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NO RED ROWAN

THUNDERMOTHER

KSG003(KISSING SPELL) 【95年発売CD】

評価:40 1件のレビュー

極限まで歪んだようなファズ・ギター、重厚かつドライヴ感のあるリズム隊、パンキッシュに雄叫びを上げるヴォーカル!凶暴性の中に覗くブルージーな憂いもたまらない英国アンダーグラウンド・ヘヴィ・サイケ極北!

HOLYGROUNDレーベルの名スプリット『ASTRAL NAVIGATIONS』に名を残す英国へヴィ・サイケ・バンド、70年〜71年の音源集、名盤!

アンダーグラウンド・レーベルHOLYGROUNDのスプリット名盤『ASTRAL NAVIGATIONS』に収録されている事でも知られる英国ランカシャー州プレストンのヘヴィ・サイケ・バンド、70〜71年の音源発掘盤。メンバーはガレージ・バンドDAVID JOHN & THE MOODを率いたヴォーカリストのDavid John、元THE PUPPETSのギタリストDave Millen、元LITTLE FREE ROCKのベーシストFrank Newbold、そして後にRARE BIRDに参加するドラマーFred Kelly。これでもかと歪んだ超強烈なファズ・ギター、ジャック・ブルース並にゴリゴリとドライヴするベース、パワーのあるドラム、パンク・ヴォーカリスト並に雄叫びをあげるヴォーカル。ハード・ロックの重量感もありつつ、アンプが割れるほどの荒々しさで前のめりに突き進むラウド&ガレージーなナンバーが実に痛快!なおかつ凶暴なだけでなくタメの効いたブルース・ロック・ナンバーや憂いと繊細さを湛えたサイケ・フォーキーな楽曲もあったりと、表現力・演奏力ともにかなりハイレベル。コアなサイケ・ファンやブリティッシュ・アンダーグラウンド・ファンからの人気も納得の名作です。

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評価:4 英国アングラ・サイケの極北(3 拍手)

tsさん レビューをすべて見る

?とか言われてるようですが、この単独アルバムは曲構成や演奏が水準以上の内容でその手のファンを飽きさせません。発掘リリースのせいか、国内外共に紹介されているのをあまり見かけませんが、当時ちゃんとアルバムを出していたらそれなりの評価を受けていたのではないかと思います。製作当時(70〜71年)を考えると少し遅めのサイケともとらえられますが、ジャック・ブルース狂のベーシストのいるフリーがスタジオに籠ってアシッド漬けのブルース・ロックを演ってみましたみたいな曲もあり非常に面白いです。
印象的なギターを聞かせるのはデイヴ・ミレンという人。60年代にThe Puppetsという、あのJoe Meekのお抱えビート・バンドで活動していたそうですが、同バンド解散後の67年から本作の70年までの間、一体何をしていたんだろうと思わせるくらいぶっ飛んだファズ・ギターで聴く者を圧倒します。Puppets時代は歌手のバッキング等を数多くこなしていたらしいのでギタリストとしての腕前は確かですが、そんな彼がキメながら弾くディストーション・サウンドはBryn Haworth(Fleur-de-Lys時代)と比較してもひけをとらない強烈な仕上がりです。本アルバムにはクレジットされていませんが、タメの効いた重いドラムは多分フレッド・ケリーで、この後レアー・バードやロング・ハローではもう少しだけグルーヴ感のある演奏を聴かせます(ちなみにレアー・バードの3作目以降はプログレ者からは見放されているようですが私は結構好きです)。ヴォーカルはその筋では有名なビート・バンド、David John & The moodのDavid Johnその人。少し線が細くハード・ロック向けの声ではありませんが、それなりの雰囲気を持っています。ぶっといベースはこの後Little Free Rockに加入するフランク・ニューボウルド。地元ランカシャーで鳴らしたミュージシャンが吹き込んだスタジオ・セッションという独特のマイナー感はあるものの、Kissing Spellとしては上出来の発掘音源です。同レーベルからCD再発されたスプリット盤Astral Navigationsの片面に収録されたバンド、Lightyears AwayよりこちらのThundermotherの方が個人的にはずっと好みです。
なお少し前に出た同郷のドラマー、キーフ・ハートリーの自叙伝にもちょこっと彼等の事が紹介されています。

ナイスレビューですね!