時は60年代半ば、アメリカから海を越え英国に伝来したサイケデリック・ムーヴメント。当時のアメリカが抱えていたような深刻な社会/人種問題がない英国でのサイケデリック・ムーヴメントは、アートスクールに通う学生が中心となって盛り上がっていた「芸術運動」と密接に結びつき、ことロック・シーンにおいては、「狭い国土」「悪天候」という英国ならではの先天的要因もあって「青空の下、原っぱで」とはいかず、そのかわりに「UFOクラブ」を筆頭としたロンドンのクラブ・シーンを本拠に独自の成熟をなしていきます。
PINK FLOYD、SOFT MACHINE、ひいてはBEATLESやROLLING STONESといったビッグ・バンドたちが通過していった「ムーヴメント」としてのサイケデリック・ロックは追々別項に任せるとして、ここでは根っから、もしくは生涯通して「FREAK OUT!」していたことであろうモンスター級の英サイケ・ミュージシャンたちを数回に渡ってご紹介します。
第一回は、TOMORROW/PRETTY THINGS/PINK FAIRIESなどの一員として「名だたる英サイケ盤」を産み落とした傭兵肌のドラマー/シンガー、TWINKにクローズアップ。ちなみに、PINK FAIRIESとHAWKWINDが合体したPINKWIND(HAWKFAIRIES)、そしてSyd Barrettと組んだ幻のギグ・プロジェクト=STARSは、残念ながら動画見つからず。STARSにいたっては音源化すらされておりませんので、これを機にあらためて、発掘を懇願しましょう!
「サイケデリック・ドラマー」としてのキャリア最初期に産み落とした名盤。Steve Howe(YES)、Mark Wirtz(英サイケポップ界の名匠)といった大物の陰に隠れ、さらには『Sgt..』影響下のスタジオ実験の嵐によって野獣はまだ眠っている様子。(68年)
「TOMORROW時代イケてないミュージシャン」だったTWINKとJohn Woodが解散後に組んだ単発プロジェクト。唯一シングルのA面曲は大のお気に入り曲のようで、フェアリーズ時代にセルフカヴァーするほど。この原曲にはNicky Hopkinsが参加。(68年)
吹き荒れるサイケムーヴメントのなか、強烈なサイケカンフル剤としてPRETTY THINGSに加入したTWINK。彼らの代表作にしてロックオペラの傑作ですが、おそらくはドラマーとしてと言うよりも「サイケな何か」としての彼に期待しての加入では...?(68年)
DEVIANTSの総帥にして英サイケの最重要人物=Mick Farrenのソロ作。彼とTWINKの邂逅のなかに、英フリークアウトを総覧する一種のハイライトがあるような気がします。元ティラノサウルス・レックスのSteve Tookも参加。(69年)
ついぞ叶ったソロ1st。Mick Farrenプロデュース、Steve Took、DEVIANTS、PRETTY THINGSのメンバーらが参加した、色とりどりのサイケデリアを包含したブリティッシュ・サイケの金字塔。(70年)
『THINK PINK』で自身のサイケデリアのひとつの到達点に達したTWINKがDEVIANTSのメンバーらと組んだバンド。ファンタジックなテイストと、HAWKSらサイケ・ハード勢に通じるヘヴィなサウンド。(71年)
おまけ映像。71年グラストンベリー・フェスティヴァルでの風景。TWINK筆頭にPINK FAIRIESらの面々を見ると、71年というサイケ終焉の時代にあっても、やはり「根っから」好きな様子がよく判りますよね。
元DEVIANTSの奇才、69年の初ソロ作。英サイケ・シーンでは欠かせないドラマーTwink、元TYRANNOSAURUS REXのSteve Took、QUATERMASSのメンバーが参加。サイケ/フリーク・アウト・ロックの名作!
定価2300
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯有
ケースに小さいヒビあり
スティーヴ・ハウ、キース・ウェスト、トゥインク等によって結成されたトゥモロウが68年に発表した1stアルバム。68年の英国といえば、シーンはすっかり極彩色。本作も例に違わず、基本的にはテープ逆回転などのアレンジをふんだんに使ったサイケ・ポップでビートリッシュなサウンドですが、それだけに終わらないのはメンバーの顔ぶれからも想像できる通り。スティーヴ・ハウの焦燥的なギターとトゥインクの偏執狂的なドラム・ワークはこのころからすでに半端ではないテンションで、鬱屈した感情をすべて吐き出すような病的なまでの緊張感に、スタイルとしてのサイケデリックとは一線を画すむき出しの非現実が感じられる名作。
廃盤、SHM-CD、定価1300+税
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯有
トゥモロウ〜プリティ・シングスと渡り歩き、プリティ・シングスでは英サイケ・ポップの名作『S.F.SORROW』を残し、後にはデヴィアンツの面々とピンク・フェアリーズを結成したり、シド・バレットとのグループも画策したり、英アンダーグラウンドを居場所に活躍するドラマー。プリティ・シングス在籍時の69年に、トゥモロウやプリティ・シングスやデヴィアンツやティラノザウルス・レックスのメンバーのサポートを受けてロンドンで録音されたソロ・アルバム。シタールやタブラやSEがドロドロと渦巻く英サイケの名作。ドラムが混沌を刻み、ファズ・ギターがエキセントリックにうめきまくるトラックのカッコいいこと!幻想的なメロトロンも特筆。
CD-R
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
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