サイケデリック・ロックが産声を上げる遥か昔から、中南米の先住民族インディオの間で、宗教儀式や治療に用いられてきた幻覚剤。
1950年代、メキシコのインディオのもとを訪ねたアメリカの菌類学者(銀行副頭取でもあった)、R.ゴードン・ワッソンは、その大地に自生する幻覚キノコを服用する。 かつてない強烈な体験を味わったワッソンは、57年、その時の体験記を『LIFE』誌に発表。それは、幻覚剤がもたらす幻覚作用、意識拡張、いわゆる、のちに云う「サイケデリック体験」というものが、はじめて公に発信された瞬間だった...。
中南米の大地に根を張る、サイケデリックの太い幹。ここでは、そのサイケデリック・カルチャーの根源とも云うべき「中南米」の世界を、サイケデリックをキーワードに、ロック・ファンのみなさんを連れ立って、冒険して行こうと思います。
題して、<MotorPsycle Diaries>。
キューバ革命で知られるアルゼンチン出身の革命家=チェ・ゲバラの青春放浪記<Motorcycle Diaries>にちなんで、彼の辿ったルートをなぞりながら、南米大陸を北上していきます。
最終回の第六弾は、ゲバラの旅のルートから逸れて番外篇として、郷愁の国、ブラジルを特集!
60年代から活動するグループ。73年1st。ハモンドにブルージーなギターが絡むブリティッシュナイズされたサイケロックと、叙情性溢れるメロディが胸を打つアコースティカルな歌もので構成。切々と歌い上げる誠実なヴォーカルによる「歌もの」が特筆!
気高き魔境の雄叫び。ブラジリアン・サイケデリアの伝道者、LULA CORTESによるアシッド・フォークの大瀑布。生い茂る密林、見たこともない極彩色に彩られた密林の珍獣たち…。むせ返るような濃密な赤道直下に産まれた、無邪気で野蛮な彼岸の音楽。
ブラジル初の自主制作盤。「相反するモノを調和する第3の音楽」を意味するSATWAと名付けられたデュオ。その内実はモロッコ帰りのCORTESと米国帰りの12弦ギターの名手LAILSONが意気投合したもの。当時は軍事政権下のため、インスト!
メロウなサイケロック/ポップグループ。71年作。フォークロックなアンサンブルに男女コーラスが艶やかな華を添えるサイケポップナンバーが特筆ものの心地良さ。ペルーのテレグラフ・アヴェニューらと並び、南米を代表するソフトロックの名グループ。
ブラジルのサイケプログレバンド。70年作。貪欲な実験/プログレッシヴ精神を凝縮した、サウダージ一切抜きのブラジリアンサイケ。SFチックな5拍子冒頭曲で聴き手の脳汁をタプタプにさせ、続くヘヴィスペイシーサイケな表題曲で見事に脳内ダム決壊!
サンパウロの6人組。69年録音作。妖艶な女性ヴォーカル、所々で牙をむく凶暴ファズ、チープな浮遊系シンセが織り成すカラフルでちょっぴりヘヴィなポップサイケ。後期ムタンチスのメンバーが在籍するなど、楽曲/演奏ともに高水準の実力派グループ。
ブラジル在住の米国人が結成した5人組。72年作。英プレハード期に通じる荒削りなドライヴ感、USヘヴィサイケに通じるブルージーな土臭さ、陰鬱不気味なトーンのオルガン、そして辺境独特の歪な磁場をも内包した、異種混濁のサイケハード!
オルガンを大々的にフィーチャーした4人組ヘヴィサイケバンド。70年作。けたたましくいななくファズ、厚塗りのハモンド、グルーヴィーに唸るベース!人懐っこく哀愁溢れるメロディも印象的な、ヘヴィネスとメロウネスのバランスが秀逸な好グループ。
ブラジルの国民的女性歌手=ガル・コスタのバックを務めたメンバーが在籍する、南米最高峰の4人組サイケバンド。69年作。トロピカルなリズム、ファンキーなカッティングからチョーキングまで饒舌なファズ、そして溢れ出す郷愁のメロディ。大名盤。
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