2018年12月18日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフ増田です。
突然ですが、ジャーマン・ハードの特徴とは何でしょうか。私はズバリ「荘厳」かつ「なんだかバタついている」所だと思っています。
ブリティッシュ・ハード並に鋭く重厚で、哀愁もたっぷり醸し出しているのに、どことなく漂うバタバタとしたせわしなさ。そんなところが「B級」と言われてしまう所以なのですが、同時に愛すべき魅力でもあります・・・よね。
さて師走も半分を過ぎ、年末に向けていよいよバタバタと忙しくなってくる今日この頃。
今回はそんな季節にピッタリのジャーマン・ハード、それもオルガン入り!をセレクトいたしますよ。
まずはこちらの名バンド、71年1st。
ブルージーかつ切れ味鋭いギターに陰影たっぷりに鳴るハモンド、哀愁あふれるヴォーカル&コーラス、そしてこれぞジャーマン!な手数の多いドラム。
ユーライア・ヒープや初期パープル好きならずばり必聴のジャーマン・ハード・ロック!
次はジャーマン・ハードの至宝を数多く持つKUCKUCKレーベルの中でも屈指と言われるこの作品。
クラシカルなハモンド、泣きのギターをフィーチャーし、静と動めくるめく展開で一気に上り詰める!
まさに「至宝」という言葉がぴったりくる名作!
こ、この一曲目、ヒープやVERTIGOオルガン・ロックのファンはイチコロですよ。
クラシック大国ドイツらしい荘厳なオルガンや叙情的なヴァイオリンをフィーチャーした名作ですね。
次も要注目!重厚なオルガンをフィーチャーしたジャーマン・ハード70年1st。
けたたましいオルガンと沈みこむようにヘヴィなギターによるユニゾン・リフのカッコ良さときたら・・・。
このサウンド、ユーライア・ヒープのファンは悶絶必至!
なんとメンバーはkey奏者とドラムの2人だけ!?それなのにレッドゾーン振り切りまくりのこの破天荒さは凄い!
度肝を抜くこと間違いなしの独オルガン・ハード、72年傑作ライヴ盤!
重厚なオルガンをフィーチャーしたジャーマン・ハード70年1st。
けたたましいオルガンと沈みこむようにヘヴィなギターによるユニゾン・リフのカッコ良さときたら・・・。
こちらもユーライア・ヒープのファンは悶絶必至!
ここで女性ヴォーカル・ハードもご紹介しておきましょう。
ギター、オルガン、唾飛ばしフルートが渾然一体となって狂おしく畳み掛けるアンサンブルの熱気が凄まじい!
一歩も引かない女性ヴォーカルも圧巻だし、このドイツのバンド、アフィニティやベーブ・ルースのファンは必聴だなぁ。
女性ヴォーカルものでもう一つ忘れちゃいけないのがJOY UNLIMITEDですよね。
ブルージーでジャジーなオルガン、幻想的なフルート、紅一点の女性ヴォーカル。
哀愁ほとばしらせつつ、TOMORROW’S GIFTよりもちょっぴりダークな雰囲気が漂っているのが良いです。
さて男性ヴォーカルに戻りまして、こちらはBRAINレーベル発のジャーマン・プログレ・ハード72年デビュー作。
ウィッシュボーン・アッシュばりのタメの効いたツインギターにメロディアスなオルガン、哀愁のヴォーカル、そして壮大なストリングスが炸裂!
VERTIGOオルガン・ロックはもちろん、BARCLAY JAMES HARVEST好きにもオススメ。
初期ジェスロ・タルにグレッグ・レイクが入ったら、って感じ!?
ムーディーなフルートも織り交ぜたアグレッシヴでジャジーなサウンドがクール。
単発ながらかなりの高クオリティを誇る70年唯一作!
さあさあ、さらにディープに参りますよっ!
このバンド、バンド名は読めないし、ジャケは適当だし、内容はノイジーなオルガンやバタつくリズムやハチャメチャなベースが好き勝手に暴れまわってるし…。
でもこれぞ至高の「B級ジャーマン・ハード」と言える迷作、否、名作!
最後に今年リリースされたばかりの幻のジャーマン・ロック発掘盤をご紹介!
ELOYやGURU GURUともツアーを行いつつアルバムを残さずに消えた謎のバンドのライヴ音源なのですが、これが荘厳かつ叙情たっぷりのオルガンが炸裂するなかなかの好盤!
CRESSIDAを思わせるジャジーなナンバーや初期フロイド彷彿のサイケなナンバーもあったりと楽曲のレベルも高いです。オルガン・ロック・ファンは是非チェック!
いかがでしたか?こちらの記事もどうぞ!
女性ヴォーカル、フルート奏者を要するジャーマン・ロック・バンド。オリジナルは2枚組でリリースされた70年のデビュー作。オープニングの「Riddle In A Swamp」から痺れまくり!アグレッシヴに疾走するキレ味抜群のリズム隊、叩きつけるように鳴らされるリズムと「狂おしい」というキーワードぴったりに弾きまくられるリードともにまるでパンクのように初期衝動のエネルギーがつまったエレキ・ギター、宗教的な荘厳さとともにそそり立つオルガン、激しく吹かれるフルート。いやはや凄まじい熱気。アンサンブルに応える女性ヴォーカルも圧巻で、英国アフィニティのリンダ・ホイルを彷彿させます。ジャーマン・オルガン・ハード屈指の傑作です。アフィニティやベーブ・ルースのファンは必聴!
70年代に西ドイツで活動し、ELOYやGURU GURUともツアーを行った幻のバンド、当時のライヴ音源を収録した18年発掘盤。そのサウンドはくすんだトーンのクラシカルなハモンドを中心に、ブルージーなギターやうねりのあるベースを交えて哀愁たっぷりに展開する王道のオルガン・ロック。CRESSIDAを思わせるジャジーで叙情的な曲調がメインかと思いきや、聴いていくとピアノ、オルガン、シンセを切り替えながらスピーディーにフレーズを弾き倒すリック・ウェイクマンばりのパートがあったり、『神秘』〜『原子心母』頃のフロイドを彷彿とさせるサイケデリックなナンバーが飛び出したりと、多彩でクオリティの高い内容にビックリ!長尺曲が多いものの、アグレッシヴなソロ・パートに粛々とした叙情パート、味のあるヴォーカル&コーラスパートが交差する起伏のついた構成、そしてどこまでもリリシズムに溢れたメロディとハーモニーでじっくりと聴かせます。決して録音状態は良くないものの、単なるアーカイブに留めておくには惜しい好内容。オルガン・ロックやジャーマン・ロック・ファンは要チェックです。
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