3rd。南米らしい甘美な陰影を持った美しいメロディを印象的に聴かせる、ロマンチックな表情のジャズ・ロックには前2作を経てさらに磨きがかかっている印象。ピアノやギターは流麗なタッチでソロを応酬させるジャズ本来のクールな佇まいを見せるのに対して、可憐な音色が耳を引くエレピが浮遊感あるファンタジックで柔らかな聴き心地をもたらしていて、少しフィル・ミラーを思わせるギターも相まってハットフィールドやナショナル・ヘルスなどのカンタベリー・ロック・バンドに通じる得も言われぬ芳醇さを生み出しているのが素晴らしい。お約束と言えるバンドネオンの哀愁の音色も必殺です。近年のジャズ・ロック・バンドには珍しく比較的ロック寄りのノリとダイナミズムを持つドラムも特筆で、アンサンブルを力強い躍動感で牽引します。ジャズとロックを最高のバランス感覚で組み合わせた、これぞジャズ・ロック!と呼びたい快作。これは激カケレコメンド!
PASAJERO LUMINOSO(パサヘーロ・ルミノーソ)はアルゼンチン・ブエノスアイレス出身の4人組インスト・ジャズ・ロック/フュージョン・バンド。メンバーは以下の通りです。
Juan Pablo Moyano – ギター
Leopoldo ¨Pepo¨ Limeres – ピアノ、オルガン、シンセサイザー
Pablo Valotta – ベース
Fabian Miodownik – ドラム、パーカッション
彼らは14年に1st『PASAJERO LUMINOSO』でデビュー。自主制作ながら、モダン・ジャズの素養とロック的キレの良さを併せ持ったテクニカルで端正なアンサンブル、そしてカンタベリーに通ずる甘くメロディアスなサウンド・メイクなど、既に高い技量を発揮した芳純なジャズ・ロックを聴かせる要注目グループでした。
そして15年の2ndを経て昨年彼らが発表した本作『EL CORAZON DE LAS BALLENAS』は、前2作に増して絶品の完成度を誇る傑作!
ひたすらに聴き心地のよいロマンチックなフュージョン・アンサンブルはもちろんのこと、キレよく饒舌なギターや70年代を感じさせるオルガン、ダイナミズム溢れるドラムなどがスリリングにせめぎ合う「これぞジャズ・ロック!」な楽曲、さらにはバンドネオン(タンゴで用いられるアコーディオンのような蛇腹楽器)、ストリングスなど南米ルーツ色濃厚な音色をフィーチャーしたエキゾチズム溢れる楽曲など、その表現力豊かさにも磨きがかかった印象。
♪El corazón de las ballenas
どうして南米アルゼンチンからこんなにレベルの高いジャズ・ロックが!?と驚かれるかもしれませんが、実はアルゼンチンは70年代から高水準なジャズ・ロック・グループを多く輩出してきたジャズ・ロックの隠れ宝庫。しかも興味深いのが、それらのグループも彼らPASAJERO LUMINOSOと同様、英国のカンタベリー・ロックに通ずる流麗でリリカルなジャズ・フィーリングを擁していることです。
かつてイタリアやスペインから多くの移民が渡来し、中南米で最も欧州的な街となったことから「南米のパリ」の異名を持つアルゼンチンの首都・ブエノスアイレス。南米ならではのラテン色にヨーロピアンな洗練味が結びついたその地だからこそ、意識せずとも自然とカンタベリー・ロックを思わせる華麗でしなやかなジャズ・ロックが生まれていったのでしょう。
アルゼンチン・ロックに関してはこちらのジュークボックスもご覧ください!
そんなわけで、洗練されたモダンさもたっぷりと盛り込みつつ、歌情溢れる70年代アルゼンチン・ジャズ・ロックの系譜をしっかりと受け継いだ彼らPASAJERO LUMINOSO。カンタベリー・ロックはもちろん、ARTI E MESTIERIやIL VOLOなどのイタリアン・ジャズ・ロック、リリカルな南米ロックが好き!という方は是非チェックして頂きたい、カケレコ激オススメ作です!!
