紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、定価1900+税。
英国モノにも通じるハートフルで牧歌的なメロディ、ヨーロピアンなバロック・テイスト、そして時おり顔を見せるジャーマンらしいサイケデリック感。メルヒェンの世界に入り込んだような気分が味わえる好盤ですよね。
ビート・ロックグループとしてその歩みをはじめ、アコースティックでジェントリーなプログレッシブ・ロックを作り出したドイツのグループの72年作。ポピュラリティーのある優しげなメロディーを持つ名盤としてだけでなく、サイケデリックな質感を残した味わいのあるシンフォニック・ロックとして、そしてメロトロンがこれでもかとフューチャーされた作品としてプログレッシブ・ロックファンの琴線に触れるアイコンに恵まれており、ジャケット通りドイツの寓話の世界をのぞくようなファンタジックなサウンドを構築しています。
舩曳将仁の「世界のジャケ写から」 第三十回 WIND『MORNING』(ドイツ)
コラム「そしてロックで泣け!」が好評だった音楽ライター舩曳将仁氏による、新連載コラム「世界のジャケ写から」。世界のプログレ作品より魅力的なジャケットを取り上げ、アーティストと作品、楽曲の魅力に迫ってまいります。
なにかとバタバタしがちな年末にぴったりの、「荘厳かつなんだかせわしない」ジャーマン・オルガン・ハードをご紹介いたします。
夏、秋、冬とお送りしてきた季節別プログレセレクション。今回は、春を感じさせるプログレ作品をセレクションしてまいりますよ。
くすんだトーンのオルガンが描く幻想的なオルガン・プログレを世界中から選りすぐってご紹介いたしましょう。
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
英国モノにも通じるハートフルで牧歌的なメロディ、ヨーロピアンなバロック・テイスト、そして時おり顔を見せるジャーマンらしいサイケデリック感。メルヒェンの世界に入り込んだような気分が味わえる好盤ですよね。
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大袈裟な音楽を展開するにはドイツで随一(1 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
冤罪ドラマの大団円で、再び有罪判決を言い渡されたかのような絶望感に襲われるファースト作の「ホワット・ドゥ・ウィ・ドゥ・ナウ」を知っている人からしたら、このセカンド作の牧歌的な出だしに面食らってしまうでしょう。わたしがそうでした。カバー写真を眺めながら、重さとは似ても似つかないなと思いながら聴いたのですから余計です。
おそらくは中世欧州を舞台としたコンセプト物語作です。ダミ声を張り上げる歌い手、スティーブ・ライストナーが子どもたちに聴かせるような優しい歌を聞かせます。ひるがえって考えてみるとファースト作「シーズンズ」もコンセプト作だったのでしょうね。勝手にハードロックに分類していた自分が間違っていたのでした。メロトロンをバックにアンサンブルが盛り上がる様子は、堂々としたものです。
ウインドの特徴は、劇的な振幅にあります。バランスの良い録音は、ジャーマンロックの縁の下力持ち、ディーター・ディークスです。わたしとすれば、ファースト作もぜひ聴いていただきたいバンドであります。