♪Un jardín en la pared
・GILGAMESH、NATIONAL HELTHなどカンタベリー・ロックに通ずる叙情美
・滑らかなフュージョン×キレの良いロック的ダイナミズム
・バンドネオン、ストリングスなどの南米ルーツ・テイストを取り入れた表現力豊かなサウンド
カンタベリーに通じる陰影と叙情美に満ちたアルゼンチンのジャズ/フュージョン・ロック・グループ、2015年作2nd
2,290円(税込2,519円)
TROOT/CONSTANCE AND THE WAITING
米国人ピアニスト/作曲家Tim Rootを中心に、世界中から集結した10人の実力派ミュージシャン参加のアヴァン/ジャズ・ロック・プロジェクト18年作、ずばり「クラシカルなクリムゾン」と言える傑作!
2,990円(税込3,289円)
スペインの新鋭プログレ・バンド、前作より3年ぶりとなった18年作3rd、クイーン+ドリーム・シアターをベースに前作以上のエネルギーで快走する傑作!
2,990円(税込3,289円)
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レーベル管理上、ペーパーケースにスレや圧痕、若干の角潰れがある場合がございます。ご了承ください。
ギルガメッシュやナショナル・ヘルスが好き?でしたら、このブエノスアイレスの新鋭グループは実にオススメ。艷やかでエレガントなエレピ&P.ミラー+A.ラティマーと言えるギターを軸とする、カンタベリー系に通じる陰影と叙情を帯びたサウンドが絶品です。
アルゼンチンに現れた素晴らしきジャズ・ロック・グループ。エレピとギターが紡ぐ南米らしい甘美な陰影を持った芳醇なジャズ・ロックが素晴らしすぎる...。これはカンタベリー・ロック・ファンも是非一聴を!
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カンタベリー・ロック彷彿の緻密かつ流麗な音使いと南米らしい芳醇なメロウネスが溶けあったジャズ・ロックは、今作でも絶品の一言。アルゼンチンのみならず現南米で最も注目に値するジャズ・ロック・バンドによる待望4th!!
レーベル管理上、ペーパーケースに若干角つぶれや圧痕がございます。ご了承ください。
南米ジャズ・ロックの注目グループ、待望の5th!美しいメロディを印象的に聴かせるパートとテクニカルに疾走するパート、その切り替わりがとにかく自然体で、リリカルな音使いのみならずこの演奏の「しなやかさ」もカンタベリー・ロックに通じる魅力です。
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メロディアスなジャズ・ロック名盤(1 拍手)
Wilde Lifeさん レビューをすべて見る
華麗なプレイのギターとピアノ、エレピの掛け合いが絶妙で、耳に心地よいフュージョンタッチのジャズ・ロック作品です。
曲の雰囲気としてはカンタベリーの名グループであるgilgameshの1stに近いと思います。
あの優しい音色やアンサンブルが思い起こされます。
ジャケットイラストからもわかるようにどこかコミカルなイメージもあり、遊び心や落ち着きのある仕上がりです。
途中エフェクトでドライブしたギターやダイナミックなドラムが押してくる場面もありますが、ハードな感じではなく音色の変化を楽しんでいるような印象を持ちました。
特筆すべきはメロディアスさです。
1曲を除きボーカルレス(最終曲のみ女性ボーカルのスキャットと語りのボイスが入ってます)ですが、メロディーが印象深く耳に残ります。
イタリアのIL VOLOのような(IL VOLOはボーカルも歌ってますが)「楽器が歌ってる」という、そんな演奏です。
1曲目イントロからベースとピアノが歌ってるなーと。バンドネオンの哀愁ある歌や饒舌なギターの歌、エレピとギターのユニゾンでの歌が全編通して聴こえてきます。
それがこのアルバム、このグループの大きな特徴です。
前2作品よりも確実にクオリティアップしている印象で、今後の作品にも大いに期待しています。